ひとり遊び

 ひとり遊びには、それなりによさがあります。第一に、誰にもさまたげられないで、一つのことに打ちこめるわけですから、ある集中力を養うのに有効だといえます。
 幼い時代の集中力は、私達大人とくらべることができないぐらい、迫力に富んでいるものです。
 私達がつい見のがしてしまうようなことを発見したりするものです。
 例えば、にわとりのマブタは下からしまるものであるとか、ヘッドライトの型を見ただけで、その車種をあてることができるとか、カラスとスズメは歩き方が違うといったことを知るようになるのは、この集中力のおかげです。
 また、たえず他人の思惑や気持を考えながら遊ぶ子どもは、それなりによい性格をもっていると思われますが、それがゆきすぎますと、いわゆる八方美人になってしまって、個性の乏しい子どもになりかねないといえましょう。幼い時代からあまり八方美人になりすぎてしまうのも考えものです。あまりまわりの子どもに気をつかう子どもになってしまいますと、つねに他人のすることを見てから行動をすることになりますので、つねに他人につき従って行動する子どもになることもあります。
 だから、幼い時代には、ある程度ひとり遊びをさせておいてもよいように思われます。

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 男の子の中には、いわゆる物型といって、人より物の方に興味関心が強いという子どもがいます。
 こういう子どもは、どうしてもひとり遊びが多くなります。
 幼い時から、機械のしくみに興味をもち、さわって見たくてたまらないという子どもです。だから、放っておくと、時計を分解してこわしてしまったり、トースターをバラバラにしてしまったりする子どもです。こういう子どもは、どこからか、ビールビンのふたやガラスのカケラ、ネジ、ナット、釘などを拾ってきて貯めていたり、板きれ、石、貝がら、ひもなどを集めたりします。
 生物に興味を示す子どももいます。犬、猫、金魚などに興味を示すのならまだがまんもできますが、中にはビンの中にミミズを飼って楽しんだり、イモムシを飼ったりします。
 こうした子どもは、お母さんの期待と違って、本を読むのでもシンデレラとか三匹の子ぶたよりも、お兄ちやんのもっている図鑑や年鑑のたぐいのものを見ていることが好きです。
 プラモデルを作るのが好き で、その設計図はかなり複雑なものでも読みとることができるようです。
 こうした物に強い興味を示す子どもというのは、どうしてもひとり遊びが多くなるのが当然です。彼の相手は時計であり、プラモデルであり、ミミズであるからです。
 ミミズや、アリに話しかけたり、ナットやネジを擬人化して遊びますから、どうしてもひとり言が多くなります。
 こういう子どもは、育て方が難しいようです。なぜ難しいかといいますと、女の子には少ないからです。
 お母さんというものは、石ころやネジ、ナットなどというものは、たんなるゴミに見えてしまいます。ミミズやイモムシは、ただ不愉快な、きたない生物に見えるものですから、すぐに捨ててしまいます。ところが、子どもにとってはダイヤモンドにも思えるほどの貴重品ですから、泣いて怒って騒ぐことになります。
 お母さんはそういう場面にぶつかると、何とも理解ができなくて、困ってしまうのでしょう。
 また、お母さんにとっては、読書といえばアンデルセンやイソップ、グリム童話集などというものを頭に描いています。ところが、この種の子どもは図鑑や設計図を見ているわけですから、読書を好まない子に見えてくるようです。かなり難しい設計図を理解しているというすばらしさを見すごしてしまうようです。
 こんな時には、男の子を育てた経験のある人に聞いてごらんになることをすすめたいと思います。
 また、ご主人の意見を聞いてみるのもよいと思います。あるいは、ご主人の子どもの時代は、よく似たことをやっていたかもしれませんし、男の友人の中によく似た子がいたことを思い出してもらえれば、かなり安心できるはずです。
 たしかに、こういう子どもはある種の個性をもっているわけですから、それを大切にしてあ げたいものだと思います。
 しかし、そうはいっても、人間というものは一人では生きてゆけないものです。だからある程度の社会性を育てておいてあげる必要はあるでしょう。
 もう、三歳、四歳になったら、近所の子どもと遊ぶ機会を作っておく必要があります。幼稚園へ行く前に、四、五人の子どもと遊べるようにしておくことです。
 こういう場合、よく近所に同じ年ごろの子どもがいないということを言われる方がいますが、それは近所というものの限定を百メートル四方というぐわいにするからです。それを二百メートル四方、三百メートル四方にまで広げればいるはずです。
 やがては幼稚園ヘー人で通わなければならないはずです。
 あなたの家から幼稚園までの距離をはかってください。それを一辺とした範囲は自由に行動できる子どもにしておいてください。そこには子どもはいるはずです。

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