社会教育職員

社会教育に関する事務を担当する職員のうち、直接なんらかの形で社会教育事業にかかわる職員は一般に社会教育職員とよばれます。求めに応じた助言、指導を原則とする社会教育行政のもとでは、その任務は国民の自発的な学習活動を援助するところにもとめられますが、この意味での社会教育職員のうち、法令上に根拠をもつ職員を列記すると、次のようになります。すなわち、社会教育主事、社公教育主事補、公民館長、公民館主事、図書館長、図書館司書、博物館長、博物館学芸員、青年学級主事、青年の家等の施設の長および助言、指導担当の職員などです。もちろんこのほかに、教育委員会の社会教育関係職員、上記以外の社会教育施設職員があり、最近、補助金によって設置が奨励されている非常勤の社会教育指導員も含めて、これらは当然社会教育職員として考えられます。

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社会教育職員を法令上または職員組織上、行政機関職員と教育施設職員に二分することも行われていますが、その機能については十分な理解が必要です。例えば、行政機関が教育施設の管理にあたるという任務からみて、あたかもそれぞれに所属する職員の間に上下の関係があり指揮、監督がなしうるかのようにとらえてはなりません。行政機関たる教育委員会事務局におかれる社会教育主事は、公民館、図書館等の職員に対しては、その求めに応じて助言、指導を行うものであることは、法の規定からも社会教育主事法制化のさいの国会における法改正審議でも明らかにされているところです。また、教育施設の自立性の原則からみて、公民館主事等の教育活動には一定の自律性が認められるべきですが、これと同様に社会教育主事も教育専門職としての自律性は尊重されねばならず、行政機関におかれる職員であるからといって個々の業務について上司の指揮監督をうけるものでもないのです。さらに、一般事務を担当するもので法令上特定の職名を有しない職員についても一律に非専門職、非教育職員として教育活動にかかわらないものととらえるべきではなく、関係職員の討論と協力による共同研究と共同の業務遂行が行われることが望ましい。教育施設に例をとって考えれば、その教育的機能が十分に発揮されるためには住民の施設利用や図書、資料の貸出あるいは諸事業への参加にかかわるサービスの業務などは、すべて担当する職員の連絡と協力によって、住民要求の把握のうえに立ちかつ教育、文化活動が一層発展する方向で行われることが望ましいのです。これは、教育委員会の社会教育部局における社会教育主事と他の関係職員との関係においても同様であって、担当部局全体の教育サービス機能の向上がはかられるような職員集団の形成が求められています。
このように、社会教育職員の教育活動における自律性を重視する考え方は、戦後社会教育の特色のひとつです。
社会教育が、成人の自主的、自発的な教育活動としてとらえられる以上、行政機関が国民に負うべき責務は、施設設置等の条件整備でありその限界は、いかなる方法によっても、不当に統制的支配を及ぼし、又はその事業に干渉を加えてはならないとして示されるところに明らかです。したがって、社会教育の振興は、自主的な教育、学習、文化活動組織の育成、公民館等の自立的な教育施設の設置、学校の自主的な教育活動の国民への開放、という三つの分野にわたってなされることが原則とされています。社会教育職員は、これらの請活動か充実して展開されるよう援助する任務を負うのであって、国民を被教育者とする教育者ではありません。しかしこのことは、その職務に専門性が不要であることを意味しません。反対に、人びとの学習意欲を掘りあて、自主的な学習活動が組織されるよう援助し、みずから教育活動の担い手になりうるように働きかける仕事を、主として成人に対して行うというきわめて専門性の高い職務を担うのです。このような性格をもつ教育活動が上司の指揮に従って一律的に行いうるものでなく、個々のケースに応じて適切な助言、指導をなしうる自律的なものであるべきことは、いうまでもありません。

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