家の中の事故防止

 子どもの事故防止を考えるとき、いつも二つの点に注意しなければなりません。
 その一つは、大人が子どもの事故防止のために、きちんと手を打っておくこと。
 特に幼児は、知的にも技術的にも未熟なうえに、突飛なことをすることが多いので、子どもの心理や行動の特徴をつかんで手を打つことが大切です。
 もう一つは、子どもに対する安全教育です。そして、これには消極的な指導と積極的な指導二つが考えられます。
 消極的指導とは、火にさわったらヤケドをする。ハサミを使ったら手を切るかもしれない。と危険性を強調して、子どもを近づけないようにする指導です。危険からわが身を守ることができない三歳以下の子どもには、この方法は効果的です。だが、いつまでもこの方法をとっていては、子どもは成長することはできません。
 そこで、積極的指導が必要となります。子どもにどこに危険があるかを教え、なぜ危険かを理解させ、どうやってそれを防ぐかを、実際の場面で練習させて身につけさせるわけです。例えば、刃物の特徴を教え、使い方の見本を見せて説明し、実際に子どもに切らせたり、むかせたり、削らせたりして、刃物のどこが危ないか、どう使えば安全かを考えさせておく方法です。したがって、その際の小さなケガも、大きなケガを防ぐ手段と思い、練習させるのが積極的指導です。

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 二歳のお子さんは、まだ自力で事故を防ぐのは難しいでしょう。そこで、三、四歳になるまでは、お子さんの手の届くところに、危ない物は置かないことです。だいたい、子どもが自分の足で歩くようになると、行動範囲がぐんと広がりますが、このころからしばらくの聞か、事故の危険の多いときです。
 まず、大人にとって便利な物は、子どもにとって危ない物と考えてかからねばなりません。洗濯機でも冷蔵庫でも、子どもの生命を奪う凶器になりかねないのですから。
 また、好奇心のかたまりのような幼児にとって、見慣れない物、目新しい物は、一応警戒が必要。ジュースのビンに似ている容器の洗剤や殺虫剤、チョコレートに似た糖衣錠の薬品。絶対、手の届かない、見えないところに保管することが必要です。
 そして、万一、飲んだりした時、どう処置すべきかもぜひ心得ておきたいもの。そして、中毒一一〇番の電話や、近所の医院の電話も目立つところにメモしておきましょう。
 さらに、親のうっかり事故も大へん多いもの。天ぷら揚げやアイロンかけの最中に電話のベル、さっと手を放して電話に走る、そのスキが事故につながる魔の時間です。何よりもまず、子どもの安全を考えていただきたい。
 しかし、二歳前後ともなれば、痛い=熱い、など、体験的に理解し、警戒するようになっていきますから、実際の場面で、危険のありかと、その性質を教えていくことも大切です。ただ「危ない、危ない」と言うだけでなく。
 さて、四歳のお子さんは、危険から遠ざけようとしてももう無理です。手が届かなければ、踏台にのっても見ようとします。
 こうなっては「危ないのよツ」などと恐怖感をつのらせるのは、むしろマイナス。まさに積極策で臨むのがいいのです。
 大人が扱っている時、よく対象物を見せて、どうしたら危険かを徹底的に教えます。また、安全に扱うにはどうしなければならないか。それが自分にできるかどうか、他の物で試させてみるのも一つの手です。大人でなくちやだめだなどと用心深いところもありますから。
 洗剤や薬品の収納場所も教え、子どもが扱うと危ない物には、赤色の目立つテープなどをはって、教えておくといいでしょう。
 一方、ハサミ、刃物、ガスレンジなど、少しずつ扱いに慣れさせましょう。当然、小さな切り傷、ちょっとしたヤケドなど絶え間がない。でも、親はオーバーに騒ぎ立てないで、平静に手当のしかたを教えること。ヤケドしたら、すぐに水を流して冷やすというように。この時の親の態度が子どもに感染するからです。
 子どもが小学生になり、合理的、科学的に物事を考えられるようになったら、親は指導者ぶらないで、むしろ共同研究者のように、共に新しい生活用品を考えてみることです。新しい品物については、大人といっても格段の知恵があるわけではなく、むしろ、柔軟な頭で熱心に試してみる子どもの方が、早く危険の正体を見破ることが多いからです。
 そこで、いくつかのチェックポイントを決めておき、親子で検討してみるのはどうでしょうか。
 まず、科学的に、電気器具や薬品は、科学的にその性質を理解していなければ、効用も期待できず、危険も防げません。
 次が生活的に。どんな生活、どんな遊びが危ないか。どの場面で何に気をつければ、事故を防ぐことができるか。子どもでも使える救急箱の内容は、それをどこに置くかなど、日常生活に合わせて検討してみるのです。
 さらに人間的に。一人の人間にとって便利なものが、他の人にとっては危険な存在になることもあります。それぞれの人の年令や立場を考えて、安全を守ることの工夫を考えさせてみること。大人の想像以上の発想ができるのが子どもですから。

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