おせっかいやき

 四歳になる女の子ですが、友だちと遊んでいるとき、相手のすることにおせつかいをやいたり、時には、私どもに対しても、いちいちすることに、ああしろこうしろといいます。小さいうちから、こんなおせつかいやきではと心配しています。
 人のおせっかいをする人は、往々にして自分のことはそっちのけという場合が多いものです。幼稚園の大勢の子どもの中にもよく見かけることです。友だちの持ち物の世話から靴のはき方、絵を描く時の色の塗り方と、あれこれ世話をやいている子どもがいます。
 おせっかいといっても、ロでああしろ、こうしろというだけの場合と、世話やきというか相手の気持ち、動きを無視して自分の思いどおりに状況を整え相手を動かそうとする場合とがあります。
 ロだけでいろいろいう子どもは評論家タイプとでも申しましょうか。こうあるべきだ、そうあらねばならないという規準のようなものを頭に描き、勝手に思い込んで人に押しつけているのです。自分なりの理屈、価値規準はあるのかもしれませんが、非常に自分勝手なものであり、それを強要されると相手は不愉快になってきます。理屈っぽく、もっともらしくいう割には、本人は実行力に欠け、人にいうだけで満足しているようです。こういう子どもは生き生きと活発に暮らしているとはいえません。
 人の世話をやくタイプの子どもは、自分自身まめに身体を動かしながら友だちのおせっかいをしています。特に自分より小さな子ども、力の弱い子どもに対して手とり足とり世話をやき、人の世話で自分のことは遅れがちになることがあるようです。
 ままごと遊びでいつもお母さん役になり、お父さん、子どもを取りしきって遊んでいる様子を見るとほほえましくもありますが、ずい分口うるさいおせっかいなお母さんだなあと思うことがあります。「何時になったら勉強しなさい」「ごはん早く食べないと遅れますよ」と自分の周囲にいる人の動きをすべて自分が決めて指図しています。相手の気持ちなどまるで無視して、自分のいったとおりに動くのが当然、まるでロボットでも動かすように動かそうとしています。

スポンサーリンク

 人のやっていることがバカバカしくて見ていられないため、評論家ぶって口出しする子どもは、小さい時から自分自身ロうるさく指摘され続けてきたといえましょう。
 赤ちゃんが乳ばなれしてくると、自分で動き、自分の手でさわり、目で見て、聞いてと全身の感覚をフルに動かして体験的に学習をしていきます。たくさんの失敗もありますが、周りの大人に助けられ励まされてやる気になって自分の力で挑戦していきます。ですからこの時期の大人の接し方、態度がどうであるかが大切なことです。
 子どもの失敗をよくないことと決めつけたり、失敗したらかわいそうと始めから成功する方法を教えるだけであったり、子どもが自由に考え自由に行動することは許せない、子どもは大人が考える道をそのとおり進むべき、といってきちんと方向、目的、手段などを指示して一歩もわき道にそれることを許さないなどの親の躾、教育方針で育てられた場合、子どもは親の考えに縛りつけられているわけです。どこかで自分なりに自由に振る舞ってみたいと思うのは当然です。
 しかし、子どもに手をかけて育てるということは、実は大変大事なことなのです。子どもは手をかけてもかけても、かけ過ぎるということはありません。でも、いつどんな手をかけるの かがわかっていないと、子どもの発達するこころを押えてしまったり、伸びようとする芽を摘んでしまうことになります。
 子どもの立場に立ってみた時、いつも必要以上に世話をされたり、声をかけられたりしていて、うっとうしいという気持ちがあるのかもしれません。
 日常の暮らしすべてに親からの世話が行き届いているため、自分の意思を働かせる必要のない、受け身の生活になっている、そのため自分の気持ちを誰か人にぶつけてみたい、それがおせっかいとなって表れているといえましょう。お子さんが人におせっかいをやいたり、口出しすることは「わたしは親からおせっかいをやかれたくない、うるさく口出しされたくない」と一生懸命人に向かって訴えている、と思ってみてください。
 まず、お母さん自身がお子さんに手をかけることを少なくしてほしいと思います。親が手をかけている時、お子さんがどんな気持ちでそれを受け止めているのか、快く思っているのかどうかを考えてみてください。
 「うるさい」とか「一人でできるからいい」という言葉が返ってくればわかりますが、お子さんが何も言わないと、そうすることが当たり前とか良いことだと信じ込んで手をかけすぎていることがあるものです。
 「あなたは四歳だからもう一人でできるでしょう」とやさしく背後から見守る態度や、時にはお子さんを信用して任せたり、親が手出しせず、子どもが一人でやり遂げる方向に励ましていくことを心がけてみましょう。
 そんな親の態度の変化に気づくと、お子さんは親が自分を支持してくれているという安心感をもち、自分の行動に自信をもちます。自信をもつことで自分を一生懸命考え、精いっぱい行動するようになり、とても人の世話などしていられないと感ずるようになるでしょう。おせっかいをやく子どもは、自分のやるべきことがわかっていなかったり、自信がもてないため、人の世話をすることで自分を紛らわしているともいえます。よそに気を向けず、自分に目を向けていく生活態度を身につけさせるための援助が、今、必要だと思います。

友だちの選び方/ 友だちにいじめられる/ 友だちをいじめる/ 友だちとすぐケンカになる/ 仲間外れになる/ 友だちに嫌われる/ 友だちをえり好みする/ 友だちのまねばかりする/ 友だちの言いなりになる/ 友だちの悪口を言う/ おせっかいやき/ 親の気に入らない友だちとつき合う/ 気に入らないとすぐ噛み付く/ ボスになる/ 異性の友だちとだけ遊ぶ/ 友だちができない/

       copyrght(c).子育てと育児.all rights reserved

スポンサーリンク