外で友だちと遊ばない

 子どもの社会性などというものは微妙なもので、もちろんその子どもの個性によるところは大きいのですが、引っ越しをしたとたんに、子どもどうしの遊びがまったくできない子どもができることがあります。
 子どもというものは、社会生活の技術、あるいは適応のテクニックなどというものが十分に育っていません。
 だから、ある地域で隣のA子ちゃん、むかいのB男くんと十分遊べていても、別の地域へ引っ越しをして、その地域での隣のC子ちゃん、むかいのD男くんとの遊びに応用ができない場合があります。
 一度は、ちょっとA子ちゃん、B男くんとの遊び方をやってみようとするのですが、それは単にA子ちゃん、B男くんとの遊び方を身につけたにすぎませんからうまくゆかない場合が多いのです。
 その時に、いろいろと別の方法を試みてみる積極性があればよいのですが、その時ちょっとたじろいで一度引っこんでしまうと、それがくせになってしまうようです。
 大人の場合は、一般的に応用のできるたしかな方法を知っています。例えば、名剌とそば券をもってあいさつに行くというのがそれです。
 ところが子どもの世界には、そば券も名剌もありません。つまり一般化された方法というものがないのです。
 だから引っこんでしまうより方法がなくなってしまうことがあるのでしょう。

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 それによく似た現象として、一人だけ遠い学校へ行った場合があります。
 幼稚園時代は肩を並べて同じ幼稚園に通ったとします。そしてその仲間のA、B、C、Dはすべて近所のX小学校に通うことになりました。ところがEだけは少し離れたY小学校に通うようになったとします。
 そうなると、昨日までどんなに仲よく遊んでいてもその日からまったく遊ばなくなってしまうものです。
 子どもの仲間意識というものはそれぐらい強烈なものです。ただ同じ学校へ行っているというだけで、同じ制服を着ているというだけで、強い結びつきができてしまい、それ以外のものは、よそものと見てしまうからです。
 また、A、B、C、Dは、近所でも仲間であると同時に、学校でも友達なのです。つまり、その結びつきは連続しているわけです。ところが遠い学校へ行ったEは、家へ帰った時には顔を合わせるかもしれませんが、学校へ行っている時は切れています。つまり不連続なつきあい方になります。
 例えば、A、B、C、Dたちは、学校からの下校の時に「今日は帰ったら、あのひろっぱでバッタとりをしようぜ」と語りながら帰ったとします。A、B、C、Dはすぐに勇んで箱をもってでかけてゆくでしょう。それを見たEには、彼等がいったい何をしようとしているかわからないのです。ついて行くことができなくなります。
 EはY校へ行けば仲間ができるからよいではないか、と考える人もいるかも知れませんが、Y校に通ってくるF、G、H、Iは家へ帰ってからも仲間になり得るわけです。したがって、EはY校の友達とも不連続な接触をすることになります。したがって、ここでも友だちはできないことになります。
 引っ越しをした場合、もとの学校がなれているからというのでもとの学校に通わせたりすることは、害の方が多いようです。できるだけはやめに近くの学校へ転校させて、早くその学校になれさせる努力をするべきでしょう。
 とくに、もとの地域と離れているところであればあるほど、 言葉のなまりが違ったり、微妙な生活習慣の違い、子どもの世界でのルールの違いなどがありますから、適応するのに時間がかかりますし、両親の積極的な働きかけが必要になってきます。
 両親自身の適応力の低さがそれに加わってくると、子どもはますますみじめな生活を強いられることになります。
 よく、もとの生活のしかたにこだわって、新しい生活を拒否し続ける場合があります。
 例えば、子どもが新しい地域での方言をロにすると、それをあわててもとの言葉にきょう正 しようとするなどというのがそれです。
 むしろ、逆にできるだけ早くその方言をおばえ、生活習慣の違いを身につけるべきでしょう。そういう点で、柔軟性を欠 いた親に育てられた子どもは不幸だと言えます。
 両親自身も、荷物の整理はあとまわしにしてでも、近所の人たちとの関係を積極的につけてゆく努力が必要です。
 有名校へ入れたいというわけで、遠くの学校へ通学しているとすれば、はやめに近所の学校へ転校させるべきでしょう。せっかく入ったのだからといって、そのままにして、それを補う方法はないようです。
 第一、往復二時間かかるとすると、その分、ほかの子どもは、いっしょに生活しているわけです。その分だけ、あなたの子どもは、社会性の成長が遅れるわけです。
 たった二時間とおっしやるかもしれませんが、一年で四百時間、六年間では二千四百時間損をすることになるのです。

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