難しい中学生との接し方

 中学校二年生の娘の通っている中学でも、最近、生徒ことに少女の非行化か問題になっています。愛情の屈折とか喪失が非行化の原因だといわれていますが、一方では、親子の断絶という言葉も耳にします。うちの娘も心配ですが、この年ごろの子はなかなか扱いが難しくて困っています。一般的に親はどのような態度で接すればよいのでしようか。
 中学生の非行という文字が新聞紙上をにぎわすことが多いようですが、これはいったいどういうことかおわかりでしょうか。昔から不良青年とか不良少年という言葉もあり、中学生は少年期から青年期にかけての子どもであり、発達上大人でもなく子どもでもないという中途半端な問題性を示している年ごろだと思うのです。いわば、社会的に存在の不安定な時期と考えられるわけですし、また身心の発達上も、性の発達をはじめ激しい変化の認められる段階なのです。当然この時期の子どもは、精神的に不安定になりますし、問題行動も多くなってくるわけです。とくに中学校の時期は、子どもの時代から出かかった時期で、大人のことが新鮮に感じられますので、見よう見まねで大人っぽくふるまおうとするわけです。
 また、このごろの中学生の非行傾向の大きな特徴と考えられることは、少女の非行がふえたことです。このことは、社会の風潮として女性への圧力が弱まり、女性の自由な社会的表現の一つとしてとらえられることと、更に、性に関する社会的抑圧が弱まったことがあって、急速に性的な問題が低年化されて多発してきたことだと思うのです。
 中学生と言えば、身体の面では、すっかり大人になってきて いる女性が多いわけです。その点から、意識の面でも大人びてくるのですが、すべてが現実的に考えられないところが問題なのです。いわゆる意識と現実が大きくずれている年ごろで、とかく意識の上で過激な行動に走りやすいわけです。

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 年少の非行が増えてきているということは、社会が悪くなってきているということです。子どもにとって生活の安定を得るためには、何と言っても大人たちがしっかりした秩序をもった社会的規範を示していることが大切であるわけですが、大人の生活自体、目下かなり動揺しているわけです。モラトリアム時代という言葉を使っていますが、これは猶予時代ということで、大人になりきれない人たちが増えてきているということです。こういう人たちが結婚して家庭を作るようになってくると、そこで生まれた子どもたちは、どのような規範によって育つことになるのでしょうか。考えてみるとおかしなことです。子どもが子どもを育てているという感じで、親は親の生活を楽しみ、子どもは予どもの仲間の中で育つということなのでしょうか。言葉では、親が干渉しないで自由にのびのびと育っていくように見えますが、家の中で大人が大人の役割を示していないのですから、そこにいる子どもたちは極めて不安な気持ちで暮らさざるを得ないということになるわけです。このごろ激増している登校拒否とか学校嫌いの子も実は、子どもの時の家庭生活において父親としての厳しい役割を得ることが出米なかったというケースが多いことが指摘されているのです。子どもが育っていく過程において、人生の道案内とも言うべき父母が、子どもにむかってその生き方をはっきり示すことが出未なければ、子どもの発達上、いろいろな問題がおきてくることも当然だと思うのです。
 非行という言葉は、社会生活をしていくうえの規範に入れない状態を指すわけで、親によって社会化されなかった子どもであると言えるわけです。年少非行が増えてきたということは、昔は子どもと大人の暮らし方がはっきりわかれていましたから、何も中学生ごろの子が、社会の風を直接受けるというようなことは、あまりなかったわけですが、このごろのように、テレビなどによって多くの情報にも接することが出来るようになってきたり、また社会的な制約も緩められてくるようになってくると、子どもの生活の中に大人の世界からの刺激がたくさん入ってくるようにもなってくるわけです。そしてちょうど子どもと大人の中間にいる中学生ごろが、一番動揺しやすくなるわけです。それでも前述したように、家庭の中で両親が子どもとしっかり結びついた生活をしていさえすれば、このころの子どもたちの非行もだいぶんくいとめることが出来るわけです。しかし家庭生活が乱れていて、子どもから見て信用出来かねる親の場合には、どうしても子どもは親から離れて、自分の不安定な寂しい気持ちを癒すようになってくるわけです。この手段として、過剰な大人への反発とか自己主張が行われ、それが大人の側からみれば非行ということになるのです。非行とは大人を信用することが出来ない子どもでしかも、幼い時から多少なりとも大人から圧迫されつづけて、気の毒な被害者とも言うべき存在なのです。
 中学生という年ごろは一般に不安定と考えられましょう。いわば情緒的に障害をもちやすい時期と言えるのです。その一つの極端な現れが非行なのです。したがって非行をおこそうとおこすまいと、この年ごろの子どもに対しては、それまでの幼いころの子どもとは違って、よくその気持ちを大切にして接するようにしていくことが大切だと思うのです。もちろんおたくのお子さんのように、今は何も問題を感じないようであっても、親の対応を一歩誤ると、子どもの親に対する不信感をつのらせることになってしまうのです。もちろん幼い時から親子の関係がしっかりついていれば、子どもが親に対して批判的になったり、反抗的になったとしても、その程度のことは、十分きり抜けていくことが出未ると思います。でも情緒的にかなり過敏で、しかも親に対しての自分の存在を認めてもらいたいという自我欲求はかなり強まってきていますから、ちょっとした期待はずれとか、要求不満に際しての反発はかなり強いものと思わなければなりません。まあ親の方からこだわりをもって、子どもに圧力をかけつづけるということに注意し、子どもの言い分をよく聞いてやるという聞き役に徹してみることでしょう。そして子どもの自尊心に訴え、冷静に考え、判断するという態度を求めつづけることでしょう。何よりも暖かな思いやりを忘れずに接することだと思います。

父親と母親の意見と態度の食い違い/ 父親の言うことはきくが母親の言うことはきかない/ 親の顔色をうかがう/ 親の言う事を聞かない/ 親を批判する/ 親と話をしたがらない/ 親を脅す子/ 注意するとすぐふくれる子/ 自分の物に人がさわると嫌がるときの扱い/ 口答えする/ 反抗期の子ども/ 兄弟への公平な接し方/ 兄弟げんか/ 弟や妹をいじめる/ 異性のきょうだいのいない子/ お下がりと子どもの不満/ やきもち/ 一人っ子/ 末っ子/ 中間の子/ 長男・長女/ 祖父母と子ども/ 家族としての意識の薄い子/ 子供部屋と家族のふれあい/ 難しい中学生との接し方/ 大学進学問題で親子の意見が対立したとき/ 義理の親子関係/ 離婚したときの子どもの扱い/

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