子ども達に公共の遊び場を与えたいときは

都市公園法施行令は、住民一人当たりの公園敷地面積の標章を六平方メートル、市街地では三平方メートルと定めていますが、実際には、全国平均でその半分にも達しておらず、市街地ではもっと低い数字になっています。ちょっと古くなりますが、ニューヨークやロンドンは一一・四平方メートル、モスクワは一〇・九平方メートルというデーターが出ていますから、日本の公園がいかに不足し、貧弱であるかがわかるでしょう。従って、近隣に居住する者の利用を主目的とする公園について、誘致距離五〇〇メートル(歩いて五〇〇メートル以内で公園にいける)、敷地二ヘクタール(二万平方メートル)と定められた標章も、まったく画にかいた餅にすぎなくなっています。
 また、都市公園のなかでも、児童が安全に遊べる児童公園の整備が大切なのですが、その現状も深刻です。都市公園法施行令は、児童公園の設置標準を誘致距離二五〇メートル、敷地面積〇・二五ヘクタールときめていますが、これはまったく守られていません。都市公園法の計画基準に従えば市街地人ロー万人当たり約四ヵ所の児童公園が必要ですが、現状はそのわずか三〇パーセント前後にとどまっています。

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児童公園を補うものとして、児童福祉法は児童遊園の設置を決めています。児童造園は、主として幼児および小学校低学年児童を対象とし、広場、ぶらんこ、砂場、すべり台、便所などの設備があり、児童厚生員(遊びの指導にあたる人)がおかれることとなっています。
 しかし、その財政は地方自治体の負担とされ、国からの予算補助が行なわれていなかったため、昭和四〇年三月末当時には、全国(沖縄を除く)でわずか一四〇〇ヵ所にすぎませんでした。その後、児童福祉に力をいれる地方自治体がふえてきましたので、児童造園の数も増加の傾向をみせてはいますが「鏡石に水」の域を脱していません。そのうえ、児童遊園が設置されていても、専任の児童厚生員がおかれず、兼任や巡回による指導にとどまっているところも少なくない状況にあります。
 児童に安全な遊び場を確保する方法として、学校の校庭、運動場や公立保育園の遊び場の開放がとりあげられています。学校教育法は「学校教育上支障のない限り、学校には、社会教育に関する施設を附置し、または学校の施設を社会教育その他公共のために利用させることができる」と定めています。公立の学校、保育園は公の施設ですから、地方自治体は、正当な理由がない限り、この施設利用を拒んだり、差別的な取扱いをしてはならない建前になっているのです。
 文部省は、昭和四一年六月三日に「児童の安全な遊び場を確保するため、地域の実情に応じて学校の校庭または運動場を利用させるなどの措置をとることが望ましい」との事務次官通達を出していますが、これを実施にうつすためには、それなりに施設を整備し、管理、指導にあたる人を配置する必要があり、国および地方自治体が、そのための予算を充分に講ずるべきです。このような予算措置をなげやりにしておきながら、口先だけで「学校開放」を唱えてみても、結局、教職員の労働強化とPTAの財政負担増による以外に「学校開放」はできない、ということになってしまいます。
 「せめてブランコ、すべり合、砂場ぐらいはある児童遊園があれば、野球をやれる広場がほしい、のびのびと自転車のりを楽しめる場所を」など、どんな要求でも、あきらめず にどしどし地方自治体にもちこむべきです。市区町村の窓口に直接申し入れるのも一つの方法ですが、それでもラチがあかないときは、陳情、請願という方法をと言う方法が効果的です。地方自治体を通じて関係の公安委員会や警察当局に働きかければ、道路への車両乗りいれを規制し、一定の時間、一定の区域を子どもの遊び揚として確保することも可能です。
 公園や児童遊園が法律の定めた基準に合致しているかどうか。国や地方自治体の所有する公共用地の使用状況がどうなっているか。遊休状態にあるものや、不適当な使用壮況にあるものはないか。そのほか、子どもの遊び場に転換可能な土地や施設はないか。このようなことをよく調査したうえで、「どこそこにこのような施設をつくってほしい」「どこそこをこのように使わせてほしい」と、具体的な要求をかかげて行動を起こすのが、もっとも効果的です。

PTAによる半強制的な学校寄付集めを止めさせるには/ 身体障害者の就業、保育差別を打破するには/ 保育所の不足でなかなか保育所に入れないとき/ 子ども達に公共の遊び場を与えたいときは/

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