子どもの遊び場

 近くに子どもの遊び場がないというのは、子どもにとってたいへん気の毒ですし、やはり成長に大きな支障になるはずです。
 たしかに、本来の子どもはテレビで○○を見ているより、実際に○○ごっこをやりたいはずです。よく子どもがテレビばかりにかじりついていて困るといった話を聞きますが、実は逆で、子どもがテレビの番組を見て楽しんでいるというのは、一種の代償行動(本来はスポーツがやりたいのに、それができない状態におかれると、スポーツを見て代わりの楽しみを求めるといった心理)をやっているのであって、そうしたごっこ遊びができないような状態に追いこまれた結果だといえます。
 ところが、最近では、そうした都会の影響を受けたせいか、山や川や森のある田舎でも、子どもがテレビにかじりついて、戸外で遊ぶものが少なくなってきたといいます。テレビの代償行動が強くなりすぎて、本来戸外で休を使う遊びをしなくなったというような傾向も生まれてきているようです。
 だから、ただ、「家の中だけにいないで外で遊びなさい」といったかけ声だけで処理しないで、テレビを見る時間を制限することも一方では必要なのかもしれません。

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 それからもう一つ言えることは、日本古来の遊びがすたれてしまったという点もあげられるかもしれません。というのは、外国の遊びと比べると、日本の古来の遊びは、小さな空間でも遊べるものが多かったようです。カルタ、あやとり、ベーゴマ、メンコ、釘さし、陣とり。
 どれをとっても、せいぜい二坪もあればできるような遊びです。こういう遊びは、やれ危険であるとか、物のやりとりをするからいけないといった単純な論理で放逐されてしまったようですが、日本の風土の中で自然発生的に生まれた遊びというものは、それなりに理由があるはずです。多少アレンジして子どもに教えてみたらどうでしょうか。
 こういう遊びであれば、二坪か三坪の土地さえあれば十分に 遊べますし、子どもどうしのコミュニケーションをはかるためには、かなり有効であるはずです。自然に放っておけば、子ども自身がそういうコーナーを探し出すものです。
 そのように考えてゆけば、近所のお宅が交代で庭を開放するといった方法も考えられるはずです。
 これをするためには、重大な前提がなければなりません。
 まず、近所の親どうしのつきあいのしかたが問題です。いつまでもよそゆきのつくろったつきあい方をしているのでは、とてもできることではありません。なぜなら、自分の家をのぞかれることになるからです。おかずを分けあったり、お土産のおすそわけをしあうような開放的な関係になっていなければならないでしょう。
 もう一つは、自分の子どもだけ得をしたいといったエゴイズムがあれば、できることではありません。自分の子どもと同じように、他人の子どもも叱れる関係、また自分の子どもが叱られても、平気でつきあえるおおらかさがなくてはならないでしょう。
 もう一つ多少のケガや、ケンカは放っておけるような関係でなくてはならないようです。ケガをしたりケンカをしたりする度に苦情を言ったり、非難をしあうようではこうしたことはできないのは当然です。
 最近では、近所どうし、このような子どもの遊び場を作ろうとする運動が、都会では始まっているようですが、必ずお母さんが交代で面倒を見ようとするようです。これをやってしまいますと、子どもの広場ではなくなってしまいます。しかも、そうしたことをしようとするから大人の方がおっくうになって長続きしなくなったり、大人同士の思惑がからんでくるのです。
 庭を開放するだけで放っておくのがコツです。
 こういうやり方に成功すれば、子どもの広場の一方の効用、つまり、近所の子どもどうしのコミュニケーションをはかるという目的の大部分は満足させられるはずです。
 ところが、子どもの広場のもう一つの効用であるところの、運動をして体を使うという点については、満足させられないようです。
 こういう目的のためには、近くの学校や幼稚園の庭を開放してもらうという方法があります。
 ただし、いわゆるフォーマルな校庭開放を実現させようとするためには、かなりの努力が必要です。というのは、それなりの設備の問題や、校庭開放をした場合の安全対策とか、それを指導する人を依頼することなどの問題が生じますから、行政を動かさなくてはならないからです。しかし、絶対に安全である場所を望むことは無理ですし、指導員という大人の介在する広場は、子どもの成長にとって有効だとは思えません。
 むしろ、インフォーマルに頼むのがよいと思います。その場合、絶対に必要なことは、先にも書いたように、ある種のケガを覚悟すること、そして絶対に苦情をその校庭のせいにしないことが約束できなければできないことです。このごろは、ささいなことをすぐに他人のせいにする風習が強いようですが、これをやめないかぎり、よい場所は見つからないでしょう。
 このように書いてきましたが、実はそんな手段を用いるより、思いきって広場のある郊外に転居してみるのが一番であることは間違いありません。

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