親を脅す子

 六歳になる男の子ですが、デパートに行くと、必ずおもちや売り場で立ち止まり、物をねだります。それでも買ってやらないと今度は床にひっくり返り「死んじやう」とか「家を出て行く」といって大声で泣き出し、私を脅すので困ってしまいます。今までは、子どもの言いなりになってきましたので、これからは、なんとかこの性格を直したいと思いますが、よい方法はあるのでしようか。
 子どもが自分の言い分か通らない時、ひっくり返って怒ったり泣いたりすることは、三歳ごろまではよくあることです。しかし、六歳になっても同じようなことをしているというのは、少々手遅れだと感じないわけにはいきません。
 三歳ではただ泣いて、怒ってひっくり返っているだけでしようが、六歳ともなると知恵がでてきますし、言葉も達者になり「死んじやう」とか「家を出て行く」といって、親の泣きどころをつかんでいるだけ仕末が悪いというものです。
 はっきりいって、今までおどかされてきた親の態度に問題があるのではないでしょうか。子どもは親の力を見ています。子どもから見て力の弱い大人、何でも自分のいいなりになる大人をわかっていると思います。しかし、いつもすんなりおどしが通るわけではない、時には親の抵抗にも出合うと、それを払いのけ、自分の言い分を通そうとするため、前より強硬手段をとるようになり、泣いても駄目なら脅しで、ということになるのです。
 特にデパートに行くと玩具売り場で物をねだるとのことですが、本当にその玩具が欲しいのでしょうか。たいして欲しくはないが、デパートなど人の大勢いる所では親の方も子どものおどしに合うと、人に見られてみっともないとか、さわがせたくない思いが先に立って、ついつい不本意ながら子どもの脅しに応じてしまっているのではないでしょうか。
 お子さんのおどしが、単なるわがままとか欲ばりの域を越えているのではないかと気にかかります。というのは、常に満たされない気持ち、親に対する不満を、デパートの玩具売り場という親にとって一番困る場面で、爆弾を投下させるかのごとく、さわぐのではないかと思うのです。
 デパートの玩具売り場は子どもが主人公になれる場所ですし、子どもの欲求がはっきり表れる所です。玩具売り場へ来れば子どもはみんな欲しがるものと人は思っています。
 お宅のお子さんはそのことを承知していて、ここぞとばかり親を脅しているように思うのですが、玩具売り場以外でもこのようなことがあるのでしょうか。つまり、六歳になってもひっくり返って怒ったり、おどしたりするのは親子関係の歪みが原因ではないかと思うのです。

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 子どもは自分が親から受け入れられている安心感があれば、親にとって困るような問題は起こさないと思います。
 本当に欲しい玩具があれば六歳児は言葉で表現することができるはずです。
 お母さんは、六歳の男の子に対してどのような接し方をしていられるのでしょうか。赤ちゃん扱いし過ぎてはいませんか。まだ子どもだから何も出来るはずはないとか、子どもがひとりでやっても失敗するし、危な気で見ていられないからと感じすべて親が先走って手をかけ過ぎてはいませんか。
 子どもは失敗しても、年令に応じて自分でやってみたい、やってみようという気持ちをもっているものです。親はその時々の子どもの年令、発達状態に応じて、必要な援助をしていくべ きです。大人から見て、危な気であったり、心配と思えることでも、子どもは自分で体験し、挑戦していきます。失敗してもその時親に助けられたり、励まされることで人への信頼感、自信が育っていくものです。
 本問のお子さんの場合、親に自己主張する芽も押さえられてしまっている、つまり日ごろは何一つ不自由なく親の庇護のもとで暮らしているのでしょうけれど、お子さんのこころの中には、何とか親に自分の存在を主張したいという思いがフツフツと湧いているのかもしれません。それが玩具売り場でのさわざとなって表れていると考えられます。
 まず大事なことは日ごろから、もっとお子さんを信頼し、お子さんの言い分を聞くようにすべきです。
 わが子は今、何を考えどんなことにこころを痛めているのだろうか、能力的にはどんな状態であるのかなど、お子さんの実体を客観的に知ってください。
 知的能力、性格傾向など、お母さんの目からはわかりにくいようでしたら専門家に相談なさって、客観的資料を得ることも必要かと思います。
 お母さんが考えていらっしやるよりずっと、お子さんは大人の世界に近づいているのかもしれません。今までの習慣で、お子さんがすぐ自分の言い分かいえないようでしたら、お母さんが代わりに「今こんなこと思っているのでしょう」とか「こうして欲しいのかしら」などと、いち早くお子さんの気持ちを察知して言葉で表現してあげてみてください。
 お子さんは、お母さんがぼくのことわかっていてくれると感じ、それを言葉で表されると照れくさくもなるでしょうが、うれしくなり安心するものです。
 気持ちが安定していつでも親から受け入れられている感じをもてば、デパートでの脅しはなくなると思います。
 能力面でも、もっとお子さんを信頼して、任せてやらせてみましょう。失敗したり、困った時はいつでも助けてあげるからまず自分でやってごらんという親の態度です。
 子どもは親に認められていると感じれば、頑張る力もでてきますし、努力もするものです。
 親子関係の中で、お子さんの気持ちの安定をはかることが何よりの解決法と思います。

父親と母親の意見と態度の食い違い/ 父親の言うことはきくが母親の言うことはきかない/ 親の顔色をうかがう/ 親の言う事を聞かない/ 親を批判する/ 親と話をしたがらない/ 親を脅す子/ 注意するとすぐふくれる子/ 自分の物に人がさわると嫌がるときの扱い/ 口答えする/ 反抗期の子ども/ 兄弟への公平な接し方/ 兄弟げんか/ 弟や妹をいじめる/ 異性のきょうだいのいない子/ お下がりと子どもの不満/ やきもち/ 一人っ子/ 末っ子/ 中間の子/ 長男・長女/ 祖父母と子ども/ 家族としての意識の薄い子/ 子供部屋と家族のふれあい/ 難しい中学生との接し方/ 大学進学問題で親子の意見が対立したとき/ 義理の親子関係/ 離婚したときの子どもの扱い/

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