友だちの言いなりになる

 小学校一年生の男の子ですが、何かにつけ「あの子がそう言ったから」と、友だちの言いなりになっています。このままでは、自主性のない子になってしまうのではないかと心配です。最近になって、年上の子ともっきあうようになりましたが、それが一因であるとも思われます。どのようにしていったらよいのでしようか。
 友だちの言いなりになっているという状態にも、いろいろあると思います。喜んで言いなりになっているのか、しかたなく言いなりになっているのかで、それについての考え方も違ってくると思います。もし、嫌々ながら言いなりになっているのだったり、言いなりにならないとこわい目に会うよというような種類のものであれば、この年令の子どもだったら、そういう子と遊びたがらなくなったり、親に訴えたりするでしょうから、この場合は、おそらく、言いなりになっていることが、まんざら嫌ではなく、あるいは子どもなりに、なにかわけがあるのだと思います。次のような場合が考えられると思います。
 これは、自分より年上の子どもや、年上でなくてもガキ大将的存在で遊びをいろいろと知っていたり、子どもたちのグループのリーダー格になるような子どもとつきあう時、ありがちなことです。自分の知らなかった遊びや、言葉づかい、振る舞い方など、一つ一つが、かっこうよく感じられ、憧れに似た気持ちで、ついて歩いては、喜んで従っているという状態です。特に、一年生から見た上級生は、尊敬すべき偉大な人物です。指図をされて、そのとおりに行動することで、その手下になったような感じがして誇らしいのです。ですから当然、いろいろ物事を決める時、といっても、幼い子どものことですから、例えば、文房具やおもちゃを選ぶこととか、どの道を通って学校へ行くとか、そんなことだと思いますが、そういう子どもの言動に強く影響されることが多いと思います。このような場合だったら、親としては、ほほえましく見守りながらも、目にあまるようなことがあればたしなめるという程度でよいのではないでしょうか。子どもも、いつまでも同じようにしているということはないでしょうし、また違った興味を追求し始めると思うのです。

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 小学校に入ると、それまでの幼稚園や保育園時代の友だちづきあいや、仲間と離れて、新しく友だちを獲得したり、仲間に入っていかなくてはならないという事情が起きてきます。そういう時、子どもにとっては、友だちから認めてもらうことがとても大切であり、そのために友だちの間に通用するしきたりに従ったり、自分の知らなかった遊びを必死でマスターしたり、友だちと同じように行動したりすることが、重要なことになってくるわけです。それは、本人にしてみれば、しなければならないことというより、したいことなのです。その過程で、友だちの言いなりになるという場合も生まれてくると思います。例 えば、おやつを食べること一つにしても、母親から与えられたものを食べるのでなく、当たりや外れのあるバラ売りのキャラメルやガムを自分で買って食べることをマスターする過程に、また、放課後に友だち同士で遊ぶ場合の約束のとりつけ方や遊ぶ場所、内容などを決める際の子ども同士で一件落着する過程に、必ず相手の言いなりになるという状況が生まれてくるわけです。子どもは、そういう細かい事情を一つ一つ親に納得のいくように説明することができませんから「○○くんが、こう言ったから」という調子になるのです。こういう場合、ある子どもは言いなりになることが多く、ある子どもは指図する側になることが多くなるということはあるでしょうが、言いなりになっている子どもも、そのような方法が、自分にとって一番無理がなく、友だちの中で安定した立場が持てるから、自然そうしているのだと思います。相手の言いなりになっているという状態は、親から見ると実にふがいなく感じられるものですが、だからといって「言いなりにばかりなるな、自分で決めろ」と言われても、子どもの方も困ってしまうでしょう。今子どもが、そのような関係で満足して友だちと遊んでいるのなら、それでよいのです。その子どもなりに、友だちづきあいというものを、自分のものにしていく過程なのですから。そして、必ず、いつまでも言いなりになってばかりはいないのです。
 これは本問からややずれるかもしれませんが、何かにつけ自分で決められず、友だちに聞いてそのとおりにするという状態です。新しい集団に適応するのに時間のかかる子どもの場合に多く見られると思います。誰かと同じようにしていないと不安なのです。例えば、学校で図工で使うのに、包み紙か千代紙のどちらかを特ってこいと言われると、千代紙にするか包み紙にするか、自分で決められないわけです。友だちにどちらにするか聞き、自分も同じようにすることで安心するのです。こういう場合、頼りにする友だちは、たいてい特定の友だちです。ある事態に直面して、どうすればよいかを自分で決めて行動することにおいて未熟なのです。友だちの適応のしかたを手本にして、同じようにやってみることで安心できるのです。また、先生から受け入れてもらえるかどうかについても、自分なりの表現で受け入れてもらえるかどうか自信がもてないのです。こういう状態は、親から見て心配なものです。しかし、子どもは、それでも、その子どもなりの工夫と努力で学校生活になじんでいこうとしているわけで、体験しながら、徐々に自分で決めたり、思いきって自分なりの表現をしてみることがでてくると思います。自主性のない子どもになってしまうのではないかという不安をおさえて、しばらく暖かく見守ってあげることが大切だと思います。そして、思いきって自分で考えて行動した時は、褒めてあげ、励ましてあげてください。

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