友だちにいじめられる

 満四歳になる男の子ですが、最近、近所の友だちと遊んでいてはいつも泣かされて帰ってきます。その都度、家の中で遊ばせようとするのですが、すぐにまた外へとび出して行ってしまいます。いっもうちの子だけがいじめられるようなので、私どもとしては、気がかりなのですが、どうしたらよいものでしようか。
 自分の大事な子どもが友だちにいじめられて泣かされて帰ってくるということは、お母さんにとって、さぞ口惜しく、はがゆく情けないことでしょう。気の強いお母さんなら、やられたらやり返しせと放り出してしまうかもしれませんし、家で遊びなさいとかばうこともあるでしょう。子どもが泣いて帰ってきたり、親がうちの子がいじめられたと思ったりすることはよくあることですが、その内容はいろいろ考えられます。

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 子どもが三、四歳になると、お母さんと過ごすだけでは満足が出来なくて、お友だちの仲間に入ろうとします。でも、その時の子どもは、友だちを求めるようにはなったけれど、まだ友だちと上手に遊べるようにはなっていないのです。友だちと遊ぶということは結構難しいことです。順番や貸し借りのルールもわかって身についていなければならないし、遊び方や遊び仲間の約束ごとのようなものも心得ていなければなりません。上手に自分の立場を主張したり、妥協することも知らねばなりません。はじめて友だちの仲間入りをした子どもは、興味はあるけれど、遊ぶうえで必要な能力はまだ育っていないという状態であるのが普通です。特に一人っ子や一番上の子どもは、家庭内で初歩的な訓練をうけていませんから、まごまごしたり傍若無人な振る舞いをしてしまいます。こんな時「ダメ」「ヤメロヨ」などと非難の声があがると、びっくりして泣き出したり、お家へ逃げ帰ったりします。家に帰り、お母さんの顔をみて気を取り直すと、また家庭にはない子ども仲間の魅力に引かれて出かけていきます。そしてまた、びっくりしてとんで帰ってくるということを繰り返します。かばってくれる年上の子どもを持たず、単身とび込んでいく幼い子どもにとって、友だちと遊ぶということは、はじめは訳のわからない胸がドキドキするような出来事の連続だろうと思います。でも、こうやって友だち仲間とお母さんの間を往復しているうちに、だんだん遊びのルールを覚えてきます。仲間にも受け入れられるようになり、子ども仲間の言葉として安定してくるのです。
 つまり、友だち遊びをはじめたばかりの子どもにとって、一人で仲間に入っていくことは大変なことで、何かというと「お母さんという安全な港」に避難しにくるのです。そこでまた気力を回復して、困難だけれど魅力ある世界に出かけていくのです。ですから、お母さんとしては、子どもが泣いて帰ったからといって、びっくりしたり腹を立てたりする必要はないので、安心させ励まして、また行こうという気持ちを盛り立ててあげればよいのです。多くの場合、やさしくゆったりと話を間いてあげるだけで子どもは元気をとり戻します。やりかえして来いと言ってもとても出来ないし「それなら家で遊びなさい」ということは、大事な学習の機会を奪うことになります。誰でもこうやって育っていくのだと思ってほしいのです。こういう子どもが少し大きくなると、次の小さい子どもに威張るようになったりします。あこがれの役割を演じてみる訳です。極端にひどい状態でなければ、いじめたり、いじめられたりと見えるような事柄も、大事な勉強なのだと思えるのです。辛い思いをしてはじめて、仲間の辛さもわかるのです。
 ちょっとかまわれると大袈裟に騒ぎ立てたり、迫力のない仕返しをしたりする子どもは、いじめがいがあるようで、犬や猫をからかうような感じでちょっかいを出されることがあります。かまう方は大して悪意がある訳ではないのですが、反応が大きいのでついやってしまうということのようです。こういう子どもは特別に悪意を持たれたり、仲間はずれにされる事はな いようですが、認められ尊重されることがないのです。かまわれ役で、プライドも自己主張も育たずに、卑屈な態度で子ども仲間に安住してしまうようなことになりかねません。子ども仲間での人間関係の持ち方は、家庭生活の中で培われた態度の延長線上にあると考えれば、家庭の中でしっかりしたノーマルな対応関係を育てていくことが大事になります。ちやほやしたり、大人の慰みに相手をしたり、些細なことを大袈裟に騒ぎたてたりすることは子どもを損ないます。一人遊びを尊重し、責任を持たせ、子どもの訴えにはきちんと耳を貸し、冷静な良識をもった対応をしてください。次第に子どもは現実をよく見つめ、状況の判断、他人に対する理解などを深めていくことでしょう。
 皆が平均的に出来ることが出来ないと仲間に入りにくくなり、結果的に仲間はずれになって泣いて帰ってきたりします。小学校低学年になるくらいの時は、大人がそのへんの事情も見抜いて、能力を育てるように上手に相手をしてあげることも必要になります。
 ひどく自分中心だったり、逆に自分がはっきりせずぐずぐすしているような子どもは、仲間を苛立たせます。また、実力以外の所で威張ってみせる子どもも反感を買います。子どもの世界は厳しく、時に弱肉強食であり、時に冷酷です。それはそれで必要な経験であることが多く、同時に大人の社会にないユーモアや寛容性を持ち合せています。こまかいことを気に病む必要はありませんが、友だちから好意をもたれていないという事実があれば、その理由を理解して、発達のかたよりを正していく親の努力が求められましょう。

友だちの選び方/ 友だちにいじめられる/ 友だちをいじめる/ 友だちとすぐケンカになる/ 仲間外れになる/ 友だちに嫌われる/ 友だちをえり好みする/ 友だちのまねばかりする/ 友だちの言いなりになる/ 友だちの悪口を言う/ おせっかいやき/ 親の気に入らない友だちとつき合う/ 気に入らないとすぐ噛み付く/ ボスになる/ 異性の友だちとだけ遊ぶ/ 友だちができない/

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