漢字教育

漢字教育が盛んだった江戸時代はどうだったかというと、貝原益軒の「和裕童子訓」という書物には「六歳の正月に、はじめて一二三四五六七八九十、百、子、万、億の教の名と、東西南北など方角の名を教える」と書いてあるし、家庭ないしは子供の能力によっては、五歳くらいで、漢字ばかり並んでいるる中国の古典を、意味もわからぬままにお経でもとなえるように声を出して読む、いわゆる素読がおこなわれたようです。
現在でも、自分の名前に出てくる字は、三、四歳になるといつのまにか覚えてしまうことかあるし、「田」という字なども、おうちの窓のようだね、というとすぐに覚えてしまいます。だから、学習できるかどうかといえば、四、五歳で学習できないということはありません。
しかし、教えるべきかどうか、ということになると、無理して教える必要はないといってよいでしょう。

スポンサーリンク

現在の世の中は、昔と違ってどんどん変化しています。例えば、電子計算機ひとつ考えてもよい。それによって人間の生活はすっかり変わってしまう。便利になるというだけでなく人間どうしの関係まで変わってしまうのです。中国の古典を読むという仕事は、学者の間でも一部の特種なひとびと に要求されることで、多くのひとびとによって必要なのは、毎日のように進歩発展していく知識やものの考え方を一生の間学び続けることです。漢字の本家である中国でさえも、漢字のほうを改良してなんとかして時代の要求に合わせようとしているくらいなのです。
子供がいつとはなしに覚えてしまうのを妨げることはないし、子どもに何という字と聞かれたら当然答えてよい。しかし、あらためて特に漢字教育をする必要はないでしょう。
石井式漢字教育法というのは石井勲氏がすすめるもので、幼児の場合、昔話や童話を話して聞かせながら漢字を覚えさせようというのです。例えば「おじいさんはやまへしばかりに」というところでさりげなく「山」と書いて見せる。「おばあさんはかわへせんたくに」というところでは「川」と書いて見せる。そのようにして話しがひととおり終ったら、もう一度前に書いた字を手がかりにして話を思い出していくということをやるうちに、字を覚えてしまうのです。また、字画の少ないものから順々にという配慮はせず、例えば「鳥」よりも先に「鳩」を教えてしまうという点も石井式の特徴といえるでしょう。
たしかに、石井氏のやり方にしたがうと、子供たちはあまり苦痛を覚えずに漢字を覚えるし、ひらがなよりも漢字、漢字の中でも字画の多い字を案外はやく覚えてしまうものです。
しかし、漢字教育のほかにもっとやっておかなければならないことはないか、ということを考えてみる必要があるでしょう。
例えば、アメリカのある物理学者は、動いてているという言葉が、話すひとの立場を別にしては使えないことを子供に気づかせる教育を、人形やおもちゃを使って子供と話しながらおこなっています。「うごく」という言葉を聞いて、そのようなイメージが特てるようになることと、「動」という漢字が浮かぶのと、今後の社会に生きるうえにとって、どちらが大切でしょうか。

能力の分化/ 知能テスト/ 性格テスト/ 学校嫌い/ 先生が嫌い/ 勉強が嫌い/ 学科の好き嫌い/ 本が嫌い/ 先生を馬鹿にする/ 集中力が持続しない/ 意志の弱い子/ 依頼心が強い/ よその家を羨ましがる/ 団地っ子/ 転校児童/ 宿題と自発的勉強/ お小遣い/ 知能の進んだ子/ 子供の絵と性格/ ケンカの指導/ 水道方式/ 幼児の創造性/ 外国語教育/ バレーや踊り/ 絵画教室/ 安全教育/ 漢字教育/ プログラム学習/ 発見学習/ ティーチング・マシン/ 学習塾/

       copyrght(c).子育てと育児.all rights reserved

スポンサーリンク