言葉の遅れている子

 長男は満三歳を過ぎたところですが、近所のお子さんに比べて、言葉が遅れているようです。小さい時から身体が弱く、私たちは家の商売が忙しかったものですから、おばあちゃんにお守りをしてもらい、あまり外にも出さないで遊ばせたのですが、このままほうっておいて、自然になおるかどうか心配です。どういうところでみてもらったらよいでしようか。
 このごろは乳幼児の言葉の遅れについての相談が比較的多いようです。三歳でしたら、保健所の三歳児検診を受けられるのが一番よいでしょう。そこで遅れの程度や原因、指導について助言してもらえます。
 赤ちゃんが意味のある言葉を言うようになるのは、満一歳から一歳半ごろといわれています。このころを一語文の時期といって、「ウマウマ」という一つの言葉で、食べ物がある、食べ物をもってこい、食べたいというようなことを表現します。
 一歳半から二歳ごろになると、二語文から多語文の表現ができるようになり、名詞だけでなく、動詞も使い、質問も命令もできるようになります。
 二歳を過ぎると、言葉の数もずっと増え、過去、現在、未来の区別もできるようになりますが、単語を並べるだけで、助詞はうまく使えません。
 二歳半から三歳ごろまでは、助詞を使って文章のような形で話せるようになります。
 三歳以後は、子どもは、とてもおしやべりになり、なぜ、どうしてと因果関係を知ろうとする質問が多くなり、四歳になれば日常生活に必要なことは大てい話せるようになります。
 以上、ごく大まかな平均的な発達の様子を説明したのですが、乳幼児期には、個人差が非常に大きいものですから、この段階と比べて、すぐに心配したり、あわてたりする必要はありません。でも、三歳をすぎても、言葉の数がとても少なかったり、言いたいことがうまくいえず、意思の疎通を欠いたりするようでは、次のようなことがなかったか調べてみる必要があるかもしれません。

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 知能、聴力、発音器官に遅れや異常はありませんか。これらは後で紹介する専門機関で調べてもらう必要があります。もしそのような遅れや異常があれば、それなりの手当が必要です。
 子どもの育った言語環境に問題はありませんか。言葉は環境の中で学習されるものです。ですから障害がなくても言語環境が不適当ならば、言葉の学習が充分にされず、遅れが出てくることは考えられます。
 テレビに子守りをさせてはいけません。最近、親が忙しいからとか、子どもがテレビが好きだからという理由で、長時間子どもにテレビを見せている家庭があります。このことが、言葉の遅れの原因の一つに指摘されているのです。
 まだ言葉も分からない赤ちゃんの時代から母親や家族の人がいろいろ話しかけ、あやし、ほめています。その刺激の中で、赤ちゃんは言葉を模倣し、反応します。それを大喜びして相手になり、何度でも繰り返して話しかけ、反応を喜んでいます。このふれ合いが実は、子どもの言葉を育てているのです。家族全休の話しかけやあやしが、子どもにとっては不可欠の言語環境なのです。
 同じような理由で、友だちと遊ぶことも言葉の発達にとって大切な刺激であり、学習の場です。身体が弱いからというので、お年寄りが世話をし、静かにそっと育てたことも、マイナスだったかもしれません。
 子どもの情緒的な問題はありませんか。赤ちゃん時代に母親がスキンシップを配慮しながら、話しかけ、相手をし、子どもの情緒的な満足や安定をはかってあげると、子どもは、のびのびと育ち、感情の豊かな子に育ちます。豊かな感情を持っている子は、学習した言葉を用いて自分の心をどんどん表現しようとするので、言葉もどんどん発達するわけです。情緒的に不安定であったり、未成熟であると、言語の学習にも支障が起こるのです。
 母親は子どもが口もきけない赤ちゃん時代からたえず接していて、子どもの発達の程度に合わせて、一対一で繰り返し指導できる最高の言葉の先生です。最高の先生は、子どもを責めたり叱ったりばかりしないものです。暖かく、笑顔をもって、楽しく言葉かけをし、あせらずに相手の歩みに応じて指導してくれます。子どもも、お母さんに話しかけるのが楽しくてしかたがない。そのような交流の中で自然にことばは会得されるものですね。「だめねえ」「もっとち ゃんと言いなさい」「そんな言い方じゃわからないわよ。もう一度はっきり発音して」というようなお説教の繰り返しでは、子どもも言葉を話そうという意欲を失ってしまいます。
 言葉の異常や、その他の障害の心配がある場合、他の子と比べてかなり大きな遅れがある時などは、次のような相談機関をおたずねになったらいかがでしょうか。

 (1) 最寄りの保健所
 (2) 児童相談所(福祉事務所でも分かります)
 (3) 教育相談所(教育委員会に問い合わせる)
 (4) 特殊教育センター
 (5) 聾学校、または小学校に設置されている「ことばの学級」(学校に問い合わせる)
 (6) 病院の小児科または小児神経科

 これらの機関は、必ずしも、言葉の問題だけの相談機関ではなく、知能や精神発達全体の遅れの有無、発音、発声器官の障害などと関連させながら、全体的に調べてくれます。また、もっと適当な他の機関を教えてくれることもあります。お母さん一人で心を痛めていないで、お子さんのために、早期に適切な手をうつことが大切です。

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