テレビばかり見て困る

 テレビの見すぎは問題児を作るということはよく言われることです。たしかに、つねに受け身の生活をしているわけですから、積極的に何かを作るとか、友だちと 遊ぶという経験が不足してくることは、目に見えているといえます。
 また、何かの労力を使わなくても、ただ見ているだけで楽しめるわけですから、どうしても 怠惰な性格が生まれてくるかもしれません。
 あるいは、目と耳だけを働かしておればよいわけですから、ほかの感覚を使わないことになり、どうしてもアンバランスな生活になってしまうので、身体的にも、どこかに故障ができてくることも予想されます。
 こう書いてきますと、テレビというのは悪いところばかりあって、良いところは皆無であるようにも思われますが、テレビにも大きな効用があります。
 人間というのは、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚などといった五官をもっていますが、その中で外界の文化をもっともよく吸収するのは、視覚なのです。
 昔は、外界の文化というものを最初に受け入れるのは、絵本でした。子どもが絵本を読みはじめるのは、だいたい三歳すぎてからであると言われています。絵本を読みはじめる年令は昔も今もかわりません。
 昔はこれしかなかったのです。
 子どもがテレビを見はじめるのは、生後八か月と言われています。この差はかなり大きいといえます。
 しかも、絵本の中の電車は動いてはくれません。ところがテレビの中のそれは、ゴーゴーと音を立てて動いてみせてくれます。まったく、印象の強さは比べものにならないくらい違います。
 最近の子どもの知的な成長が早くなった原因のもっとも大きなものは、テレビなのです。

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 昔は、小学校へ入る前に文字を知っている子どもはほとんどいなかったものです。しかし現在では、ほとんどの子どもは、小学校に入る前にかなり文字を知っています。ある子などは、一番先に覚えた漢字は魔法の魔だったというのが、このあたりの事情をよく現しているといってよいでしょう。
 だから、テレビを親のカタキであるかのように、徹底的に子どもの目の前から消してしまおうとする必要はないように思います。
 まったくテレビを見せないようにしようというのは、そのご家底の方針ですから、それはそれで結構ですが、あまり極端なことをすると、それなりのマイナスもあることを考えておくべきでしょう。
 学校へ行っても、子どもたちが昨日見たテレビの話をしている時、お宅のお子さんだけはそれに加わることができないといったことがしばしば起こりますし、そんなことから社会性の成長に大きな影響がないとはいえないようです。
 そうはいっても、一日のうちにダラダラと三時間も四時間もテレビを見続けるというのは、最初に書いた悪影響がありますから、許しておかない方がよいと思います。
 テレビを制限するということは、なかなか難しいことのようです。やはり順序よくやってゆかないと、すぐ元へもどってしまったり、約束がほごになったりします。
 まず、本人が見たいものを決めさせることが第一の手順ですが、その前にわが家の方針を出すことです。わが家では、一日に二時間、あるいは一時間半以上テレビを見てはいけないのだということを宣言することです。これをやらないで好きなものを選ばせると、際限がなくなってゆきます。
 子どもに一覧表を作らせます。
 例えば、月曜日は五時半から七時半まで、火曜日は六時から八時まで、水曜日は五時半から六時半までと、七時から七時半までなどという形ができます。
 この時、土曜日、日曜日を例外にさせないことが、第二のコツです。
 子どもというものは、例外を決めるとそこから約束をくずしてゆくものです。
 一覧表ができたら、曜日による凸凹をなくしてゆくのが第三のコツです。
 月曜日から日曜日まで、毎日五時から七時までと決めてしまうのです。子どもとの約束というものは、単純なものにしておかないと守れないものです。
 第四番目には、テレビを食卓のところから見えないところに置くことです。そして、絶対に食事をしながらテレビを見てはいけないということにしてください。
 そして七時に夕食と決めたら、それを絶対に守ることです。
 それも時間を正確にすることです。たまたま手順がうまくいって六時五十分に夕ごはんの仕度ができても、七時までは呼ばないことです。六時五十八分でも待つことです。二分ぐらい良いだろうとおっしやるかもしれませんが、その二分間にコマーシャルが終わって予告編が上映されるものです。子どもは、そこまで見ないと満足しないものです。
 そのためには、茶の間の時計を正確にしておく必要があることは、言うまでもありません。
 七時になってもまだ仕度ができていなくても、子どもを食卓につかせることです。手伝いをさせるとか、できたものから食べさせるのです。
こうして親の方が約束をキチツト守ってやれば、子どもも守るはずです。子どもが約束を破るのは、たいてい先に親が簡単に破ってみせていることが多いようです。
 また、この約束を励行させるには、泣いたり騒いだりすることもあるかもしれませんが、絶対に守らせるのが第五のコツです。一・二週間がんばれば子どもは守るようになるものです。

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