体が弱いので家の中で遊ばせたい

 四歳の男の子で、来年から幼稚園へゆくのですが、近所の幼稚園へ通っているお子さんが帰ってこられるのを、まちかねたようにして飛んでゆきます。夕方まで外で遊んでいて帰ってきません。一人っ子でかばいすぎたのか、風邪をひきやすい子なので、何とか家の中で遊ばせたいと思うのですが・・・・
 おそらく、たいへんな勢いで社会性が育ちつつあるのではないでしょうか。今まで家の中へとじこめた生活を強いていた反動がきているのかもしれません。
 いずれにしても、来年から幼稚園に入ることになるそうですが、幼稚園に入る前に少なくとも五、六人の子どもと自由に遊ぶことができるようにしておいてください。
 一人っ子だそうですが、兄弟のある家ですと、家へ帰っても子どもの世界がありますが、一人っ子の場合は、大人との生活しかありませんから、どうしても子どもの世界での体験が少な くなってゆきます。
 ですから、お宅のお子さんは、兄弟のある子どもの数倍は近所の子どもたちの遊びをさせないと、体験の層の厚さがついてきません。
 よく、一人っ子は、一人っ子であること自体が問題を起こさせると言われていますが、実は、一人っ子である本人の問題というより、一人っ子をもった両親が、かけがえのない子という考えかたをしてしまって、理想的に育てようと思ってしまうようです。そして、人為的に育てようとするために、問題を作ってしまっているのです。
 ちょっと病気をすると、万一のことがあったら大へんとばかり、少しばかりの熱や、ちょっとせきをしただけで、それ医者だ薬だと大騒ぎをするために、本人は自信のないいくじのない子になってゆきます。
 また、知的に育てようとばかり、早くからまだ心の準備が十分にできていないのに、文字を教えたり、数を教えたりします。そのために遊びを制限し、運動不足になり、社会性が育ちません。
 運動不足になるから、偏食や小食に陥り、偏食や小食があるから、病身になる。そして、運動をさせないようにする、だからよけいに小食になる、といった悪循環を繰りかえして、小さなサイクルで生活をさせてしまいます。

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 また、かけがえのない子だから、モデル的な教育を受けさせようと、幼稚園、小学校時代から有名校を選び、通勤電車に乗せて、遠くまで通学させてしまいます。
 そうすると、近所の子どもたちとの関係はその時から切れてしまいますから、ここでも社会性が育ちません。そのうえ通学に二時間も三時間もかけるわけで、その時間はまったく無駄な時間で、変な意味での消耗ばかりさせてしまうことになります。ふつうの子どもは、その時間十分に遊び、社会性を身につけていますから、その意味ではおくれをとるばかりです。
 社会性の成長が乏しいと、やる気も生じてきませんし、遊びも少ないから、何だか青白く、ひかげのもやしのような子どもになり、大人っぽいこましゃくれたことは言うけれど、子どもらしい活発で活動的な姿は見られない子どもになってしまいます。目の色をかえてやる気を起こすこともありませんから、何となくたよりにならない、何かやりたいのかやりたくないのかわからないといった子どもになってしまったようです。
 だから、一人っ子であることが問題ではなく、一人っ子をかけがえのない子と考えすぎて、目の前のことにだけかかわるような考え方をする両親に問題があるといえましょう。
 風邪をひきやすいとのことですが、そのために防御の態度をとるのではなく、風邪をひかないような強い子にするためにはどうしたらよいかと考えるべきでしょう。
 風邪をひきやすいとか熱を出しやすいというのは、もともとは医学の問題ですから、医者と相談なさる必要がありますが、次のことは考えておくことにしたいものです。
 医者は必ず本人のかかりつけの医者がよいとは思いますが、ふつうの医者は、病人を治すことの専門家ですから、風邪をひきやすいという体質の改善ということまで関心のない方がおられます。だからかかりつけの医者がそちらの方の指導もしてくれるのならよいのですが、そうでない場合なら、予防医学の専門家に相談をなさることです。
 また、医者にここまで注意しなさいと言われたら、それをそのまま守ることです。わが予が弱いと考えている親というものは、とかくそれを二倍にも三倍にもして用心してしまうようです。
 例えば、水泳のような激しい運動は一日一時間程度にしなさいと言われると、絶対に水泳禁止というように過剰に判断してしまうのです。
 その過剰部分が、子どもの精神的な成長まで停滞させてしまう結果になるようです。
 つねに、あとずさりせずに、積極的に、風邪をひきやすい体質を治してあげたいものです。乾布摩擦をするというのもその一つです。また、うんと運動をさせて、食欲を旺盛にし、小食、偏食を治すことも必要かもしれません。
 また、できるだけ長時間太陽の下で活動をさせて、皮膚を鍛えるのも大切なことでしょう。
 運動をさせるにも、太陽光線にあてるためにも、近所の子どもと遊ばせるのは、その目的にかなったことと言えます。
 風邪をひきやすいから家の中で遊ばせようという考え方は、わざわざもっと風邪をひきやすい子どもにしていることになるかもしれません。

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