子どものケンカ

 ケンカというのは、一見問題の行動のように見えます。たしかに大きな声でやりますし、とっ組み合いにでもなれば、ケガをすることも考えられます。だから、とめたくなるのは自然だと言えますが、考えてみますと、ケンカにもそれなりの効用があるのです。
 まず、社会生活の中にはルールというものがあるのだということを知る最初のチャンスだといえます。
 といいますのは、ケンカを繰り返しているうちに、ケンカの中にも、暗黙のうちに、ルールがあるのだということがわかってきます。
 例えば、むこうずねや急所を攻撃してはいけない。棒きれその他の物を持ってはいけない。物を投げつけるようなやり方はいけない。打ってもよいが、相手を傷つけてはいけない。仲間に加勢をたのんではいけない。先生や親に言いつけてはいけない。などというのがそれです。
 誰が言い出したのでもない し、決めたものでもありません。自然にでき上がったルールですが、どんな子どものケンカでも、一応はこの線を越えないものです。
 よくいじめられる子などという子がいます。つねにまわりの子どもたちから、よってたかっていじめられるというような場合、まわりの子どもに対して、大人は残酷なことをすると思いがちですが、実はやられているその子は、つねにこうしたルールを犯してしまうくせのある子である場合が多いのです。
 ふつうのケンカは、できるだけ大人は出てゆかない方がよいようです。大人が出てゆきますと、そのことで、「加勢をたのんではいけない」というルールや「告げロしてはいけない」というルールを犯してしまうことになります。
 そうなると、こんどは卑怯者というレッテルがはられて、大人の見ていないところで大勢の子どもの制裁を受けることになりますから、かえって逆の効果が生じてしまうようです。

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 こうしてケンカを繰り返していますと、ケンカをすることは、結局損になることだということがわかってきます。
 例えば、休みの時間、一つのブランコの取り合いをしてケンカになったとします。このケンカを続けているうちに、休みの時間が終わってしまう。そうすると、二人の目的であったブランコに乗りたいという欲望は満たされないで終わってしまうことになります。
 こうした経験を繰り返している間に、それではジャンケンで順番をきめようとか、一人の子どもの乗っている時間をきめようという次のルールが生まれてきます。
 これが、社会性の芽ばえてくるきっかけになってゆくようです。
 そんなことから、社会には自分の意のとおりにはならない部分があるのだということがわかり、そのことから我慢をするという体験ができるし、ルールに従うことが結局は得であるという経験もつむことができます。
 また、ジャンケンで勝敗をきめるということは、勝とうとする意欲、負けまいとする意欲などは、やがて百点をとろう、あの子に点の上で負けまい、とする意欲に結びついてくるものです。
 これは一種の学習意欲ともいえます。
 だから、ケンカというものは、原則的にはとめないで、子ども同士の解決にまかせておく方がよい場合が多いといえます。
 しかし、なかにはとめざるをえないケンカもあり得ると思います。
 とめる場合ですが、ケンカが起こっている最中は、子どもは興奮した状態におかれていますから、なかなかこちらの言うことを聞く余裕はありません。したがって、大きな声を出したり、体でわけて入らなければならないことになりますが、へたにこれをやりますと、こちらの興奮が加わって、子どもの興奮がますます強くなって、火に油をそそぐような結果に終わることも少なくありません。
 そのような場合には、タイミングをはかって違う刺激を与えてみるなどという方法が有効のようです。
 例えば、窓の外を指さしながら「あっ、何かが光ったっ」とか「あっ、ハチが飛んできたぞ」などというのがそれです。
 一瞬でも、子どもがそちらの方を見たとしたら、その瞬間に興奮はかなりおさまるものです。すかさずその間をとらえて語りかけるのがコツです。
 また、よく裁判をしたりしますが、気をつけないと間違ってしまう場合があります。
 というのは、大人は「先に手を出した方が悪い」と暴力を否定して決めつけてしまいますが、手を出した方は、その前に聞くに耐えないぐらいの暴言をあびせられている場合があるからです。
 裁判にかけても、結局は両方ともに言い分はあるもので、結 論はでにくいものです。むしろ、あっさり 「やめようよ」でよいのではないかと思います。

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