留守番の躾

 共働き家庭の場合、おばあちゃんが留守を預ってくださる場合は、このうえなくこころ丈夫だと思います。
 そこで、ついうっかりしやすいのが、子どもの生活訓練でしょう。普通なら、共働きの親は、子どもが留守番ができるように訓練もし、子どもも真剣に訓練を受けるのですが、おばあちゃんがいらっしやると、つい安心して、親も子も頼ってしまい訓練不足に陥りやすいものです。
 ですが、躾の基本方針は、親がきちんと考えねばなりません。その方針を、よくおばあちゃんと話し合って、毎日の生活をとおして訓練してもらいましょう。留守番は生活訓練の応用問題ですから、一通り訓練ができていれば、自然、留守番もできるのです。その点、留守番だけ練習しても、うまくいくとは思われません。
 また、留守番とは、一定時間、大人の代役を勤めるわけで、日ごろ大人のしていることをよく見ていない子にできるわけはありません。で、親が、自分の仕事を見習わせようともしないで、留守番をさせようというのは無理なのです。
 もし、大人の仕事を見たり手伝ったりしていたら、子どもは、その中で、自分のできることできないことの区別もついているはずです。
 子どもと相談して、できる範囲内で留守中の仕事をしてもらえばいいでしょう。少なくとも、電話が入ったり、人が尋ねてきたりしたとき「両親はいま留守ですから、もう一度、連絡してください」程度の伝言はさせたいものです。
 また、上のお子さんには、万一、大人の帰りが遅くなったときを予想して、食事の仕度、そのための買い物、そのお金の管理、食器や火の使い方など、そろそろ仕込んでおくのがよいでしょう。
 また、大人への連絡、メモのとり方、緊急の際の連絡先なども教えておかねばなりません。
 子どもが一人で留守番しているときは、不安や緊張のために、日ごろできることの七、八割がせいぜいです。無理をさせると、一度でコリゴリして、留守番ぎらいになりかねません。
 また、いやな話ですが、最近は知らない人は決して家へ入れないように指導し、そのための設備もしておくのが常識でしょう。

スポンサーリンク

 留守番の躾で一番の問題は緊急の出来事。病気、けが、事故、災害などが起こったときの処置です。この場合は、少々無理でも、子どもの能力範囲で、なんとか処置しなければなりません。したがって、それのできない年令の子どもに留守番をさせるのは考えものです。
 外国では、市や町の条令で、七歳以下の子どもだけで留守番させることを禁止しているところがあります。ロンドンで暮らしていた日本人の母親が、五歳の子どもを一人残して用足しに出かけ、帰宅してみるとパトカーが何台も来ているのにびっくり。尋ねてみると、それがみんなわが家へ来ていると言われ二度びっくり。警官が口々に「小さな子どもを一人家に残して外出するのは禁止されている」と言うので、さらにびっくりしたという話を聞いたことがあります。
 たしかに、都市の高層住宅で火災など発生したら、子どもだけではどうすることもできません。
 さて、それでは何歳ごろになったら火急の際に適切な行動がとれるかですが、欲をいえば、小学校の四年生以上、少なくとも小学校低学年生、幼児は無理だと思います。七歳は妥当な線かもしれません。
 もっとも、何かあったらすぐに外へ飛び出せるような住まいで、しかも声を出せば近所に間えるようなら、幼児を残して短時間の買い物ぐらいには行かれるでしょう。その時でも子どもを納得させていくことです。しかし、これを留守番とはいいがたいです。
 留守番として頼むからには、緊急の際、次のことはできるようにしておくこと。
 病気やけがのとき、往診依頼の連絡がとれる。そのためには、親があらかじめ医師の了解を得ておくこと。
 救急事の連絡の仕方を知っている(火災、救急車など)。
 電気、ガス、水道などの故障や異常事態の連絡先と連絡のしかたを心得ている。
 必要に応じて、親、その他の大人に連絡がとれる。
 緊急に大人に協力を頼む必要のあるとき、だれに連絡をとればよいかを心得ている。
 災害のとき、一人で避難できる(消火器の使い方を教えるより、避難を優先)。
 留守番嫌いのお子さんですが、甘やかされ、依頼心が強いと、一人で家に残るのは無理でしょう。
 また、五歳くらいになると、かなり背伸びしていい格好をしたがりますが、一度怖い目にあったりするともうコリゴリ。その点、敏感で傷つきやすくもあるのです。よその子どもと比べないで、生活力や社会性がつくように、ゆっくりていねいに指導してください。いずれできればいいのですから。
 また、上のお子さんといつもいっしょに行動していると、一人では何もしないようになります。小さなことでも一人でやらせて、認めたり励ましたりして、自信をもたせることも必要でしょう。
 近所に親しい家庭を見付け、日ごろから子どもとのつきあいを深めてもらっておけば、いざというとき心の支えになってもらえると思って安心します。

躾とは/ 躾と発達段階/ 家庭の躾・学校の躾/ 上手なしつけ方/ ほめ方について/ 叱り方について/ 体罰/ 過保護と放任/ 箸の使えない子/ 食卓のマナーが悪い/ 偏食、小食/ 食事の遅い子/ 排泄のしつけ/ おもらし/ 夜更かしと睡眠のしつけ/ そい寝について/ 物をしゃぶりながら寝る子/ 衣服が汚れても平気な子/ 脱ぎ着のしつけ/ 片付けのしつけ/ だらしのない子/ 友だちの物を平気で使ったり、持ち帰ったりする子/ 子ども部屋を作るとき/ 時間にルーズな子/ あいさつの躾/ 目上の人に対する言葉と態度/ 家族の一員としての躾/ 家庭のルールと躾/ 家での手伝い/ 勉強と手伝いの問題/ 小遣いの与え方/ 無駄使いをする子/ 物を粗末にする子/ 高価な物の与え方/ 子どもへのプレゼント/ 外での躾/ 公共の場の躾/ よその子の躾/ 他人の奉仕を躾ける/ 来客のとき/ 訪問のとき/ 留守番の躾/ 共働きの家庭の躾/ 家の中の事故防止/ 交通事故を防ぐ躾/ 水の事故を防ぐ躾/

       copyrght(c).子育てと育児.all rights reserved

スポンサーリンク