親の言う事を聞かない

 小学校五年生の長女ですが、このごろ手伝いを頼んでも、学校の勉強が忙しいとか、用事があるを口実に、ちっとも言うことをきかなくなりました。今までは、私どもの言いつけはなんでもきいていましたが、この頃は何かにつけ、反抗的になってしまいました。こんな時、親としては、叱ってでもいいつけをきかせたほうがよいの でしようか。
 何でも言いつけをきいていた子どもが、反抗的になってくる時ほど、親として不満が高まる時期はないでしょう。でも、親に反抗もしない子どもは一人前の大人に育たないのです。
 どんなに親からかわいがられようと大事にされようと、子どもから見ると親というものは大きな力をもって自分に対している存在です。その大きな力を頼もしくありかたく思って頼っている時期は、親からみると、子どもは素直にみえます。でも、いつでもそうとは限りません。親の力がうっとおしくやりきれないと感じる時期もあるのです。この時期は、親にすれば、子どもが反抗することで憎らしく思いがちですが、子どもの立場からすると、自分のやり方で自分の判断に従ってやっていきたいと願う時期なのです。子どもの発達は、親に依存し守られて過ごす時期の次に、それではあきたらず、自分でしたいと思う独立的な時期が来ます。そして、自分だけではどうしようもないことがあることを知ってまた親に依存するようになり、次の段階として、親にとりしきられるのを嫌がり自分を主張するようになります。つまり、依存と独立は子どもの発達のうえに交互に現れ、共に大事な時期なのです。依存することを知らない子どもは、勝手に孤独に暮らすしかなくなりますし、独立したいと思わない子どもは、自らの考えを持ち得ず、責任感も判断力も育ちません。素直な子どもが一筋でいかなくなったという時、親は子どもの発達の証として喜べるくらいの理解とゆとりをもってほしいものです。

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 子どもを育てるには、子どもの発達のリズムを知らなければなりません。そして、そのリズムにのっていけば、親も子も必要以上の苦労をしなくてすむのではないかと思うのです。リズムにのるというのは、子どもが依存的な時期には、自分に引きつけ親密さを心ゆくまで味わい、さまざまなことを手を取って教え、親が大事に考えていることを伝えていくというようなつき合い方をするし、子どもが独立的になっている時には、こまごまとした手出し口出しを控え、少し離れて見守るということです。この時期は、直接現実にふれることにより、現実的な理解が深まり、責任を持つということも覚えてきます。自分の能力や態度などについて客観的に理解することも増えてくることでしょう。
 下手な親は、依存的な時期の子どもに自分でやることを期待し、独立的な時期に言うことをきくことを期待するのです。これは自分でやること、言うことをきくこと、という相反した願いを親は待っていて、どちらかが不足していることを感じるとそれを追い求めるからではないでしょうか。常に両方を望まずに、交互に現れると思っていればゆったりと子どもに接することが出来ると思うのです。
 反抗は、自分が主体的に生きたいと思っている時、それを抑えられる事に対する怒りの行動であると言えます。だから、子どもの自己主張を認めることによって、無用な反抗をさせなくてすみます。それは、子どもの言いなりになったり、わがままにさせることではなく、思ったようにやらせ責任をとらせていくことです。
 子どもの自己主張の中には、親のやり方や好みとはちがうが、認められる事柄もたくさん含まれています。これは当然尊重してしかるべきで、そういう親子関係の中から子どものプライドや親に対する信頼感などが育ってくるのです。でも親からみて危なっかしいこともたくさんあります。生命に関するようなぎりぎりのこと以外は、失敗するだろう。後で困るだろう。と思っても、まずやらせてみることが大事だと思うのです。親は子どもより経験が深いからすぐ予測がつくことでも、子どもには見通せない事があります。失敗するかどうかを考えるゆとりもなく、強く子どもが望むこともあります。失敗させないことを考えるより、失敗を上手に生かすことを考えて、体験させることも必要です。人は自分で納得しなければならないからです。だから言ったじやないの。それみたことかというような態度も禁物です。子どもは親の冷たさ、自分に対する不信感を感じとって失敗をかくすようになることでしょう。
 失敗したってやり直せば良い んだよ。自分でやってみることは大事なんだよ。と励ましたり、時には見て見ないふりをすることも大事だと思います。要するにまっすぐに結果を見すえることを妨げなければよいのです。こういう親に対しては子どもは反抗のための反抗はしませんから、とりかえしがつかないようなことは起こり得ないと思います。
 反抗というような大きなことではなく「ああ面倒くさいなあ」という気持ちから親の言葉を無視することも少し大きくなると出てきます。これはたいてい親の愚かさから誘発されることが多いのです。子どもの状態を確めもせず、仕事を言いつけたり、言っても仕方がないことをくどくど言ったり、同じ愚痴を繰り返したりしていると、子ども は、まともに親に対応しぎれなくなり、聞こえても知らん顔をしたりするようになります。平気で親の言葉や気持ちを無視するようになり、親に対する尊敬の気持ちも薄れてきます。子どもにとって愛情と同じに必要な親としての権威を確立するためにも、怠惰な暮らしをせずに、子どもがきちんと耳をかさざるを得ないような親の生活を作り上げていってほしいと思います。

父親と母親の意見と態度の食い違い/ 父親の言うことはきくが母親の言うことはきかない/ 親の顔色をうかがう/ 親の言う事を聞かない/ 親を批判する/ 親と話をしたがらない/ 親を脅す子/ 注意するとすぐふくれる子/ 自分の物に人がさわると嫌がるときの扱い/ 口答えする/ 反抗期の子ども/ 兄弟への公平な接し方/ 兄弟げんか/ 弟や妹をいじめる/ 異性のきょうだいのいない子/ お下がりと子どもの不満/ やきもち/ 一人っ子/ 末っ子/ 中間の子/ 長男・長女/ 祖父母と子ども/ 家族としての意識の薄い子/ 子供部屋と家族のふれあい/ 難しい中学生との接し方/ 大学進学問題で親子の意見が対立したとき/ 義理の親子関係/ 離婚したときの子どもの扱い/

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