落ち着きのない子

 もともと、子どもというものは、大人と比べると、落ち着きのないものです。よく、デパートヘ行っても、レストランヘ入っても、大人と同じようにじっとしている子どもを見かけますが、そのような状態は子どもらしい活力に乏しいし、興味や関心が弱く、吸収力の弱い子どもで、決して良いことではありません。
 ですから、あまり落ち着いた子どもにしようと考えないことです。
 その程度が問題です。だから少し度がひどすぎると思ったら、次のようなことを考えてみて下さい。
 第一に、活力が旺盛で体力が余っているのかもしれません。とすれば、まずうんと運動をさせて、体力の消耗をはかることです。
 このような場合、大切なことは、毎日運動をさせるということです。○○クラブなどというところへ入れて、一週間に一度か二度一、二時間程度の運動をさせても、何の効果もありません。
 二番目に考えるべきことは、本人の情緒が不安定なのではないかという点です。すなわち、つねにイライラしたり、不安であったり、喜怒哀楽が入れかわり立ちかわり現れるといった状態だとすると、まず、その情緒の安定をはかってあげることです。
 情緒不安定な子どもというのは、社会性の未熟の場合にも起こります。
 家庭の中の条件から、情緒不安定になっている場合もあります。つまり、自分はかわいがられていないと感じていたり、両親の不安定さが感染していたり、また両親の扱い方の誤りからそうなっている場合があります。

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 もう一つの場合は干渉やおせっかいが多すぎる場合です。
 例えば、ここに本を読んでいる子どもがいるとしましょう。集中していますから、自分の全子エネルギーをかけて読んでいます。
 ところが、おせっかい癖のあるお母さんは、それを黙って見ていることができません。「そこは寒いから温かいところへきて読みなさい」「寝ながら本を読むと背中が曲がりますよ」「おやつを食べながら本を読んではいけません」「本を読む時は机に向かうものです」「目が近いです。近眼になりますよ。遠ざけなさい」
 こうした言い方は、まったく意味のない言葉です。要するに、お母さんの気やすめです。
 子どもといえども、寒いなと思えば、自分の足で歩いてあたたかいところへ行くに違いありません。
 寝ながら本を読むと、ほんとうに背中が曲がるでしょうか。街を歩いていて、寝ながら本を読んだために背中の曲がった子どもを見たことがあるでしょうか。
 おやつを食べながら読むと、おやつがこぼれるからお母さんが後始末に困るのです。「こぼれないように食べなさい」と言えばよいことです。
 お母さん、あなたは本を読む時いつも机にむかっていますか。それこそ、寝転んでで読んでいるのではありませんか。
 目を本に近づけているのは、すでに近眼になってしまっているのかもしれません。眼科医に見せるべきであって、遠ざけさせてみても何の効果もありません。
 一つとして有効な意味のある言葉ではありませんでした。ただ意味がないというばかりならよいのですが、落ち着きのない子を育ててしまうようです。
 なぜなら、そういう言われ方をするたびに、何とか応答をしないと強くしかられますから、つねに意識を外にはりめぐらせることになります。
 ですから、本を読んでいる最中も、つねにお母さんの動静をうかがっていることになります。
 つまり本来であれば、本を読むということに10のエネルギーを注いでいるはずなのに、まわりに気を配ることに半分のエネルギーをかけてしまいます。したがって、本を読むことにはあとの半分、すなわち、5のエネルギーをかけることになります。
 こういうふうに目の前のことに半分のエネルギーをかけ、あとの半分を周囲の動静をうかがうために使う習慣がついてしまいますと、学校へ行っても、先生の話を聞くということに5のエネルギーをかけ、あとの5のエネルギーをまわりにはりめぐらしておくわけですから、窓の外を飛行機が飛ぶとそれに気をとられることになりますし、となりの子どもがやっていることが目に入りますので、そちらに気をとられてしまうといったことが起こってしまうのです。
 このようにして落ち着きのない子ができあがります。
 普段から、子どもに何か言う時、はたして意味のある言い方であるかどうかを考えてみてください。
 もちろん例外はあると思いますが、普通、お母さんが子どもに対して言っていることのほとんど半分ぐらいは、たんなる気やすめで、意味のないことのようです。

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