意志の弱い子

小学校一年生の男子ですが、親との約束や毎日の予定はあまり守らないし、友だちと遊んでいても自分の意見は言わず、友だちの言うままになっています。男の子はこんなに意志が弱くては困ると思っています。意志を強くするにはどうすればよいのでしょうか。
自分の考えていることをはっきりと発言でき、一旦きめたことは困難にぶつかっても最後までやりぬき、人との約束はきちんと守り、人のいうことで自分の行動が左右されない、こういう子供を意志の強い子供というのでしょう。すべての男の子の親は、自分の子供にこういう男らしい性質を身につけてもらいたいと願っています。ところが、実際の子供の行動をみているとなかなか意志の強い子とはいえないので、どうしたらよいかと思い悩んでいます。どうも男の子の親は、もともと無理なことを子供に期待しているように思えます。男の子にかぎらず一般に、小学校低学年の子供に、いわゆる意志の強さを期待することはまだ無理なのです。

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小学校低学年の児童は赤ちゃんや幼児に比べれば、ずっとしっかりしているし、物事もよりよく理解しています。けれども、青年や大人と比べると、自我は来成熟であるし、生活していく上で相当ていど親に依存しています。このような児童に、青年や大人と同じような意志の強さを期待することはできません。例えば、親との約束が守れないというが、毎晩七時半から三〇分間勉強しましょうと約束したとします。大人であったら、こういう約束をしたら今後守っていけるかどうかよく考えたうえで返事をします。約束を破ってはいけないことも、十分に理解しています。また、何のために勉強するのかもよくわかっています。一年生にとっては、将来約束が守れるかどうかの見通しはつけられないし、約束を破ることがどういう結果になるかもよくわかっていません。第一、何のために勉強しなければいけないのかもよくわかっていません。親が約束しましょうと、かなり押しつけがましくいうから約束したまでなのです。次の日になれば、何の約束だったかはっきり覚えていないし、約束を守らないじゃないと叱られても、破約したことに大人ほど罪の意識を感じていません。
それでは、子供には意志がないのかというとそんなことはありません。この子供でも、マンガの本を読むときは一心不乱に読んでいます。マンガを読むという意志は、はっきりしています。また、親に何かを買ってほしいと要求することもあります。自分の気持をはっきり表明しています。親が買えないといえば、すねだり、おこったりします。意志をとおそうと努力しています。ところが、こんな行動を親は意志が強い行動とは評価してくれません。わがままであるとか、がんこであるとか、反抗的であるとかいう。意志の表明のしかたが適当でなく、意志をとおそうとするやりかたが幼稚であるためでもあります。けれどもとにかく、子供の意志を反映した行動であることはたしかです。
一般に、親にはたいへん身勝手なところがあって、意志の強い子供を期待しながら、親にとって期待しない面で意志の強さを示しても認めようとはしません。親の期待する面だけで意志の強い行動を求めています。自分の子供は意志が弱くて困るという前に、もう一度子供の生活を考えて、親の身勝手な解釈がなかったか反省してほしいものです。
また、親は自分の子供が友だちの言うなりになったり、いじめられているのをみると、自分のことのようにくやしがります。子供の友だちとの関係は、子供自身がつくっていくもので、親はできるだけ干渉しないほうがよい。友だちのいうなりになるのも、それなりの理由があるはずです。理由も考えずに「自分の考えをはっきりいったらいいじゃないの」と叱りつけても、子供は困惑するばかりです。子供の友だちとの関係のありかたは、子供自身にまかせておいてほしい。

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