友だちとすぐケンカになる

 小学校に入学する男の子ですが、友だちと遊んでいても、すぐにささいなことで機嫌を悪くし、けんかとなり、長い時間一緒に遊ぶことができません。このままでは、小学校に入学しても、友だちができず、社会性のない子になるのではないかと心配です。こんな時どのように指導したらよいでしようか。
 一般にケンカをする場合、自分の要求が通らないとか、自分に対しての攻撃があったというような時で、いずれも自分という存在に関係しています。ですからよくケンカをする子は、自分の他人との調和をとる精神的な働きがうまくいかないからなのです。とは言っても幼い子どもが、他人と調和をとるなどということがうまく出来るはずのものでもないのです。多くの子どもたちは、他の子どもに対しては、親や兄弟に対する場合と違って、あまり自分の要求を出さなかったり、また少しばかりの不愉快なことは、なるべく我慢したりしてしまうのです。すぐにささいなことで機嫌を悪くし、ケンカとなるというのは、まだ友だちに対して、自分の要求を抑えるということがわかっていないのか、あるいはわかっていて、許せないという自己主張やプライドのような自己の働きがはっきりしすぎているのかも知れません。長時間友だちと遊べないというお話ですから、まだ友だち遊びの喜びがわかっていないのかも知れません。子どもは家庭内においては、自分の要求にこだわりがちですが、外にあっては、友だちと遊んでもらえないことを恐れて、自分の要求を抑えることが出来るのです。

スポンサーリンク

 自分の要求を抑えることの出来ない子は、要求が強すぎるというよりも、あまり他人との交流の喜びを知らないというように考えたほうがよいようです。よくこのような子をわがままな子と言いますが、それは他人からみた価値観をこめた見方なのです。本人としては、友だちと遊ぶ喜びよりも、自分の気持ちが満たされることが大切なのです。そのために、何をさておいても自分の要求にこだわるわけです。
 一般に我慢の出来ない子は、自閉的なところが目立ちます。例えば、親からいろいろと説明をうけても、あまり納得してくれないようです。現実の状況をよく知ろうとする気持ちが働かず、どうしても自分の不愉快な体験にこだわって、くりかえし訴えようとするわけです。ですから、やはり親子関係の交流がよく出来ていないとでも言うべきでしょう。
 幼い子どもの性格づくりに関しては、どうしても親の存在を無視するわけにはいきません。例えばこのようにがまん出来ない子の親には、どちらかというと人間関係のまずいがまんしない性格をもった人が多く見られるようです。そして当事者は、極めてあっさりと遺伝ですから仕方がありませんなどと言いますが、それでは本当にどうしようもないことなのです。それよりも、やはり親と子の関係が重要なのだということに気づいていただくことでしょう。がまん出来ない親は、わが子に対してもささいなミスとか、わがままを許すことをしません。このような問答無用な圧力をかけることが続きますと、子どもは親に対しても、同じような態度を示すようになってきますし、たとえうるさい親の手前は仕方なく反撃することをあきらめたとしても、外にむかっては、自分の要求にこだわって、他人を排除することが多くなるものです。このことは、明らかに、人間関係の発達が遅れていると考えてよいと思います。
 いつも子どもだけをしかりつけても、それで子どもの性格が変わるものではないのです。けんかを一時的におさえるだけのものなのです。親自身が、まず自らを反省して、人間関係におけるいろいろな状況をわきまえ受け入れていくモデルになることです。自分をさておいて、このような子どもを叱るということは最もいけないことなのです。まず、親と子が長い時間かかって、交流がうまく出来るような助言とか援助をしてみることが大切だと思うのです。子どもにしても、ただ叱られるという状況よりも、親が自分のことをよくわかってくれて、冷静に教えてくれるという態度を示してくれるほうが、ずっと気持ちよく、ものごとを考えることが出来ると思うのです。優しくなれば、親ほど身近にいて頼りになるものはないからです。
 友だち遊びのよさは、どの子にとってもわかることなのですが、自分が親から認められていないという不安定な気持ちが強いと、安心して友だちの集団の中にいて、友だちと交流をもつわけにはいかないのです。自分が安定出来る状態にあって、はじめて他人のことを受け入れる ことが出来るわけです。それを目先のことばかり考えていて、友だちとケンカをしてはいけないというお説教をしたり、友だちと遊べるようにそばについていても、あまり効果がないのです。
 あなたは、このようなすぐケンカになるという問題を持っているお子さんが小学校に行ってまで、同じような問題を示すのではないかと心配されています。たしかに放っておいたのでは、同じような傾向が出てくると思います。しかし、お子さんは幼児期の状態とは違って、小学校の集団生活において、前より積極的に友だちを求めていくようになるわけです。でもこの際、本人が、自分は友だちとすぐけんかをしてしまうとか、友だちと遊べないというように思いこんでしまったとすれば、友だちと接触していくことをためらったり、逃げごしになったりして、自分だけの世界にとじこもるくせをつけてしまうことになっていくかも知れません。幼児期の家庭教育で最も注意しなければならないことは、前にも述べたように形の上で子どもを矯正しようとして強くしかり続けて、子どもに特別な意識をもたせてしまうことなのです。
 小学生になったら心機一転して、新しい友だち関係を創造していけなように、親や先生も心を新たにして欲しいと思います。

友だちの選び方/ 友だちにいじめられる/ 友だちをいじめる/ 友だちとすぐケンカになる/ 仲間外れになる/ 友だちに嫌われる/ 友だちをえり好みする/ 友だちのまねばかりする/ 友だちの言いなりになる/ 友だちの悪口を言う/ おせっかいやき/ 親の気に入らない友だちとつき合う/ 気に入らないとすぐ噛み付く/ ボスになる/ 異性の友だちとだけ遊ぶ/ 友だちができない/

       copyrght(c).子育てと育児.all rights reserved

スポンサーリンク