義理の親子関係

 二人の子どもがいますが、私は本当の親ではありません。子どもにいつ話そうかと悩んでいますが、子どもに与えるショックを考えると決心がつきません。いつ、どのように話したらよいのでしょうか。
 何で、本当の子でないということで、そんなに気に病んでいるのでしょうか。自分が産んだ子どもでも、満足に育てられない親がいるというのに、他人の子どもを育てるというのは、人間として立派なことではありませんか。
 もちろん心配されるように、子どもの立場に立った場合、子どもさんは、今あなたのことを本当の親として信じ切っているのを、改めて事実とは言え、それを話して、子どもの気持ちをかき乱すということはやめたほうがよいと思います。もちろんお子さんたちの発達していく過程には、いろいろな出来ごとがおきると思います。あるいは、あなたが心配されるように、一時的にはショックをうけることもあるかも知れません。例えば、よく血のつながりの神秘性を強調するので、実の親探しのために家を出るなどということも起きることがあるようです。このことはあくまでも極端な例ですから決して心配することではありませんが、もしこのようなことが起きたとしても、それは子どもの選ぶ人生ですから仕方がないと思うのです。でもごく普通の暮らしをしている普通の人間でしたら、自分を育ててくれた育ての親のことを、血がつながっていないという理由で、冷淡に扱ったり、あるいは、知らせてくれなかったと言って恨みに思うものでしょうか。私たちの人間としての当然なこの感覚が信用出来ないと言うなら別ですが、そうでなければ、自ら不自然な告白などしないで、ひたすらわが子としてかわいがって暮らしていったらどんなものでしょうか。

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 世の中には、おせっかいな人がいて、親であるあなたがたの気持ちも考えずに、子どもさんに真実を教えてしまうというようなことがあるかも知れません。お子さんが小さかったら、堂々と否定されたらよいと思います。つまり、あなたが、それを認めることによって、お子さんが孤独感を抱き、空想的に自分を悲劇の主人公にしてしまうことがあるからです。あなたは、ひたすらお子さんたちを抱えて、離さないという気持ちがある以上、自分の子であるということを確信をもって言うことなのです。このことは嘘をつくということになるのかも知れませんが、決して動揺するような気配をみせてはいけないのです。ただ問題は、お子さんが少し大きくなっていって、明らかに、自分の実の親を知ってしまった時には、これまた堂々と真実を話してやってよいと思うのです。どうしてお子さんの発達の状態によってこのような嘘をついたりすることをすすめるかと言えば、これはもっぱらお子さんの人生の幸せを願うからなのです。例えば、あるとき、お子さんがあなたに不信を抱いたとします。こういう時捨てぜりふとして、あてずっぽうに「ほんとうの親でない」などと言うことがあると思います。このようなことは、普通の親子の間でもよく起きることなのです。そんな時にあなたがうろたえて「そうだ」と答えてしまったらどうなるでしょう。親子の間柄には、血のつながりよりも、心のつながりのほうが大切なのです。決してお子さんを放り出してしまうような気持ちにならないでほしいのです。
 二人のお子さんが、それぞれ異なった発達段階にありますから、二人を同じように扱うわけにはいかないと思います。ですから下のお子さんには嘘をつき、上のお子さんには真実を話すというようなことも、起きてくるかも知れません。でもそれでいいのではないでしょうか。もち ろん上のお子さんには、下のお子さんには内緒にしておくように頼むわけです。こんな一時しのぎの対策のような話を嫌う人がいるかも知れませんが、前に述べたように、嘘をつく場合でも、本当のことを言う場合でも、共通してお子さんがたの気持ちを考えているからです。お子さんとしては、目の前にいる育ての親であるあなたから離れていきたくないという気持ちが強いのは当然ですから、あなたが無理矢理離そうとしない限りは、空想で何を考えようと現実の生活は変わらないわけなのです。問題はあなたの気持ちが変わらないということなのです。あなたの気持ちさえ変わらなければ、どんな事態でもきりぬけていくことが出来るのです。たとえ一時的に嘘をついていたとしても、それもあなたがお子さんをわが子として手放したくないという気持ちからついたということがわかるはずです。お子さんがたは、あなたの言葉より、また他人の言いつけロよりも、自分にむかって対しているあなたの現実の姿を大切に見てくれると思います。
 あなたはお子さんたちにとって実の親ではありません。つまりよく言うようにお腹をいためて産んだ子どもたちではないのです。でもそれがどうしたというのでしょうか。私の考えでは、産むより、育てるということを責任をもって果たすことのほうが難しいのです。あなたは胸をはって、いつでも「私は、生みの親ではないが、自分で育ての親になることを選んだのだ。それはこの子たちの幸せを考えているからだ」ということを心の中で考えて、胸をはって自信をもって育てていって欲しいのです。この気持ちを失わないで、嘘をつくなり、本当のことを話してやるなりしたらよいと思うのです。決して遠慮はいらないのです。あなたが考えるように、お子さんたちに対して叱るなり、喜ぶなりしていていいのです。変に自分は子どもたちとは「なさぬ仲」であるからと遠慮がちになったり、控えたりする必要はないと思います。精一杯ぶつかっていってやってください。
 お子さんに話する時も、お母さんは、自分で選んで、あなたのお母さんになることをきめて暮らしているのですと

父親と母親の意見と態度の食い違い/ 父親の言うことはきくが母親の言うことはきかない/ 親の顔色をうかがう/ 親の言う事を聞かない/ 親を批判する/ 親と話をしたがらない/ 親を脅す子/ 注意するとすぐふくれる子/ 自分の物に人がさわると嫌がるときの扱い/ 口答えする/ 反抗期の子ども/ 兄弟への公平な接し方/ 兄弟げんか/ 弟や妹をいじめる/ 異性のきょうだいのいない子/ お下がりと子どもの不満/ やきもち/ 一人っ子/ 末っ子/ 中間の子/ 長男・長女/ 祖父母と子ども/ 家族としての意識の薄い子/ 子供部屋と家族のふれあい/ 難しい中学生との接し方/ 大学進学問題で親子の意見が対立したとき/ 義理の親子関係/ 離婚したときの子どもの扱い/

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