兄弟げんか

 小学校四年生と二年生の男の子ですが、毎日のようにけんかをして困っています。二人を離して座らせたりしてはいるのですが、ささいなことで、すぐにけんかとな ります。よその家では、兄弟仲良くやっているようなので、どうしてうちの子ばかりがこうもと心配になります。どうしたらよいのでしようか。
 兄弟は、けんかをします。けんかをする方が自然です。けんかの原因は、大部分ささいなことです。ヒジがさわったとか、テレビを見ている前を通ったとか、先に新聞をみたからずるいとか、他人だったら決してけんかにならないようなことが原因になるものです。
 よその家では、兄弟仲良くやっていると思うのは、外側からみるからそう見えるので、内に入れば大体似たりよったりだと思います。
 ですから、兄弟げんかは原則として心配することはありません。四年生と二年生の男の子がいて、けんかもしないようでは、かえって心配なくらいです。けんかは遊びのうちと、男の子をお持ちのお母さんは、割り切った方がよさそうです。けんかをさせないようにするのでなく、けんかのルールを決めたらどうでしょうか。

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 兄弟げんかは、原則として知らん顔をしていることが一番良いようです。裁判官役としてお母さんが登場しても、原因がわからないことが多いのです。きっかけは、弟がお兄ちゃんの筆箱をさわったということであっても、ずっと前にお兄ちゃんが弟の鉛筆を持っていってしまって返してくれないのでさがしたのだったり、それはウソで本当はそれはお兄ちゃんの鉛筆だったり、要するに原因を追求して、どちらが悪いかを決めようとすると無理がきます。原因はとんでもない所に発していて、その経過は本人たちも説明できないというような事態で、どちらかが悪いと言えば、必ず恨みがましい気持ちを相手に持たせてしまいます。お兄ちゃんが弟をよって、弟が泣いたというような時、お母さんがお兄ちゃんをしかると必ず「だって」と言い訳や反抗がでてきます。決して「本当に僕が悪かった、これからはぶたないようにしよう」とは思わないのです。むしろ放っておけば、泣きじゃくっている弟を見ながら何となく気がとがめて、「かわいそうなことをしたな」と感じるでしょう。それは弟に対する優しい気持ちにつながります。
 「だって」と言わせてしまうと、弟に対する憎らしさやお母さんに対する不満を生みます。理由を問わず「やってはいけないこと」だけ決め、それをやったらそのことはしかられるという対し方はどうでしょうか。物で叩いたり、投げたり、噛みついたり、家の中を走りまわったりというように、自分や相手がケガをしたり、器物を破損したり、第三者に迷惑をかけ るようなことはいけないこととし、そのルールにさえふれなければ盛大にやりなさい、できたら外へ出てやってちょうだい、というくらいの大らかな気持ちでいられないでしょうか。ルールは、家庭の事情によって決まることで、お母さんが独断で決めてしまえば良いと思います。
 けんかをよくする兄弟は仲が悪いとはいえません。むしろ、今、けんかをしているかと思えば、いつの間にか仲良く遊んでいるということが多いのです。他人相手では抑えてしまう自分の心のちょっとした動きを、兄弟だと心安く出してしまうからで、いくらけんかが多くても、一つ一つは根の深いものではないのです。そうやって心の奥を見せ合った相手とは深い絆でむすばれ合っていくもので、けんかの回数は仲直りの回数だと思えばよいくらいです。本当に仲の悪い兄弟のけんかは深い原因があります。心配しなくてよいかどうかを見分けるには、家の外での二人の関係や、お母さんがいない時の状態をみればすぐわかります。家ではいつもけんかをしているけれど、二人で外出した時は助け合いかばい合ったり、家にいてもお母さんが留守だと仲良くしているというのなら、何ら心配することはありません。
 大体、けんかの原因は大まかに言って親の愛情をめぐっての嫉妬心が大きいと思ってよいでしょう。親をめぐってライバル関係にあるから、ちょっとしたことが憎らしく感したり、許せなかったりするのです。このよ うな気持ちは皆が持っているもので、親に特別な待遇をされた時など本当に喜ぶのは、自分が特別大事にされているという気持ちになれるからでしょう。大人になってもこのような関係は続きます。親の側の問題でこの気持ちをこじれさせさえしなければ、人間の自然な情だと思ってよいのです。
 何らかの理由があって、親が 明らかに片方だけをかわいがったり、実際はそうでなくても子どもがそのように誤解していたりすると、兄弟げんかも深刻になります。お母さんは赤ちゃんばかりかわいがると不満に思っている子どもが、お母さんの見ていない時、赤ちゃんに馬のりになっておさえつけたり、誰も見ていない所で妹をひどくつねったり、というようなことをし出したら、危険信号と思ってください。下の子どもをいじめていることをとがめる前に、どうしてこの子がそうせざるを得なくなったのか、その気持ちを考えてあげてほしいのです。子どものことですから、手かげんをせず、思いがけない結果を生んでしまうことすらありますが、そういう時でも、やはり子どもが悪いのではなく、親に責任があると思わなければならないでしょう。
 けんかは放っておけば良いと言いましたが、相手が明らかに弱すぎる場合は、やはりかばってあげないとならないでしょう。三歳前の幼児や、障害を持った子どもなど、やはり決定的に力の差がある時は、かばってあげますが、お兄ちゃんをしからずに、言い分を聞いてあげ、何故かばうかを優しく説明してあげましょう。けんかの途中で訴えに来た時も、双方に同じように耳を傾けてあげれば、それで気持ちが静まることも多いのです。

父親と母親の意見と態度の食い違い/ 父親の言うことはきくが母親の言うことはきかない/ 親の顔色をうかがう/ 親の言う事を聞かない/ 親を批判する/ 親と話をしたがらない/ 親を脅す子/ 注意するとすぐふくれる子/ 自分の物に人がさわると嫌がるときの扱い/ 口答えする/ 反抗期の子ども/ 兄弟への公平な接し方/ 兄弟げんか/ 弟や妹をいじめる/ 異性のきょうだいのいない子/ お下がりと子どもの不満/ やきもち/ 一人っ子/ 末っ子/ 中間の子/ 長男・長女/ 祖父母と子ども/ 家族としての意識の薄い子/ 子供部屋と家族のふれあい/ 難しい中学生との接し方/ 大学進学問題で親子の意見が対立したとき/ 義理の親子関係/ 離婚したときの子どもの扱い/

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