子どもの遊び

 子どもは、飽きもせずに一日中遊んでいます。そこには、遊びを通して何かを得ようとか、何かを身につけようとかいう本人の意図があるわけではありません。そこにあるのは、ただただ楽しむという純粋な気持だけだと言っても良いでしょう。
 例えば、まだ寝がえりもうてないような赤ちゃんを見てみましょう。一生懸命に手足をばたつかせています。そして、小さなボールを糸でぶらさげて目の前に吊るしてやると、まじまじと見つめ、すぐに手を伸ばします。手がとどくと今度はボールをひっぱりはじめます。ひっぱったときにガラガラと音がしようものなら、何回でもひっぱりつづけるでしょう。満面に微笑をたたえています。この、何の代価も求めずただ休を動かしている活動が、遊びの根本だということができるでしょう。

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 よちよち歩きをはじめ、力タコトの言葉が出はじめると、空のコップで水を飲むまねをしたり、クマのお人形にまわらない舌でお話をしたり、おぶって赤ちゃんをあやすしぐさをしたりする遊びをはじめます。それは、まるでいつも自分がしてもらっていることや、いつもまわりの世界でおこっている出来事を再現して楽しんでいるようにも見えます。
 このようなごっこ遊びに仲間ができて役割がきまり「お父さん」「お母さん」「赤ちゃん」などと呼び合いながら家族の生活が演じられるようになると、子どもたちの遊びもにわかに社会性をおびてきます。それは、子どもが、将来の生活にそなえて準備をする予行演習のごときものだと言えるでしょう。
 こうして仲間ができはじめ、仲間がいることではじめてできるゲーム遊びがさかんになると、仲間社会でのルールにしたがって活動することが要求されるようになります。
 子どもたちも学校に入り、社会生活の中へと組みこまれて行くと、心ならずも制約をうけることが多くなり、緊張を強いられることも増えて来ます。
 この緊張から解放してくれる活動が遊びとして位置づけられて来るでしょう。いわば、活動的な休養といった意味合いを持ちます。
 以上のように、子どもにとって遊びがどんな意味を持っているかを考えてきました。そして、発達途上にある子どもにとって遊びは、それを通して心身の成長や発達がもたらされる全人的な活動であることがおわかり頂けたかと思います。
 子どもの遊びの本質は、純粋に楽しむことだと述べました。それが可能になるためにはいくつかの条件がみたされなければなりません。
 第一に、それがその子どもがしたくてはじめた自主的な遊びであることです。まわりが、特に親が「これで遊びなさい」「こんな遊び方をしなさい」と強制したのでは子どもは楽しめるはずがないでしょう。それよりも、子どもは遊びの天才である。という言葉を信じて、子どもが自分で見つけ出し、つくり出して行く遊びを見守ってあげることがかんじんです。
 第二に、子どもの遊びには特別な社会的に有用な目的は不必要です。例えば、泥のおだんごを上手に百個ずつつくろうという目標を持っても、その泥のおだんごがその子にとって満足の行くものでありさえすれば良いのです。泥のおだんごはお金にはなりません。でもそれで良いのです。そこには、その場で遊んでいる子どもたちの心の中でつくり出された価値が最優先されます。
 第三に、遊びの世界は顔を洗ったり食事をしたりという日常的な生活から離れた、いわば空想の世界の中で進行します。そこには、遊んでいる子どもたちが決めた、そこだけの空間と時間の範囲があり、ルールがあります。それらは明日になれば別のものにとってかわられる可能性を大きく秘めています。だからこそ一時的な約束の範囲の中で十分な空想の世界を楽しむことができるのだと言えるでしょう。
 子どもたちは、一人一人がみな日常生活の中にある制約をのりこえて、本を大きな巨人にみたて、竹の棒を黄金の剣に、本の箱を天馬に、広場は巨人によって壊されたお城にみたてることもできる夢の王子様でありお姫様なのです。
 次に遊びを社会的関係に注目して見てゆきましょう。これはある意味では遊び方の発達を順に追って行くのと同じと考えて良いかも知れません。
 1 なにもしていない
 遊ぶことが仕事であるような子どもたちが、何もしていないということなど本当はあり得ないことかもしれません。
 2 傍観的行動
 他の子どもたちが元気にとびまわり、遊んでいるにもかかわらず自分の遊びが見つけられず、また他の子どもとの遊びに加われなくてそれをながめている状態です。
 3 ひとり遊び
 遊びをみつけたけれどひとりで楽しむ。
 4 平行遊び
 まわりからみていると一緒におだんごをつくっているように見えます。でも本当は砂場という場所が共通なだけで、まだ協力して遊んでいるわけではありません。
 5 協同遊び
 みんなで一緒に、楽しく。

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