忘れ物が多い子

 小学校一年生の子ですが、よく忘れ物をしたり落とし物をしたりします。学校へ持って行く物や、先生の伝言を私に言うのを忘れるのには困ってしまいます。ノートや消しゴムをなくしたり、おこづかいを落としたりすることもしばしばです。こんな場合には、かわりの物を与えない方がよいのでしようか。
 一年生ぐらいだと、かなりの子どもにその傾向かあると考えてもよいでしょう。
 まず困るのは、本人は忘れ物や落とし物をしても、一向に困っていないという点です。この点を、まず改めなくてはならないかもしれません。それには、忘れ物をしたり、落とし物をしたりした時に困ったという体験をさせることです。
 かりに消しゴムを落としたとしましょう。お母さんが、つねに筆箱を調べては入れておくことにしますと、次から次へと湯水のように消しゴムが出現してきますから、本人は無くしたと いう実感加わいてこないのです。
 これでは、無くさないようにしようとする心などというものは、育つものではありません。しばらくは無くして苦労するという体験、例えば、いつも隣の子どもに借りては苦情を言われるとか、指の先をぬらしてゴシゴシやってノートを汚してしまったという体験をさせるべきでしょう。
 へたをしますとその行動になれてしまって、ダラダラとそのまま過ごしてしまう子どもにもなりかねませんから、適当な時に買い与える必要もあるのですが、そのタイミングは、一人一人の子どもによって違いがあります。それは、お母さんしかわかりません。

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 忘れ物にしても、同じことが言えます。忘れ物をするたびに、お母さんが学校に届けたり、毎日点検をして未然に防ぐようなことをしていれば、つねにあなたまかせの生活をしてしまうことになりますから、いつまでたっても忘れ物をすることがなくなりません。
 忘れ物をして困ったという体験をさせる必要がありましょう。先生に対しては、たいへんもうし訳けないことですが、あらかじめ、先生に「この際、忘れ物をしないように躾たいので、しばらくは放置してみたいと思います。忘れ物をした時注意をしてください」といった意味のことを連絡しておいて、一方で子どもにも宣言しておくことです。「今まではあなたが忘れ物をして困らないように気をつけてあげたのだけれど、これからはあなたが自分で忘れ物をしないように準備をするのよ」
 子どもも大人と同じで、朝は忙しくて、落ち着いてぬかりなく準備をする心の余裕がありません。前の日に準備するくせをつけておくことも必要なことと言えましょう。
 忘れ物や落とし物の多い子というものは、長男、長女、一人っ子に多いと言われます。また、過保護に育てられた子どもにも多いものです。
 というのは、もともと精神的にも物質的にも与えられすぎているから、日常生活の中で満たされすぎている子どもだからです。こうした育てられ方をした子どもは、つねに、心ここにあらずというか、フワフワと浮いた生活態度をとっています。
 こうした子どもは、落とし物、忘れ物をしても懲りないばかりでなく、悪い成績をとってきても平気ですし、第一やる気がおこってきません。
 ただ、忘れ物、落とし物に対する対象療法のようなことだけをやっても、ほとんど効果がないかもしれません。
 根本的な、依頼心の強い傾向を活しておく必要があると言えます。
 要するに、日常生活全体の中 で精神的にも物質的にも、少し欠乏した状態を作っておくことです。
 例えば、食事中「お水が欲しい」と言った時、サッとお母さんの手から水が渡されるのでは なく、自分で水道のところへ行って水を飲むようにさせるべきでしょう。
 ケガをしてきた時に、傷薬だ、包帯だとお母さんが騒ぐのではなく、自分で傷の処置をさせるべきでしょう。
 おもちやでも文房具でも、少し不足する程度にしておくべきです。最近では家庭の経済状態がよくなったせいか、子どもがちょっと「欲しい」というとすぐに買い与える傾向がありますが、子どもが言葉だけで「欲しい」といっている状態は、ほんとうに欲しがっているのではないと考えてください。
 この時点で買い与えるから、二、三日使ってあとは放ったらかしという状態になってしまうのです。
 子どもが自転車を欲しがっているとしましょう。ほんとうに 欲しがっている時は、言葉で言うだけではなくて、行動で示すはずです。
 近所の子どもが乗り残している自転車にさわりたがるし、出前のおじさんの自転車に乗せてもらいたがるし、自転車屋の前を通ると、そこをじっと見ていて離れないといったことがおこるはずです。
 これがほんとうの欲しがっている状態といえます。この時点でも、少し我慢をさせてから買い与えることにしましょう。
 それから、お母さんは「みんな持っているよ」という言葉に弱いようです。クラスの子どもが全員持っていて、わが子だけがうらやましそうにそれを眺めている図を想像して、哀れになって買ってしまうようです。
 よく調べてみてください。「みんな持っているよ」と言っている場合は、たいていクラスの子どもの二、三割が持っているにすぎません。
 子どもは二、三割の子どもが持っていると「みんな」に見えるようです。

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