教職員の資格と免許

教職員になるには一定の資格要件を満たすことが必要です。教員および校長については、免許資格と任用資格が定められており、これを積極的資格要件といいます。また、欠格条項についての定めを消極的資格要件といいます。教員の免許資格は「教育職員免許法」の規定による免許状授与条件を満たし、各相当の免許状を取得することが必要である。「教育職員免許法」の適用を受けない校長および教員の資格については、学校教育法八条・一〇六条により、別に法律で定めのあるもののほかは監督庁が定めることになっています。校長、教頭の場合は、任用資格として教諭の一級普通免許状を有し、五年以上教職にあったことを必要としています。
校長、教員の欠格事項については、学校教育法九条の規定がありますが、国公立学校の教員の場合はこのほかに、国家公務員法三八条および地方公務員法一六条に定めがあり、これに該当すると教員資格を取得することができません。公務員法制上の欠格事項は、禁治産者および準禁治産者、禁固以上の刑に処せられ、その執行を終るまでまたは執行を受けることがなくなるまでの者、懲戒処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者、日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、またはこれに加入した者、というものです。学校教育法九条は、この一般公務員の欠格条項に加えて、校長、教員について、禁固以上の刑に処せられた者、および免許状取上げの処分を受け二年を経過しない者には資格を認めないという規定を設けています。

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積極的資格要件は、免許状授与に関する資格要件を定めたもので、それは「教育職員免許法」の規定によります。その際、同法は、学校教育法九条の欠格条項に加えて、一八歳未満の者および高等学校を卒業しない者には免許状を授与しないことを定めています。この年齢条項と学歴条項は、教員の仕事が高度な専門的知識や技術を要求されるものであり、教職の専門性を確保するために設けられたものです。一九四九年に判定された「教育職員免許法」は、教員資質の維持、向上を目的として、教員資格を公証する基準を定める法律です。これは戦後初期の新学判への切り替え時の教員資格についての暫定措置を整備した面ももちますが、戦前の免許制度に比して画期的な内容を有するものでした。
戦前の免許制度は、師範学校を中心とする教員養成諸学校の卒業者に免許状を授与することを基本としており、国立専門学校の卒業生は指定学校として免許状を授与されることになっていました。また、公私立の専門学校の卒業生には、許可学校として免許状を授与される学校と、そうでない学校とが明確に区別されていたし、許可学校のうちでも学業成績によって免許授与に格差が設けられていました。そして、このほかに試験検定制度と無試験検定制度があって、全体として複雑であるとともに閉鎖的でした。
戦後の免許制度は、大学における教員養成と免許状授与の開放制の原則のもとに、専門職としての教職の確立という観点から、免許状主義を徹底させることにしています。免許状授与の基礎資格として、資格認定に必要な単位を大学等の教職課程で修得することを明記したし、当初五年間であったとはいえ、校長、教育長、指導主事にも免許状主義を適用しました。また、従来、不備だった中等学校の教員および盲、聾学校の教員にもこの原則を明確にしました。さらに、免許状授与における不正違法行為や免許状非所有者の任用行為には罰則規定をもって臨むことによって免許状主義の徹底をはかろうとしています。
「教育職員免許法」は、三条で、小、中、高等学校および幼稚園の教員、養護教員は首相当の免許状を有するものでなければならないことを定めています。そして、同法五条は、大学等の教職課程で資格認定に必要な単位を修得した者に免許状を授与することを定めている。免許状は各学校種別ごとにわかれているとともに、普通免許状と臨時免許状という区別があります。前者は各学校の教諭または養護教諭の資格を示し、後者は各学校の 助教諭または養護助教諭の資格です。
臨時免許状は、普通免許状所有者を採用することができない場合にかぎって、都道府県教育委員会が当該都道府県内において、一定期間(三年)にわたって有効と認めたものです。戦後の六・三制の発足にあたっては、教員需給関係から仮免許状が設けられたことがありますが、これは暫定措置としての扱いであって一九五四年の「教育職員免許法」の改正により廃止されました。
普通免許状は、全国的に終身にわたって効力をもつものです。ただし、宗教の教科に関する免許状は、国公立学校では効力を有しません。これは、教育基本法九条の宗教教育の条項との関係によるものです。普通免許状には一級、二級の区別がありますが、これは免許状授与のさいの所要資格における差異にもとづくもので、普通免許状としての効力に差はありません。また、この区別は固定したものではなく二級免許状の所有者が大学等の教職課程で必要な単位を修得するか、あるいは「教育職員免許法」六条の定める教育職員検定に合格すると一級免許状を取得することができます。教育職員検定は、現職教員の研修を尊重して、一定の在職年数を単位修得と認めたうえ、人物、学力、身体について授与権者が行う検定により上級または異種の教員免許状の取得を可能とする方法です。なお、中学校、高等学校では免許状は教科ごとに授与されます。

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