遠出をしたがって困る子

 小学校五年生の男の子ですが、遠く方まで遊びに行きたがって困ります。先日も、だまって家を出てしまい、夜になっても帰らず、大騒ぎをしましたが、夜十時ごろ になってようやく帰ってきました。聞いてみますと、電車の駅三つ先まで友だち二、三人と歩いて遊びに行ってしまったとのことです。今からこんなことでは、将来非行化するのではないかと心配です。
 たぶん、小学校五年生ぐらいで三駅も先の方まで遊びにゆくようだと、中学生になると十駅も二十駅も先の方まで遊びに行ってしまうのではないだろうか、そして、それは家出とか、蒸発などと言われる行動に結びついてゆくのではないだろうか、といった疑いをもっておられるのではないかと思います。
 しかし、今回のお子さんの行動は、そうしたものとはまったく縁もゆかりもない行動であることは明らかなことです。まったくご心配はいりません。
 たぶん、子ども同士遊んでいるうちに、一種の冒険心が起こってきて、日ごろ自分たちの遊んでいるところよりもっと面白いところがあるに違いないとか、たまたま電車に乗っている時に見た面白そうな遊び場へ行こうとしたのではないかと思います。
 ただ、そこが子どもで、たまたま電車に乗っているうちに見つ けた場所は、時間にして四・五分先の方にすぎなかった。その電車に乗っている時間がわずかだったということが頭の中に入っていて、歩いてでもすぐに行けるように思っていたのではないでしょうか。
 あるいは、歩いているうちに方向を失ってしまって、あちらこちらでふみ迷ってしまったとも考えられます。

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 このような問題は残されているとはいうものの、もっと珍しいものを見たい、もっと楽しいところを発見したいという積極的な気持や、多少の危険をおかしてでも、そうした自分の欲望を満足させたいという冒険心のようなものです。これは大切にしてあげたいものだと思います。
 この世の中には、多少の危険や困ることというのはしばしば起こります。今の世の中では、その危険を完全に避けさせることなどできるものではありません。その危険や困難に会った時に、どのように解決してゆくことができるかということは、大切な経験です。幼いころからそういう体験をさせておくべきだと思います。
 危険を百パーセント避けさせようとするから、消極的でたいえい的な性格が生まれ、いつまでたっても依頼心が残っているような、精神的に弱い子どもになるように思われます。
 こういう時には、お父さんに意見を聞いてみてください。男の子なら、二度や三度はこういう経験をしているはずです。
 基本的には許しておいてよいと言えます。ところが、前にも書きましたように、時間とか距離の観念や、方向に間する見方、考え方がまだわかっていない部分があるようですから、それについては積極的に教えておく必要がありそうです。
 例えば、距離と時間、方向などを訓練するには、買い物にやらせる範囲を広げてゆくといった方法をとってみるとよいと思います。
 幼稚園に入るようになったら、自分の家と幼稚園を結ぶ線を半径とした範囲内。
 小学校低学年時代には、自分の学校の学区内の範囲。
 中学年になったら、自分の学区のなかに二、三学区を含めた範囲。地方て言えば、となり村までの範囲といってもよいかもしれません。
 高学年になったら県の範囲内 でよい。
 もちろん、地域やその条件によって違いはありますが、だいたいこのような標準を考えて、その範囲内での買い物ができるようにしたいものです。
 また、こんなことを考えてもよいと思います。
 低学年時代までは歩いてゆける範囲の買い物、中学年になったら乗り物一種類を使って終点まで行って、そこで買い物をして帰ってこれる。高学年になったら二種・三種の乗り物に乗り継いで買い物をしてこれる。だから、高学年になったら、列車で親せきの家まで遊びに行って泊 って帰る。などということをやらせてもよいように思います。
 地図の見方を教えておくことも必要かもしれません。できるだけ正確な地図を使ってください、観光用の略図は、距離や方向があいまいですから、かえって害があります。本当の地図を使って、自分の行ってきたところを確認させることです。そしてその距離がどれぐらいあるか、そこを電車でゆくと何分かかるか、などということを考えさせてみるのもよいでしょう。
 当然といえば当然なことですが、地図というものは、必ず上が北になっているものです。それを確認させておくのもよいでしょう。
 それから、地図の上にある符号の見方を教えておきますと、迷った時の目印を発見するのにもよいでしょう。
 それから、学校では時計を持たせることを禁止しているところもあるようですが、高学年になったら家庭では持たせてもよいようです。お使いに行かせる時に、何分、あるいは何時間かかるかをはからせておくことです。
 また、人間は普通サッサと歩くと、だいたいて時間で約四キロメートルは行けるものです。本人の場合だったら、どれぐらい歩けるものかなどということを体験させておくのもよいでしょう。
 電車のゴトンゴトンという音をかぞえさせれば、レール一本は五メートルありますから、駅から駅まで何メートルあるかがわかります。それに何分かかったかを測定させておくのもよいでしょう。
 いっしょに買い物にゆく時などに、やらせてみることです。

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