水道方式

水道方式というのは、算数のなかでも特に計算を指導するために工夫された教授法の体系で、遠山啓氏を中心とする数学教育協議会の人々によって、昭和三五年頃に作られたものです。
計算の指導というのは、算数教育の最も基礎的でかつ骨の折れる部分であるにもかかわらず、それについての十分整備された体系がこれまでなかった。そこで、能率よくかつ完全な計算指導の体系を目指して作られたのがこの方式です。
水道方式の原理は、次のようなものです。
(1) すべての計算過程を、もっとも単純な計算過程に分解する。これを素過程と名づける。
(2) 素過程を組合せて、もっとも一般的で典型的な複合過程を作る。
(3) 指導は、一般的で典型的な複合過程からしだいに特殊な典型的でない複合過程に及ぼしていく。
これを具体的な例についてみよう。例えば三けたの数の加算は、十進法の位取りの原理と、一けたの数の加算という、二つの素過程に分解できます。そこで、まず、位取りの原理を十分理解させること、一けたの数の加算を十分練習することが必要です。これらを組合せた複合過程で、三けたの数の加算の中もっとも一般的典型的なものは、例えば245+613のようなものである。ここには、どのけたも欠けたところや0や練上りがない。こうした一般的な問題をまずしっかり練習させる。その後で、しだいに0のある問題240+536、けたの欠けた問題243+51、繰上りのある問題249+538などに及ぼしていくのです。これは、一般から特殊への方向といえます。

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従来は、これとは逆に、特殊なものから一般へ及ぶ、例えば、245+3や200+600など一見やさしそうな問題からはじめて245+613に及ぶ方向がよく取られました。これては、新しい問題ごとに新しく指導せねばならず、教えることが多くなります。これに対し、一般的な問題を先によく指導しておけば、そこで一般的な規則が習得されるので、その後の特殊な問題は、たいてい子供自身の力で自然に解決されます。したがって、この方がずっと能率的であるというのが、水道方式の考え方です。この一般からしだいに特殊に及んでいくのが、ちょうど水源池に貯えられた水が、水道で末端にまで及ぶのに似ているというので、水道方式とよばれました。
水道方式では、上述のような指導を容易にするために、計算の練習問題がすべて型分けされ、整然と配列されています。これは指導上非常に便利です。どの型からはじめて、どの型へと特殊化していくか、その型の練習問題にどういうのがあるかがわかります。また、どの型の問題ができなかったかで、その子供の計算能力を分析して診断できるので、重点的な指導ができます。
このような計算体系が、整数の加法、減法、乗法、除法、小数、分数などについて作られています。
水道方式のその他の特徴をあげると、それは筆算を中心とする計算体系です。位取りの記教法を演算と切り離して指導する。補助教具として、タイルを使用している。これは、位取りや繰上りの理解に有効です。
以上、水道方式は、計算指導のための一つのプログラムです。これが唯一のものではないにしても、いままで検討されたところでは、よいプログラムの一つといえるでしょう。

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