社会教育の意義

教育は本来基本的人権の一部をなすものです。人権としての教育はあらゆる機会、あらゆる場所において実現されなければなりません。それは学校教育においてはもちろん、家庭教育及び勤労の場所その他社会において行われる教育としての社会教育においても実現されるべきものです。
元来学校教育は家庭や職場さらに地域社会において行われている教育の必要性にもとづいて組織化されたものであり、現に不断に組織化されつつあるものです。その意味では、社会において行おれる教育こそニ重の意味で教育の原形態をなすものであるといえます。しかし、教育の原形態としての社会における教育は、そのまま今日のいわゆる社会教育ではありません。今日の社会教育もまた学校教育と同じく近現代社会におけるデモクラシーとテクノロジーの発展にもとづいて、国家的に組織化されてきたものであり、公費教育の一環をなすものだからです。

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日本における社会教育組織化の歩みは、まさに特殊日本的であったが例外ではありませんでした。社会教育は社会問題教育としてまずとらえられ、そのイデオロギー的側面が著しく国家主義的に重視されたところに戦前日本の社会教育の特質が指摘されます。したがって、それはまた著しく団体主義的であり、青年大衆特に農村青年大衆の軍国主義的教育の組織化を基軸として展開されました。
日本の社会教育は戦後教育改革をとおしてはじめて教育を受ける権利の一環として法的に承認され、その実現の方途が広く国民的に問題とされるようになりました。一九四九年六月、社会教育法が制定されるにあたって、当時の文部省社公教育課長寺中作雄が次のように述べているのは、その意味で注目されます。「まことに社会教育は社会の中にある教育であり、生活の中にある教育なのであるから、(中略)その法制化にあたって考えるべき無数の問題が存しているのです。しかしながら、自主性を拘束することだけが法制化の役割ではありません。社会教育の自由の獲得のために、社会教育法は生まれたのである。更には民主国家の国民に必要な国民教育の自由と向上のために、社会教育法の絶対的な存在理由があったのである。」
現行社会教育法によれば、社会教育は、正規の学校教育課程以外において行われる青少年および成人に対する組織的な教育活動と一般的に規定されています。そして、そのような社会教育に対する国及び地方公共団体の任務は、いわゆる条件整備としての行政に徴すべきものです。すなわち、その任務は、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成する点にあります。いいかえるなら、それは国民の学習権を保障する行政でなくてはなりません。したがって、それは基本的に求めに応ずる行政でなければならず、いかなる方法によっても、不当に統制的支配を及ぼす行政であってはなりません。
現行法がこのような理念にもとづいて、特に公的に規定している社会教育の自由の分野ないし形態としては、第一に「社会教育関係団体」第二に「公民館」および図書館・博物館その他の社会教育施設、第三に「学校施設の利用」そして第四に「通信教育」などがあります。なお、それらの団体、施設および機関における活動にたいし、「専門的技術的な指導・助言」を支える者として、「社公教育主事」「司書」「学芸員」、さらに公民館「主事」等の職員規定があります。

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