反抗期の子ども

 歩けなかった子どもがヨチヨチ歩くようになり、やがて、ころばないで走るようになってきます。スプーンを持ったり、砂をコップに入れてはこぼしてみたり、積み本を上手に積むことや、スベリ台やブランコに乗ることも覚えできるようになってきます。この頃の子どもの運動機能の発達には、目をみはるものがあります。運動機能が発達してきますと、自然と、自分の思うとおりに体を動かし、活動できる範囲も拡がってきます。なんでも自分でやってみたいという意欲も旺盛になってきます。子どもは、自分のものとなった力を発揮して、あれも自分でしてみたい、これも自分でしてみたいのです。けれども、大人の目からみますと、下手だったり、危なっかしかったり、周囲のことがよくわかっていなかったりすることが多いものです。そこで、どうしても禁止や命令が多くなってきてしまいます。ついつい見ていられなかったり、イライラしたりしてしまうものです。また、いろいろなことができてくるにつれて、食事、排泄といった自分の身のまわりのことも、自分なりにやってみようとするようになってきます。けれども大人には、こういうふうにやって欲しい、こういうふうに躾たいという気持ちがあるので、どうしても衝突することが多くなってきてしまうわけです。子どもの要求と、大人の制約とがぶつかった時、当然子どもは、怒るとか、泣くとか、嫌といって拒否するとか、あくまでも自分でやろうとする態度を示すなど、さまざまな形で抵抗を示すことになります。大人の要求とぶつかって泣いたり、怒ったり、イヤイヤを連発したりしている姿は、ぼくは、わたしは、本当はこういうふうにやってみたいのにさせてくれないといっている無言の訴えではないでしょうか。それが大人の目からみますと、反抗している姿として写ることになるのです。

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 反抗期とは、自分なりにやってみたい、やってみようとする独立心、自己主張の表れだということです。これは、たんに反抗期だけに限られたことではなく、子どもの反抗すべてにいえることだと思います。つまり、大人からみますと、たんに反抗していると思える態度でしかないけれども、子どもにとってみますと、子どもは、自分にできる精一杯のやり方で大人に自分を訴えているのです。現在自分は不満なんだということを主張しているのです。大人は、そのことを頭の中で理解するのではなく、子どもとの触れあいの中で、たしかに理解して欲しいと思います。子どもの反抗を毛嫌いしたり、親の権威を一 方的に押しつけて、ヒステリックに自分の言い分をとおそうとする親は、反抗しているその子どもの心理を、正しく理解しているとはいえません。
 反抗というものは、親という権力的な存在に対抗する精一杯の自己主張なのですが、親はそういうふうにはなかなか受け取れません。子どもは、親に対して従順であるべきなのに、それを裏切るとは何事だというような受け取り方をしてしまうことが多いのではないでしょうか。そういう受け取り方をしていますと、親はどうしても感情的になり、自分で考えながらやってみようとする子どものやる気を、押さえつけてしまうことになりがちです。時間に遅れそうな時に限って、子どもは自分で洋服を着ると頑張ったりして大人をイライラさせるものです。けれども、ここで感情的に怒ってしまったとしたらどうでしょうか、子どもは、せっかくやろうとしているプライドを傷つけられることになり、ますます抵抗を示すことになります。この時に、イライラする気持ちを抑えて子どもの立場になって考えて欲しいのです。そうすることによって、相手の立場と自分の立場の違いに気づいて欲しいのです。いつもは一人で頑張りなさいといっているのに、一人でやろうとしている姿を認めようとしない矛盾、おかしさに気づくでしょう。ゆとりを失っている自分の気持ちもわかるし、その気持ちが子どもに伝わって、ますます子どもの反抗心がつのってくるということもわかると思います。自分あっての子ども、反抗されるものあっての反抗ということをよく考えてみてください。その場では無理でしたら、反抗されていない時に、自分を振り返って深く考えてみるようにしましょう。子どもが自分が満足するまでやった時に、おかあさんが遅れて困る理由をきちんと説明してあげたらよくわかってくれると思います。大人だって何か心に不満がある時は、他人からの説得がなかなか受け入れられないものではないでしょうか。それから、子どもの抵抗にあうとすぐに感情的になってしかったり、抑えつけようとしたりすることがありますが、そうすれば、子どもはますます抵抗を示すものなのです。感情的にならずにていねいに説明してあげたら、子どもは案外わかってくれるものなのです。それが無理でしたら、子どもが満足している時に、なぜ怒ったかということを説明してあげると、子どもは、表面的には怒ったとしても悪かったなと感じるはずです。
 子どもは、大人のすることをよく見ていて、何でもまねしてやってみようとします。その時に「できもしないのに」といってやめさせてしまうことが多いものです。大人ほど上手にできないのはあたりまえなのです。やらせてみたら思っていたよりも上手にできることもあるので はありませんか。失敗をくりかえしながら、自分にはどういうことができて、どういうことができないかということが自らわかるようになってきます。自分でやってみようとする自立心を、上手に満たしていくことが、がむしやらな反抗をしなくなることにもつながるのです。

父親と母親の意見と態度の食い違い/ 父親の言うことはきくが母親の言うことはきかない/ 親の顔色をうかがう/ 親の言う事を聞かない/ 親を批判する/ 親と話をしたがらない/ 親を脅す子/ 注意するとすぐふくれる子/ 自分の物に人がさわると嫌がるときの扱い/ 口答えする/ 反抗期の子ども/ 兄弟への公平な接し方/ 兄弟げんか/ 弟や妹をいじめる/ 異性のきょうだいのいない子/ お下がりと子どもの不満/ やきもち/ 一人っ子/ 末っ子/ 中間の子/ 長男・長女/ 祖父母と子ども/ 家族としての意識の薄い子/ 子供部屋と家族のふれあい/ 難しい中学生との接し方/ 大学進学問題で親子の意見が対立したとき/ 義理の親子関係/ 離婚したときの子どもの扱い/

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