身のまわりの事が一人できない子

 まず考えられることは、寝起きが悪いお子さんなのではないか、ということです。
 起こした時、目は覚めるけれども、体の方がすぐには覚めてくれないのです。
 つまり、体の方の血液の循環がスムーズに行かないために、服を着なさいと言われても、片袖だけつっこんだまま、ボーッと天井を見ているということになりますし、顔を洗いなさいと言われても、水道の栓をひねっただけで、じっと水の行方を眺めていたりする、といったことが起こってきます。
 もし、こういうお子さんだったら、それは自主性の問題ではなくて、体質の問題だといえます。
 要するに、血液の循環が悪いから、その血液が十分に体に流れるようにならないと動けないのです。時間がないから、つい親が手を出して服を着せ、洗面を手伝うことになって、二次的に自主性の乏しい子どもに育ててしまうということはよくあります。

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 血液の循環が悪いというのは、あまり体を使っていないせいです。その証拠に、この種の子どもには、夜更かしの朝ねぼう型が多く、体育が苦手な子どもが多いようです。
 運動をしない。だから、疲れない。疲れないから、寝付きが悪い、寝付きが悪いから、朝ねぼうになる、というのがその順序です。
 また運動をしないから、血液の循環が悪い、血液の循環が悪いから、朝起きても、すぐに行動に移せない、といったことが起こっているのです。
 まず、運動をさせることです。とこう言いますと、それでは、スイミングクラブに入れよう、体操教室に通わせよう、という考えが出てきてしまいます。
 しかし、そんなところで、一週間に一度とか二度、運動をやらせても、何の効果もありません。
 運動というのは、毎日やって、はじめて効果があります。もともと、子どもというものは筋肉が発達してくる途上にありますから、激しい新陳代謝を必要とします。毎日二度は汗をグッショリかくぐらいの運動が必要です。
 また、自分から進んでやるようになって、はじめて自主的な行動になるのです。スイミングクラブや、体操教室の運動は、つねに指導者によって指導されますから、つねに受け身で運動することになります。これではいくら運動量だけ増やしてみても、おそらく自主的な運動ではありませんから、あまり意味はありません。
 運動とは、近所となりの子どもたちと、おいかけごっこをしたり、おすもうをとったりするような素朴な遊びをさせることを指しているのです。
 もう一つ、対象療法的な方法としては、朝起こした時、ふとんの中で軽い運動をやらせてみるのも、一つの方法だと言えます。
 お宅のお子さんと反対のお子さんがいます。きわめて寝起きの良い子です。その子の様子を見ていますと、目が覚める前に体の方が先に覚めて、しきりにのびをしたり、反転をしたりしています。そういうことを続けているうちに、自然に目が覚めることになります。
 だから目が覚めた時には、体の方のウォーミングアップがすでにできています。すなわち、血液が体全体にゆきわたってから目が覚めるわけですから、目が覚めたとたんにトコトコと動き出すことになります。
 だから、ふとんから出る前に、似たことをやらせればよいわけです。これをふとん体操といいます。ゆっくり、手を伸ばしたり足を伸ばしたり腰を曲げたり首を動かしたりしてから、体を起こさせると意外にすばやく服がきれたり、洗面もすばやくできるようになるはずです。
 この時の要領ですが、学校の先生がラジオ体操をやる時のようなやり方をするとすぐにいやがるようになりますから、できるだけ楽しくやらせるのがコツといえましょう。
 血液の循環を良くするためには、乾布まさつをやらせることも、良い効果を現します。末梢神経を刺激することになるからです。
 といっても、この乾布まさつというのは、そうとう意志が強固でないと続けることができません。まして子どもにまかせておいたのでは三日も続かないでしょう。
 そこで、それに代わる方法として、風呂へ入った時、いつもつかっているタオルを追放してください。そしてその代わりに、ナイロン製のタオルを用意してください。
 そして体を洗うことから、ふきとることまで、一切をそのナイロンのタオルでやることです。かなり固いタオルですから皮膚を刺激するのによいのです。またふつうのタオルと違って水の吸い取りがよくありませんから、何度もふかなければならない点も利点です。
 わざわざそのために裸になる必要はありませんし、風呂で温まってから摩擦することになりますので、乾布まさつより良い効果があがるようです。
 ただし、はじめは少し手伝ってやらなければならないでしょう。少しでも痛いと思わせたら失敗です。たくさん石けんをつけて、そうっとこすってやります。それをごく少しずつ強めてゆき、四、五か月目にゴシゴシとやってやれるようにもってゆくことです。
 そうなったら本人にまかせてください。
 これで、寝起きの悪さ、朝の行動の鈍さはかなり解消するはずです。

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