乱暴な遊び

 四歳の女の子ですが、男の子といっしよになってチャンバラごっこをして遊びます。先日も棒をふりまわしたり、だけから飛びおりたりしていました。女の子なのにこんな乱暴な遊びをしていたら、男の子みたいな性格になりはしないかと心配ですが・・・・・
 女のお子さんで、チャンバラごっこが好きというのは、比較的珍しいとはいえますが、それほど問題にすべきことではないように思います。
 もともと、こうした年令の子どもというものは、男の子も女の子もないのが普通です。
 女の子でも自分のことを僕、俺などと呼んでいる子どももいますが、放っておいてもよいように思います。
 だいたい、日本では、小さい時から女の子らしくということをやかましく言いすぎるように思います。
 もちろん、昔からの日本の伝統には男と女を区別する傾向があり、同じ子どもの成長を祝うのにも、ひな祭と端午の節句をわけ、遊びも男の子はメンコ、ベーゴマ、女の子はあやとり、着せかえ人形というふうに分けていたようです。
 しかし、実際に子どもを育ててみますと、男の子の中にもあやとりの好きな子がいたり、女の子の特技とされた編み物、料理の好きな子もいます。ですから、女の子にチャンバラが好きな子がいても、何の不思議もありません。
 編み物や料理の好きな子が、将采女の子っぽい子どもになるかというと、そうではないようです。ある時から急に野球やサッカーが好きになったり、登山やボートが好きになってゆくものです。

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 女っぽく育てようとしすぎると、むやみに恥ずかしさを強調することになったり、本性は別のところにあるのに、とりつくろうことを覚えてしまったりします。
 このようにして、心理的に二重の構造ができあがり、そこで精神的な浪費をしてしまうことになります。
 よく言われることですが、だいたい小学生から中学生になるころまでは、女の子の方が成績が良いものです。それが、中学 生の後半から高校生になるころになると逆転すると言われていますが、どうもその現象は、この二重性と関係があるように思われます。
 よく女性の中で、社会的に良い仕事をしている人たちの中には、幼い時にまるで男の子のようにして過ごした方が少なくないようです。
 おそらくお宅のお子さんは、そういう意味で希望のもてるお子さんであるのかもしれません。今はそのまま放置しておいてよいのではないかと思います。
 かといって男性の中に交じって、対等にはりあってゆくような、いわゆる女闘士のような人に育てることをすすめているわけではありません。
 いろいろ問題はあるにしても、日本の風土の中から育ってきた風俗習慣というものも無視できません。
 どういう原因かわかりませんが、前にも書きましたように、日本は外国とくらべると生活態度にしても、仕事のしかたでも、男女の区別は明瞭なようです。もちろん、男女の間には体力、体格、性格の違いがあるものですが、とくに言葉に象徴されるように、日本の区別は、はっきりしているものです。
 だから、ある程度女の子らしいものが身につかなくては適応を欠いてくるおそれがないことはありません。
 ただ、四歳とか五歳といった幼い時代から、それを意識させる必要はないと申し上げたいのです。
 放っておきましても、小学校高学年から中学生になりますと、女っぽさというものは自然に身についてくるもののようです。
 昨日までおふろから上がってきても平気で裸でいたものが、急に恥ずかしげに前をかくしたり、鏡の前に何時間も座っていてニキビを気にしたり、各種のクリームを次々に買ってきたり、シャンプーを選んだりするようになるものです。
 また、人間の心の成長というものは、直線的なものではないということも知っておく必要があるように思います。
 すなわち、幼い時におとなしい子だから大きくなってもおとなしい人格が育つかというと、そうではないようです。ある時期はおとなしくて内気な性格を保っていても、ある時からひどく積極的で行動的な人になったりします。
 お母さんの小学校時代の友だちに何十年かたって会ってみると、見ちがえるようになっている人も少なくないはずです。
 また、人の心の中には、フリコのように極端から極端に動いてゆく部分があります。幼いころには乱暴だった人が、その乱暴さがひどければひどいほど、成人になると手のひらを返したようにおとなしくしとやかな人になっていく場合も少なくありません。
 結論的に言いますと、四、五歳の年令のころは、少しぐらい乱暴であっても、放置しておかれてよいでしょう。ただ、他人にひどく迷惑をかけたり、傷つけたりすることがないようにしておられるだけでよいと思います。
 小学校の中学年ごろになったら、そろそろ注意したり、たしなめたりすることがあってもよいように思います。実際に、はっきりと女の子らしさが出るのはもう少しあとですが、三、四年生ごろから、そのことについての心の準備が始まるからです。

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