理屈っぽい子

 一口に理屈っぽい子どもといってもいろいろな種類のものがあります。幼い子どもというものは、時々刻々、新しい言葉を覚えてゆきます。私達は、中学校、高等学校、大学と、長い年月にわたって英語を習いました。しかし、渡米して、日常会話をしようと思ってもなかなかできるものではありません。
 それと比べると子どもの言葉の習得力はすさまじいものがあります。そして、それを絶えず使ってみます。言葉というものは、使ってみなければ、なかなか身につくものではありません。
 それを傍らで聞いていますと、何だか理屈っぽい子どもに見えてくるのです。
 こうした子どもは、言葉や会話を自ら成長させようとしているわけですから、基本的には放っておいてもよい子といえます。ある程度、言葉の経験をつんだり社会性が育ってきますと、場面ごとに、言ってよいことと、言ってはならないこととがわかってくるにしたがって、理屈っぽさはなくなってゆくからです。

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 困るのは、自分だけが得するために、自分の利益のために、理屈をこねまわしているといったような場合です。
 いかにも論理的に語っているように見えるけれど、実は、先に好きとか嫌い、したい、したくないということを感情的に決めてしまって、そうした自分の気持を正当化するために言葉を連ねているような場合です。
 例えば、テレビをいつまでも見ていて、宿題をやろうとしない子どもに注意すると「先生は、やりたくない人は、やらなくてよいと言ったよ」と言う。「先生がそんなことを言うはずがない」というと、突然論理は飛躍して「だって、子どもにはテレビを見すぎてはいけないといいながら、大人は、私たちが寝てからも見ているじやないの、不公平だよ」という。「大人と子どもは違います」というと「だって不公平というのは、一番いけないことだって先生はいったよ」この種の理屈っぼさは、次のような型になりやすいようです。
 第一に、お母さんの方が反論すると、必ず興奮状態がおこります、息づかいが荒くなるし、顔色が変わってきます。
 なぜなら、もともとは感情的に決定してしまって、それに理屈をつけているにすぎないから、元の感情が出てきてしまうのです。
 第二に、もともと感情というものは、変化しやすいものです。だからこちらで応答をすると、すぐに言っていることが飛躍して、まったく別の論理を使いはじめます。Aの言い方では駄目だとわかると、B、Bで駄目だとC、というふうにとんでゆきます。したがって、俗に言う、売りことばに買い言葉という様相を表すようになります。
 第三に、そこで使われている言葉は、単語のら列にすぎなかったり、聞いたぶうな言葉であったりします。例えば「不公平」とか、「ずるい」とか「人権ジユウリン」といったのがそれです。本人も、本当の意味はわかっていないのですが、相手をやっつけるための「かけ声」のような使い方をするのです。
 また、まったく違った場面で違った意味の言葉を利用していたり、長い時間かけて、いろいろな角度から話されたのにもかかわらず、そのほんの一部分だけを記憶していて、それを使うといった特長もあります。
 こうした自分のエゴのための理屈を言う子どもは少し曲がってきますと、嘘言癖になったりしますので、注意をする必要があります。
 また、全部ではありませんが、過激派学生の言っていることもこれに似ているといえましょう。
 前にも述べましたように、感情的な決定がもとになっていますから、へたな反論をしますと、やたらに感情的になってしまうので、興奮の結果、こちらの言うことが全く通じなくなってしまいますからへたな反論はしないことです。
 まず、「不公平だ」とか「ずるい」とか「人権ジュウリンだ」という言葉を使っているとすると、その言葉をどのような意味に解しているのか、そういう点を聞いてみることです。
 子どもというものは、とんでもない意味に解していることがあるものです。その間違いを教えてやることです。
 また「先生がカクカク言った」というような言い方をしているとすれば、先生は、どのような時に、どんな筋で、誰に言ったのか、そのあたりを聞いてみるのも良いでしょう。本人が、それの説明をしはじめたら、その説明している間に自分の使い方の間違いに気づくものです。
 この時、大切なことは、大人の方が興奮しないことです。こちらが興奮してしまうとそれが感染して、子どもも興奮してしまいますから。「不公平は、不公平だ」ということになったり、「先生はいつも言っている」という言い方になって、ますますエキサイトするばかりになって逆効果になってしまいます。

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