私学や保育の関連行政機関

私学に関連する行政機関として、普通地方公共団体の長および私学審議会があります。まず、都道府県知事は、国の機関委任事務として私立学校等の設置、廃止等の認可、学校法人の助成および監督上必要な措置を講ずる権限を有します。そして、私立学校法の規定にもとづき都道府県知事は、私立大学および高等専門学校以外の私立学校の所轄庁とされ、私立学校の設置、廃止の認可あるいは閉鎖を命じ、また教育の調査統計その他につき必要な報告書の提出を求めるなどの所轄権限をもつことになります。
私立学校審議会は、私立学校の代表者を主な構成員として都道府県に設置される機関で、私立学校に関する重要事項につき都道府県知事に建議する諮問機関です。都道府県知事が私学の設置、廃止の認可等私立学技法五条各号に掲げる事項や学校法人に関する一定の事項(収益事業の種類の定め、寄附行為の認可、解散事由の認可または認定、学校法人の解散命令など)を行う場合には、あらかじめ私立学校審議会の意見を聴取するよう義務づけられています。
私学行政において、このように私立学校審議会が設置されるのは、私立学校に対する所轄庁の権限制限とあいまって、私立学校の自主性を確保し、行政の適正化をはかることが期待されているためです。
市町村長については、指定統計に関する事務以外、教育に関する機関委任事務は存しません。
次に私学に関する事務のうち国の機関委任事務以外の事務は、地方公共団体の長が処理するとされます。したがって、長は私立学校振興法に規定する学校法人に対する助成事務(補助金の支出、貸付金、財産の譲渡、貸付等の事務)を担任します。

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保育所は、児童福祉法に定める一四種類の福祉施設の一つで、「日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを目的とする施設」である。地方自治法によれば、病院その他の公の施設とともに保育所を「設置し若しくは管理し、又はこれらを使用する権利を規定すること」は地方公共団体の自治事務に属する。ただし、児童福祉法は市町村長に「保育に欠ける」児童の保育所への入所措置を義務付けており市町村の入所措置は、機関委任事務の一種となっています。かかる市町村の機関委任事務を管理執行するため、市町村は保育所を設置せざるをえないわけで、そのため、国、都道府県および市町村はそれぞれの行政責任において児童福祉施設を設置するよう義務づけられているにもかかわらず、保育所については専ら市町村の責任において設置されることになります。
なお、市町村その他の者が保育所を設置、廃止または休止する場合は、都道府県知事の認可もしくは承認を要します。
保育所の監督については、厚生大臣がその設備および運営について最低基準を定めます。それぞれの施設がこの最低基準を遵守しているかどうかについては、国や都道府県知事が監督し、必要な事項については改善の勧告や命令を行い、また児童福祉に著しく有害な場合には事業の停止を命ずることができます。
また児童および妊産婦の福祉に関する事項を調査、審議する諮問機関として児童福祉審議会が都道府県令市町村に設置されています。
教育と福祉との結合が望まれているにもかかわらず、両者の関係は法制上必ずしも整序されていない現状は問題となります。とりわけ、保育所と幼稚園との関係は、法制上別の施設とされているため、就学前の子どもの保育に責任を負う施設は一元化されていません。子どもの発達条件を保障する法制として、幼保一元化が望まれるところです。
その他の関連行政機関として、公民館運営審議会、図書館協議会、博物館協議会などが地方公共団体に設置されています。
公民館運営協議会は、地域の各種団体代表者を構成員に市町村に設置されるもので、館長の諮問に応じ公民館における各種事業につき調査審議します。また、館長の任命に関しても、市町村の教育委員会に、あらかじめ、意見を述べます。これは社会教育の主体は国民であるとの原則からして社会教育行政は国民の自主的な活動を発展さす条件整備にこそその任務があるわけで、公民館についてもこのよう協議会を設置することで住民と直結した運営を保障しようとしているといえます。
図書館、博物館についても同様の趣旨から地域の教育関係者、学識経験者などを構成員とする図書館協議会、博物館協議会が任意に設置されています。

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