保育所の不足でなかなか保育所に入れないとき

物価の急上昇で生計費がふくれあがるにつれて、共稼ぎの家庭も急増しています。それと同時に、保育所不足が全国的に深刻な社全問題となってきました。
 児童に心身ともに健やかに育てることは、単にその親の責任であるばかりでなく、国および地方公共団体の責任でもあります。そのことは、憲法や児童福祉法の規定でも明確にされています。
 憲法第一三条は「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と定め、また、同第二五条は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定しています。
 これは、子どもといえども国民の一人であることに変わりはなく、ひとしく「個人の尊厳」「幸福追求の権利」「生存権」等を保障されていますから、国は児童福祉の向上、増進に最大限の努力を払うべきなのです。

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こうして制定されたのが児童福祉法ですが、同法は、児童福祉保障の原則を次のように明確に規足しています。
 第一条〔児童福祉の理念〕すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。
 第二条〔児童育成の責任〕国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。
 第三条〔児童福祉保障の原理〕前二条に規定するところは、児童の福祉を保障するための原理であり、この原理は、すべて児童に関する法令の施行にあたって常に尊重されなければならない。
 この原則にもとづき同法は、保護者が働いていたり、疾病にかかっていて保育に欠ける乳児、幼児、あるいは保育の欠けている少年(小学校一年生から満一八歳まで)で特に保育の必要がある者について、市町村長はこれらの児童を保育所に入所させて保育しなければならない、と定めています。
 また、国、都道府県に対し、児童福祉施設(助産施設、乳児院、母子寮、保育所、精神薄弱児施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設など)の設置を義務づけ、その設備、運営の最低基準を定めることとし、最低基準の維持および児童の保育に要する費用は、国、都道府県、市町村が分担することにしています。また、それによると、保育所の設備に要する費用の二分の一は国が負担することになっているのです。
 保育所の増設、拡充の要求を実現したいときは、まず同じ考えの人をできるだけ多く集めて請願(陳情〕言の署名運動を起こし、信頼できる議員を紹介者にして議会に提出すると同時に、市(区)町村の長ないし担当責任者と直接に交渉するようにすることが必要です。その際大切なことは、保育を必要としている児童がどの位いるのか、当該市(区)町村の計画や予算がどうなっているのか、適当な建設候補地があるのか等を、よく調査しておくことです。
 このようにして、要求を実現した例は、全国各地で無数にあります。東京江戸川区の場合も、母親たちが中心になって保育問題協議会を結成し、昭和四七年九月以来、くりかえし区長との直接交渉を要求しつづけた結果、ついに同四八年二月一五日、区長との集団交渉をかちとり、要求実現に一歩をすすめました。
 また、地方自治法第七四条にもとづき、保育所条例のようなものの制定を求める直接請求運動を起こすことも効果的でしょう。
 先にも述べたとおり、保護者が働いていたり疾病にかかっていて保育に欠ける乳児、幼児、あるいは、保育の欠けている少年(小学校一年生から満一八歳まで)で特に保育の必要がある者について、これらの児童を保育所などの福祉施設に入所させて保育することは、市町村長の法的義務とされています。従って、そのような児童の保育所入所を拒むことが違法であることは明らかですから、保護者は保育措置拒否処分を受けても泣きねいりすることなく、行政上の不服審査手続をとって争うべきでしょう。また、行政不服審査手続によらなくても、当該市(区)町村の長や議会に、個別的な問題で請願陳情する方法もあります。一人だけて悩んでいるのではなく、その地域で活動している民主的な婦人、保育関係の団体に一日も早く相談して対策を講ずるようにしましょう。

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