注意するとすぐふくれる子

 小学生の男の子ですが、テレビやマンガばかり見て、勉強をしないので、注意したところ、すぐにふくれてしまい、私どもも手をやいています。このままでは、ちよつとしたことでもすぐにふくれる癖がついてしまわないかと心配しています。どうすればよいでしょうか。
 人間は、どういう時にふくれるという態度をみせるでしょうか。他人から注意されたり、とがめられたりした時、悪いことはわかっていても、気持ちの中にわだかまりがあって、すんなりと承服できかねる時、また、そういう気持ちのわだかまりがうまく表現できなくて、わかってもらえないという不満でふくれると思います。黙りこくって、人からの働きかけに応じないという態度による無言の抵抗でもあるし、また自分に対する人の関心や愛情を促そうとするてだてでもあると思います。ふくれるという態度は、人から受け入れてもらいたいという気持ちの表現の一つでもあると思うのですが、ふくれられると、人は近づきにくくなり、好意を持ちにくくなってしまいますから、まずい表現だと思うのです。大人になっても少し気まずいことがあるとすぐふくれてしまう人がいますが、こういう人は人間関係がうまくいきにくいと思います。大人になってからでは、こういう傾向はなかなか変わりにくいものですが、子どもの場合はまた別です。本問のお子さんは、注意されると、ご両親が手をやくぐらいふくれてしまうというわけですが、反発したり、抗議したりしないで、ふくれるという態度をとらざるを得ないところに、なにか特別な心の状態というものがあるのではないでしょうか。

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 このお子さんは勉強を忘れているわけではありません。テレビやマンガばかり見ていて、勉強しないということがよくないことであることは重々承知しているのです。そのことを責められても、気の毒なことに抗議のしようがないわけです。しかし、勉強をしていないことは事実なのですから、たぶん勉強をする気持ちになれないのだと思います。勉強をする気持ちになれない自分の状態をうまく表現することもできず、自分で処理することもできなくて、なんとなくズルズルとテレビやマンガを見ているのではないでしょうか。まず、どうして勉強する気持ちになれないのか、よく考えてみてはどうでしょうか。よく理解できないので興味がもてないのかもしれないし、しなければいけないと思いながらもついついテレビやマンガにひきずられてしまうのかもしれないし、学校のことで何か心にひっかかることがあって学校関係のことがおっくうになってしまっているのかもしれません。きっと子どもなりのわけがあると思います。そういうことを、子どもはこと細かに説明することはできませんから、悪いとわかっていることを注意されると、そのわだかまりをぶつけようがなくふくれるしかないのだと思います。
 また、もう一つの考え方があります。つまり注意をされるということは、多かれ少なかれ屈辱的なことです。注意されていることの内容より、自分の非を指摘されたということで、プライドが傷つき、ふくれるということもあるでしょう。また、人前で注意され、体裁が悪くてふくれることもあります。あるいは、言われなくても、自分でやるつもりだったのに、先に言われたということで不愉快になってふくれることもあると思います。こういうことは、子どもが成長してきて、感情が複雑になってくると、誰にでもあることです。
 ただ、いつまでもふくれている、その程度がはなはだしいのは、自分の気持ちのいざこざを自分で変えることをせず、人からうまく処理してもらうのを持っている状態でもあると思います。何か自分にぴったりとした働きかけを求めているという合図かもしれません。ふくれるという態度は親から見るとかわい気がなく「いいかげんにしなさい」とか「なにふくれてるのよ」とますます責めたくなってしまうものですが、少し注意深く、その気持ちを考えてみてください。
 子どもに注意するということは簡単です。この例では、勉強しないことに注意を与えたことがきっかけになっているようですが、ふくれるということは、その注意の内容が正当であることは認めているのです。しかし、注意をされたということが気に入らないのです。
 そこで、一つには、うかつに注意をしないことです。子どもは、小さかったころより、自尊心が強くなってきているのですから、やろうと思っていたのにとか、わかってるよという気持ちが働いて、そうすんなりと注意に従ってくれません。
 また、勉強ということでこだわっているのだったら、先にも述べたように、勉強したくない気持ちを調べ、わからないところがあるならていねいに教えなければいけないし、興味がもてないなら、一緒になって「やろう」と声をかけ、子どもに問題を作らせて親が解いてみたりして、その気にさせたり、何か学校のことや友だちのことでいやなことがあるなら、親身になって問いてあげなければいけません。つまり、注意を与えるだけでなく、その後も面どうを見てやることが必要だということです。あまりに手こずらせるようだったら、また別の気持ちが含まれていると思います。それは、自分から表現して求めるのでなく、親の方から近づいてきて、自分の気持ちにぴったりとした愛情の表現をしてくれるのを待っているのです。これも、自尊心の一種だと思います。また、一たんふくれてしまったら、そういう自分の状態を変えることができずに、困っていることもあると思います。その時は、きっかけを作ってあげればいいと思います。「ちょっと、よく切れるはさみ持ってる」などと言葉をかけてみたらどうでしょう。
 ふくれるという表現は、子どもにとって普通のことです。でも、それがひどくなったり、その子の通常の性格のようになってしまうのは、気の毒なことです。

父親と母親の意見と態度の食い違い/ 父親の言うことはきくが母親の言うことはきかない/ 親の顔色をうかがう/ 親の言う事を聞かない/ 親を批判する/ 親と話をしたがらない/ 親を脅す子/ 注意するとすぐふくれる子/ 自分の物に人がさわると嫌がるときの扱い/ 口答えする/ 反抗期の子ども/ 兄弟への公平な接し方/ 兄弟げんか/ 弟や妹をいじめる/ 異性のきょうだいのいない子/ お下がりと子どもの不満/ やきもち/ 一人っ子/ 末っ子/ 中間の子/ 長男・長女/ 祖父母と子ども/ 家族としての意識の薄い子/ 子供部屋と家族のふれあい/ 難しい中学生との接し方/ 大学進学問題で親子の意見が対立したとき/ 義理の親子関係/ 離婚したときの子どもの扱い/

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