欲ばりの子

 小学校一年の女の子ですが、五歳になる妹とはよく遊んでくれるのですが、いつの間にかおもちゃを取ってしまったり、妹の分のおやつまで食べてしまったり、近所の子と遊んでいても自分の物は貸さないで、人の物ばかり欲しがります。このままにしてもよいのでしょうか。
 これは欲望の強いお子さんのようです。しかし、こうした旺盛な欲望は大切にしてあげてほしいと思います。
 というのは、こうした強い欲望が、やがて、一等を手に入れたいという欲望に変わりますし、百点を手に入れたい、四重丸を手に入れたいという欲望に結びついてゆくからです。
 今問題になりますのは、その欲望が素朴なもので、目の前にあるものをすぐに手に入れたいという形になっているということと、相手に対する思いやりとか、相手の立場に立つとか、相手の迷惑を考えるといった心配りができていないという点でしょう。
 姉なのだから、一日も早く姉さんらしい行動ができるようになってほしいというお気持ちがあると思います。もちろん、子どもによって早くからそういう 傾向の出てくる子どももいますが、だいたいにおいて、お姉さんが、妹に対して姉らしい思いやりや、配慮ができるようになるのは、小学校の高学年になってからだろうと思います。
 だから、今の状態はしばらく続くと考えてください。ほかの面、例えば、社会性、情緒のコントロール、知的能力などが成長してきますと、自然に姉らしい態度をとるようになると思います。今でも家の中では妹をいじめるような行動をとっていても、外へ出てはかの子どもとつきあっているような場面では、結構、姉らしくふるまって妹さんをかばったりしているものです。
 現在の時点では、ひたすら自分が得をする喜びだけがあるようですが、だんだん相手が喜ぶことが自分の喜びであるといった心のしくみを獲得するようになると、自然にいたわることを覚えてきます。
 そういうことを教える場合、妹のものを取った時にそれをたしなめるという方法だけをとっていると、効果はあがつてきません。普段から、そうしたことをお説教としてではなく、体験的にわからせる機会を作ってやることです。

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 小動物を飼ってみるというのも、その一つでしょう。こちらから愛情をかけてやると、必ずそれに対して反応してくれる動物がよいと思います。
 その点では犬が一番よいと思います。飼う場合、えさは必ず本人の手で与えさせるようにしてください。面倒になってお母さんが飼育の中心になってしまいますと、お母さんだけになれてしまいますから、犬を飼うことの意味がなくなってしまいます。
 一食二食ぐらいは抜くことがあっても、えさだけは、必ず本人の手で与えるという原則を守っていきます。
 そうなると、犬も、本人に一番なついてきますが、本人の一挙手、一役足に機敏に反応するようになります。本人になついてくると、本人がかわいがることの楽しさがわかってきます。
 そんなことから、愛情というものは、受けることも楽しいことだけれど、与えることも楽しいものだということがわかってくるもののようです。
 友だちとのことも、その行動や、それによって起こってくるトラブルについては、そのまま放置しておいてください。
 このような時に「そんなに意地悪をすると友だちにいやがられますよ」などとロの先でたしなめてみても、ほとんど効果はありません。
 むしろ、そういうトラブルを起こした時に、友だちがみんな帰ってしまった。その時に昧わう辛さ、あるいはまた逆に、自分がそういう意地悪をされた時の辛さといったものを経験することによって、意地悪をすることはいやなことだということを胸にしみてわかるといったことの方がはるかに大切なことです。
 それから人というものを大切にする尊さを教えることです。
 といっても「友だちというものは大切にしなければいけませんよ」といった言葉で直接教えるということを指しているのではありません。
 いっしょにテレビドラマをみて「ああいう人はお母さん大好き」といってあげたり「あのおじさんステキね」などといってあげることです。
 また、お母さんが子どもの時代に他人に親切にしてもらった話とか、その時の喜びのようなものを、日常の会話の中で話してあげることもよいと思います。
 ここで大切なことは、口先だけできれいな話をしていても、お母さん自身の中に「他人の子どもはどうでもよい。わが子さえよければよい」といった強いエゴが住んでいたり、つねに自分や自分の家族の被害者意識が先行して、たえず近所の奥さんの悪口が出てきたり、担任や学校を批判したり攻撃したりするような気持があったら、実はそちらの方の気持の方が、子どもに移ってしまうことになります。
 そうなりますと、口先で言っていることは、全部嘘になります。だから、口できれいな話をすればするばど、大きな嘘になりますから、口先だけのキレイゴトは言えば言うほど逆効果になることは明らかなことです。要するに、面談が口先だけではなく、どれだけまわりの人間を大切にしているかにかかってくると言えましょう。

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