離婚したときの子どもの扱い

 私と夫は協議離婚することになりました。私どもには二人の子どもがあります。夫が長男を私が次男をひきとることに決まりましたが、どんなことに気をつけて子どもを育てていったらよいのでしょう。また、離婚後、私が長男に会うことはいけないことでしょうか。
 どんな理由があって離婚されたか知りませんが、子どもにとっては、まことに不幸な出来事だと思います。きっとそれぞれ許せない理由があったからだとは思いますが、子どもたちには、おそらく何の原因もないまま、それぞれ親と兄弟に別れなければならなくなったわけで、まったく心外なことだと思うのです。何年か夫婦として暮らして来た以上、別れるに当たっては、夫々言い分がたくさんあろうかと思いますが、あなたがたのお子さんが傍にいることを考えて、今は、自分たちの感情をひたすら抑えることに全力を奮って欲しいと思うのです。人間 は感情的になると、前後の見境いなく、気持ちのおもむくままに、言いつのってしまうことが多いのですが、そこで一時の気持ちの乱れを収めたとしても、後々までも、重要な問題を残すことになることが多いのです。つまりあなた方夫婦だけで生活していて、それでお互いが納得づくで別れることであれば、他の誰に対してもはばかることはないわけですが、お子さんがいる以上、あなた方はお子さんに対して、これから長い間人間として責任を負って暮らしていかなければならないからです。こ のような責任がどういうものか、今の時点ではあまりよくつかむことが出来ないかも知れません。しかし、何かと自分の感情だけで動いてしまうことだけはしないほうがよいと言うのは、全く別な感情で、お子さんたちがいるからなのです。

スポンサーリンク

 犬や猫の仔ではあるまいし、一人ずつ分けられて明日から暮らす子どもさんたちの暮らしがどんなものか想像できますか。あなた方大人は、成人して、家庭をもって、結構いろいろと楽しいこともしてきたでしょうし、これからも割り切って他人として、それぞれの暮らしを再び建設していけると思いますから、それなりにどういうこともないと思うのですが、お子さんたちは、父か母かいずれかの親と別れて、しかもこの世で二人だけの兄弟であるのに、それが別れることになって暮らすのですから、こんな残酷なことはないと思うのです。
 きっとそれまでに、兄弟二人で機会があれば、別れたくないと話しあっていたことだと思うのです。今さらこのことをむしかえすわけにはいかないと思いますが、せめて二人でこのことだけはキチンと話しあっておいて欲しいと思うのです。それは、二人の子どもたちをこれからお二人が生きている限り、キチンと育てていくことです。二人の縁は切れても、親子、兄弟の縁は切れていないはずです。このことを忘れることなく、それぞれの親としての責任を果たして欲しいと思うのです。ですから、本問にあったような、離婚後あなたがご長男にお会いになられるということは至極当然の話で、もし避ける理由かせあるとしたら、相手の方への遠慮とか、あるいは相手の方の望みということがあるからでしょうが、それは間違いなのです。
 夫婦が死に別れたというのなら、死にもの狂いでわが子を育てることをしたいと考え、またおそらく、夫婦そろっていたときより、よく育てたという例もたくさんききます。しかし、夫婦が生き別れのときほど子育ての難しいことはないと思ってください。それは一時は、お互いにむきになって自分の方の子は相手に負けずに立派に育ててみせると言いたくなるものですが、よくいく例は少ないのです。何故なのでしょうか。今まで繰り返し話してきたように、子どもの立場に立って考えてみることです。死別の場合、残された母子はビックリ気心を一致させて生活していくことが出来るわけですが、生別の場合は、親と子どもの気持ちがまるで異なっているからです。親は、今までの家庭から、早く気持ちを動かして、新しい人生のやり直しを考えていくわけですが、子どもの方は、何も別れる理由などないわけですから、今までの家庭生活の追憶にふけることはあったとしても、それを除こうなどとは思わないわけです。したがって親と子の考えはくい違う一方ですし、さらには、もし再婚ということにもなれば、これからかなり長い間親子のトラブルは続いて現れてくると思うのです。ですから、離婚した親たちは、子どもに対する責務と、今述べたようなこれからおきる親子のトラブルについてはよく話しあっておくべきだと思うのです。もしこのことを話しあうことが出来なければ、これから先の長い人生を皆が重荷を背負って歩むことになるのです。
 後戻りすることの出来ない事情なら、当然これから先の生き 方を考えなければならないと思います。あなた方の家族は、夫婦の縁は切れているわけですが、親子、兄弟の縁は切れていないわけです。このことはキチンと忘れないようにして欲しいと思うのです。決してその縁の結びつきを妨げてはいけないと思うのです。
 いつでも自由に往来出来るようにしておいて欲しいのです。男親でなければ、出来ない息子の願いもあれば、逆に母親でなければ気づくことのない配慮もあるのです。夫婦の縁は切れても、お互いの親としての責務を果たすために夫々が冷静な関係になって助言しあうように出来ないものでしょうか。お子さんたちが全く幼く、父母を識別出来ないともなれば話は別ですが、少なくとも、今は父母のことがよくわかっているならば、生活は別になっても、そのくらいの配慮が望ましいと思うのです。そして、これは、お互いの協約とは別に、子どもに親を選ぶ権利があるということも忘れないで欲しいことなのです。もし兄弟が二人一緒に暮らしたいということであり、それが可能であれば、かなえてやったらどうかと思うのです。あるいは父母のそれぞれのところに交代で生活をしに行くということでもよいと思うのです。前に述べたように、二人の子どもを人間の子どもとして将来とも、その時々の気持ちをくんで、しかも親が、離婚の事情を堂々と子どもに納得させていくことが出来るよう考えていくことではないでしょうか。

父親と母親の意見と態度の食い違い/ 父親の言うことはきくが母親の言うことはきかない/ 親の顔色をうかがう/ 親の言う事を聞かない/ 親を批判する/ 親と話をしたがらない/ 親を脅す子/ 注意するとすぐふくれる子/ 自分の物に人がさわると嫌がるときの扱い/ 口答えする/ 反抗期の子ども/ 兄弟への公平な接し方/ 兄弟げんか/ 弟や妹をいじめる/ 異性のきょうだいのいない子/ お下がりと子どもの不満/ やきもち/ 一人っ子/ 末っ子/ 中間の子/ 長男・長女/ 祖父母と子ども/ 家族としての意識の薄い子/ 子供部屋と家族のふれあい/ 難しい中学生との接し方/ 大学進学問題で親子の意見が対立したとき/ 義理の親子関係/ 離婚したときの子どもの扱い/

       copyrght(c).子育てと育児.all rights reserved

スポンサーリンク