先生が嫌い

四年生の女の子ですが、三年生までは成績が良いほうだったのですが、急に勉強に身が入らなくなり、どんどん成績が下ってきました。聞いてみると、今度の先生は意地悪だから嫌だといい、学校が楽しくなくなった様子です。どうすればよいでしょうか。
先生と生徒との相性というのは、あまり注意されてはいないが、案外重要な問題なのです。例えば、アメリカのローゼンタールという心理学者は、次のような事実を指摘しています。アメリカでは、生徒の知能テストの成績は公関してはいけないことになっているので、父兄にさえ知らされませんい。生徒のIQは担任の先生だけが知っています。ところで、ローゼンタールは、教育委員会で行った知能検査の結果を学籍簿に記入するときに、誰にも知られないようにして、その数字をかきかえてしまったのです。
その後何か月かして、再びこれらの子供たちに知能検査をしてみた。すると、ふしぎなことに、高くかき変えられた子供は、文字どおりIQが以前より上昇していることがみいだされたのです。
同じように、心理学者が特別のテストをした結果だと偽って、担任の先生にある子供たちは将来知的能力の伸びていく可能性が大きいという通知をだす実験も行われています。もちろん、この特別なテストというのは嘘で、指定された子供たちはくじびきで無作為に選んだのにすぎません。ところで、やはり何か月かたって全員に知能検査をすると、伸びる可能性が大きいといわれた子供たちでは、前よりもはるかにIQの値が大きくなっていました。また、このIQの伸びは、低学年のほうが高かった。

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これら一連の結果をどのように説明すべきかは難しい問題ですが、しかし書き変えられたIQや偽りのテスト成績は、担任の先生だけにしか知らされていないのだから、鍵は担任の先生のなかにあることだけは確かです。いいかえると、先生が、この子は知能指数が高いから深く物事をつっこんで考えているのだろうと信じたり、伸びていくはずだと期待したりすることが、何かの効果があると考えざるをえません。ローゼンタールは、このように、先生が生徒の能力や行動をいつも好意的に解釈し、ある期待を寄せることからでてくる成績の向上をピグマリオン効果と呼んでいます。いわば、自ら作り上げた解釈にもとづいて生徒を評価することの効果がここに現われるといってよい。
おそらく、同じような効果は親子関係や職場の人間関係などにもあるにちがいありませんが、先生と生徒との関係のとき最大の効果がみられるにちがいありません。先生は生徒にとって純粋に尊敬の対象です。また、低学年ほど、先生の影響を受けやすいと考えられています。この両者があいまって、教室では大きなピグマリオン効果を生ずるのでしょう。
人間関係というのは相互的なものだから、片方の感情は他方にもすぐ伝わるものです。先生がある生徒に低い評価しかもてなければ、その生徒も先生に良い感情をもつことができなくなり、マイナスのピグマリオン効果が現われて成績はどんどん下ることになるでしょう。
ではどうしたらよいかということになると、対策はなかなか難しい。先生も神様ではないから、完全な公平などを期待されても困るでしょう。むしろ、子供の方でその先生の優れた面を発見できるよう、もっと広い見方を身につける努力をするほうがよいのかもしれません。もし、先生が寛大で誠実な人柄なら、思い切って事情を率直に話しあってみるのも一策でしょう。

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