吃音のある子

 小学校二年生の男の子なのですが、最近どもるようになりました。学校でもみんなに笑われるので、学校ぎらいにならないか心配です。お父さんも、小さいころ少しどもったそうですが、今はまったくどもりません。どもる子に対し、家庭でどのようなことに注意したらよいでしょうか。
 吃音(どもり)は、皆さんよくおわかりのように、言葉の初めが出にくい、音をひきのばす、音や音節や語をくり返す、途中でつまるなどの話し言葉のリズムの異常をいいます。時には、言葉だけでなく、身体をこわばらせたり、目をパチパチさせたり、手足をバタバタさせたりして、聞いているこちらの方が辛くなったりします。
 吃音に関して、世間でよくいわれていること(俗説)にまどわされないようにしてください。
 吃音は遺伝するか。お宅でもお父さんが小さい時にどもったことをあげていますが、吃音そのものが遺伝することはありません。
 まねをするとどもりになるか。よくいわれることですが、はっきりしていません。
 吃音のある子と普通の子との間に、発育状態や知能その他に違いは見当たりません。
 原因については、まだはっきりわかっていません。
 左利きを右利きにかえるとどもりになるかということも明確になっていません。
 身体的な欠陥、事故などのショックやケガでなることもほとんどありません。

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 どもりの始まりが三歳前後に多いことはたしかです。このころは、幼児の言葉が急速に発達するころで、自分の言おうとすることをうまく言葉で表現できなくて、つかえたり、あせったりすることは、ふつうの子どもによく見られる光景です。
 一次性 - これは「幼児期のどもり」とか、「初期のどもり」とか呼ばれているもので、本人自身はどもることを意識していません。ですから話すことを苦にしたり、恥ずかしがったりしないのです。
 二次性 - これは「大人のどもり」とか「固定化したどもり」といわれるもので、どもることを自分で意識し、苦にして、話すことを恐れたり、さけようとします。また、顔をしかめたり、手足をバタバタさせるなどの症状が伴います。これは、小学校高学年以後に多くなります。この中間で、話すことを気にはしていますが、二次性ほどではないのを「移行期のどもり」と呼んだりします。
 このわけ方は、吃音の進行過程でわけたもので、年令が小さく、初期のころは、だれでもあまり意識しないのです。前に述べたように、三歳前後では、言葉がつかえたり、うまく表現できないであわてたり、音を引きのばしたりすることはよくあることです。
 それを、周囲の人がききとがめて、吃音というふうに受けとめ、注意したり、治そうとすることから、本人もいけないことだ、恥ずかしいことだと意識し、どもらないようにあせるので、よけいに吃音がひどくなり、劣等感などが形成されてくるのです。
 一次性の吃音についての注意事項は次のとおりです。
 子どもが話している途中でさえぎらない。
 どもっても、手助けして教えたりせず、その言葉が出るまで気長に特つ。
 上手に話すことを教えない。
 発語能力以上に高すぎる課題を与えない。
 どもっても、笑ったり、批判したり、拒否したり、指摘したりせず、どもりを心から受け入れる。
 話し方をせかさない。
 疲労時や興奮時には、無理な発語は強いない。
 要するに、周囲の人が、子どものどもりを過敏に意識し、はやめに治そうとせず、良いきき手になって、ゆったりした態度で応じていれば、自然に治ってくるということです。
 二次性の場合も、家庭での注意事項は原則として変わりません。しかし、症状も固定化してくるので、家で努力して限界がある場合には、学校のことばの教 室とか、教育相談所へ相談に行った方がよいでしょう。
 相談機関では、単に言葉の問題として吃音を矯正するのではなく、お母さんと面接して、子どもの養育環境、養育態度全体をよくたしかめ、お母さん自身の性格や、子どもとの関係なども話し合っていきます。そうすると、次第に今まで気づかなかったところで、子どもに高すぎる期待を持っていたり、子どもの言葉に神経質になりすぎていたわけや、お母さんのあせりが洞察されて、子どもに対する態度が変化してきます。
 お子さんの方は、遊戯療法や心理劇などの方法を用いて、緊張を解消し、自由な自己表現を助けていきます。こうしているうちにいつのまにか吃音が軽快することがあります。
 また、相談所から学級担任と連絡をとり、学校でも友人から嘲笑や非難を受けたり、ひやかされたりしないように配慮してもらうと共に、本人の良い点を認 めて、自信をつける方向での指導を試みてもらうこともできるでしょう。
 青年期になって、本人自身が自分の吃音をなんとか治したいと一念発起して、本を読んだり、吃音の矯正教室へ自発的に行って治した例もあります。しかし、これは自発的、自覚的なものでないと、なかなか永続しません。年令の小さいうちから、吃音だ けの矯正に通うことはあまり適当でなく、感情や情緒の安定と人間関係の改善をはかりながら、自然になめらかな発音ができるようにしていくことが大切だと思われます。

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