大学進学問題で親子の意見が対立したとき

 高校三年生の長男ですが、大学進学に関して私と意見が対立しています。息子は、就職したいと言うのですが、私は、できれば大学へ行かせたいと思っています。相談しようにも「もう決めた」と言って話し合いに応じません。このような場合、どうしたらよいのでしょうか。
 子どもさんも高校生ともなれば、なかなか親の言うとおりにはならないものです。どだい言うとおりにさせようなどと思っているのが間違いと言うべきでしょう。だが親は、親なりの人生経験が豊富にあるわけですから、子どもが考えるままに放っておいても、みすみす将来子どものためにならない事態になることがみえるのです。いや正確には、みえたと思っているのかも知れません。というのは、親は親、子どもは子どもの考えがあるのです。子どもは親に自分の思っていることの全てを話すわけでもないのです。ただ親と話しているうちに、いつしか、親と反対の考え方をつよめていってしまい、強く主張するということになってしまうのです。ただたしかに世代間の考え方の相違というものは、大きくあると思いますし、青年は青年らしい理想的なものの親方をするものなのです。おそらく現実的にものを考えて、将来を予想すると言う点では、親が言うようなことは、確かに妥当ですし、貴重なものだと思います。しかし子どもたちにとっては、それでは面白くないのです。もう少し型やぶりの暮らしもしてみたいし、理想も追ってみたいと思うのです。親がいうように、人生がきまった脚本で動いていくと思いはじめたら、青年は萎縮してしまいますし、この世に冷淡な気持ちをもつようになってしまうかも知れないのです。親の考えもわかりますが、ここが思案のしどころなのです。

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 親と子が異なった考え方をするのは当然ですが、何も常に言い争いをして、自分が正しいということを相手に認めさせようとしてむきになることは、まことに愚かなことではないでしょうか。こんな言い争いに親が勝ったとしても、それが何になるというのでしょうか。お子さんはあなた方親と言い争いをすることがいかにつまらないことかがわかってきて、結局はもう自分の考えを言わなくなってしまうことになるのです。ですから、お子さんの言うことを十分聞かずに、こちらの考え方をうち出すようなことはやめて、ともかく今お子さんが何を考えているかを十分に言れせて欲しいのです。話し合いというものは、対立していたのでは出来ないわけで、こちらが相手をよく聞いて理解しようという気持ちの時には、相手も自分の言うことを聞きやすくなるものなのです。それにお子さんが、あなた方親と違った考えをもっている以上、お子さんの考え方にそって、あなたの疑問を出してみて話し合いを深めていったらどんなものでしょうか。所詮いろいろな理由によって価値観が異なっているわけですから、そう簡単に妥 協点や一致点を見い出すというわけにはいかないと思います。
 気長に考えなければならないことかも知れません。親としての価値観が、今のお子さんにわかってもらえず、それであなたは焦っているのではないでしょうか。それも仕方のないことです。お子さんの人生に口出ししても、お子さんの納得をとりつけなければ、どうにもならないことなのです。
 一般論で言えば、大学に進学するということは、後のお子さんの人生において、一応の意味をもつことは言うまでもないことでしょう。まだまだ日本は、学歴社会ですから、高校卒より大学卒の方がかなりよい待遇をうけることになるわけです。でも一般論必ずしも通用せずで、とくに大学卒が多くなってきているこのごろは、あまりこの学歴も、ものを言わなくなってきたようです。昔の親の中には、学歴が低いことで不利益を披っていた人が比較的多かったので、子どもには、その補償として、何か何でも大学を卒業させようと考える人が多かったわけです。
 このような考え方は時代が変わってきているとはいえ、変わ っていないようです。ところが現実はどうかと言えば、官庁とか大会社というような比較的人脈の明確な組織を除いては、かなり柔軟な考え方になってきているようです。脱サラなどという言葉が示すように、職業にも階級性が薄れてきてますから、自分の好みによって、技能的に身を立てていこうとする人たちが増えてきていることもたしかなことだと思うのです。とくにあなたのお子さんの年ごろですと、時代の先端を歩んでいるわけですから、きっと今考えている就職にも、それなりの意味をつかんでいるのではないでしょうか。もしそうだとすると、あなたは今お子さんが大切に考えていることを受け入れようとせず、それを頭ごなし圧迫していることになるわけです。
 昔は、財産の継承をめぐって、親は絶大な権限をもっていました。今はそのようなことはありません。ですから昔のような勘当ということは、かなり少なくなったようです。しかし依然として親の頭の中には、親子の縁を切るということをふりかざして、自分の考えをみとめさせようとする考えが残っているようです。考えてみればまことに愚かしい人間の性ではないでしょうか。親が子どもになり代わって、すっかりよく考えるなどということは出来るはずもないことなのです。ですから、たとえある程度話しあって、うまく親の考えをわかってもらうことが出来なかったとしても、それは仕方がないこととあきらめたほうがよいと思うのです。親が自分の考えにこだわり、それをわが子が受け入れないからと言って将来にわたっての関係を悪化させるということでは、いったい何で親が子どものことを考えているのか、その本質が疑われるのです。いいではないですか、子どもは子どもとして選んだわが道を歩み、その歩みの中で人生の先輩として、わが子に助言するということでしたら、素晴らしい親子関係が末長く続くことだと思います。
 長い間、手塩にかけて大切に育ててきたわが子を、一時の意見の相違から関係を悪化させて、疎遠にしてしまうということは、何の価値を重んじて人生を暮らしているのでしょうか。何としても、親子の人間関係を損なうようなことにならない気持ちが欲しいと思うのです。

父親と母親の意見と態度の食い違い/ 父親の言うことはきくが母親の言うことはきかない/ 親の顔色をうかがう/ 親の言う事を聞かない/ 親を批判する/ 親と話をしたがらない/ 親を脅す子/ 注意するとすぐふくれる子/ 自分の物に人がさわると嫌がるときの扱い/ 口答えする/ 反抗期の子ども/ 兄弟への公平な接し方/ 兄弟げんか/ 弟や妹をいじめる/ 異性のきょうだいのいない子/ お下がりと子どもの不満/ やきもち/ 一人っ子/ 末っ子/ 中間の子/ 長男・長女/ 祖父母と子ども/ 家族としての意識の薄い子/ 子供部屋と家族のふれあい/ 難しい中学生との接し方/ 大学進学問題で親子の意見が対立したとき/ 義理の親子関係/ 離婚したときの子どもの扱い/

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