適正を見つけるには

 高校生にとって、進学は将来の職業選びに直結する大切な問題です。進学すなわち進路と考えてよいでしょう。
 しかし、どの方向へ進んだらよいかは、なかなか難しいもので「さっぱりわからない」というのも無理もないことです。
 こんなとき、とかく目が向きやすいのが、高校の学科への興味とか成績です。特に成績がすぐ目につきやすいのです。
 そこで、英語の成績がよければ大学の英文科へとか、数学が得意だと数学科や理工系というように考えやすいのです。しかし、この点については注意が必要です。
 というのは、高校の学科は九科目くらいしかないのです。それを基準にして将来の職業さがしをしても、それは無理です。世の中の仕事は、もっともっと種類も多く複雑だからです。学科の成績イコール職業の適性というように狭く考えないことです。

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 大きく次の二つに分けることができます。一つは、職業適性検査のような検査を受けてみることです。もう一つは、幼いころから長い間にわたって「育ってきた」あるいは「育てられてきた」経過や体験を土台にしてさがすことです。
 第一の職業適性検査というのは、質問紙法と呼ばれる質問項目に答えを記入して、それを採点して一般の基準に照らして自分の適性を分析してもらうものと、実際の機械や道具を使って検査を受ける種類のものなどがあります。
 いずれにしても、現在の状態について、自分の向いている面、不向きの面、得意、不得意面などを分析する方法です。たとえば、事務的適性とか機械的適性などを数量的に見ることができます。そして、音楽、美術、演劇、奉仕、宗教、学術、経営、技術などのうち、どちらにどれだけ向いているかの適性をみることができます。
 これは必ずしも検査によらなくても、自分自身で、あるいは両親、友人、教師などからみて判断することもできます。
 第二の方法は、生育史的な方法ともいうべきもので、幼い子どものころから、どういう傾向があったとか、どの面に情熱を注いできたとか、どういう面にエネルギーが使われてきたかといったことを、いわば歴史的にふりかえってみる方法です。
 したがって、必ずしも現在の状況とピッタリ合致するとはかぎりません。中学や高校時代は、すべての学科に均一の努力をはらい、デコボコのないような学習をさせられたり、また学校の勉強に追われて、いろいろな経験、体験、学習をする時間や機会を奪われて、適性が一時的に影をひそめていることもあります。
 そんなわけで、幼い時からの様子をよく知っている親兄弟と、じっくり生育史や過去の経験について話し合ってみるとよいのです。どのような遊びをよくしたとか、どういう活動に興味があったとか、どういう活動に能力を発揮したといった話題を交わしているうちに、かくれた適性が再発見されるのに役立ちます。
 その際、子どもの興味や関心、意欲や情熱といった心情面を見落とさないようにすることが肝要です。ほんとうに満足感をもってやったとか、自然に心が向いていった方向とか活動といった面を大切にしたいものです。
 また、精神的エネルギー(知能、才能)がどの方向によりよく用いられたか、どの程度有効に使われたかといったことも参考になります。
 たとえば、抽象的な言語的な面によく向けられたとか、具体的な物を操作する面、体を使う面に向けられたとか、社会的な対人関係の面に向けられたかなども大切な着眼点です。
 小学生のころから組立て玩具といったことに関心がある場合が、それは具体的な物を操作する方面に知的エネルギーや関心が向けられた傾向があることを物語っています。
 そのことと学校の成績の中の理科系とがうまく結びつくかどうかは、一つの検討材料です。理工系は電気、機械、工学、建築、化学、電子工学など、様々な領域を合む広い領域に及んでいます。
 それらの領域が、ほんとうに具体的な物の操作と結びつくか、 それとも抽象的な理論と結びつくかは、進学コースによって分かれます。一般的にいって、大学の勉強では計算とか理論に中心がおかれて、必ずしも機械や物を操作するとはかぎりません。
 ですから、ほんとうに物を操作することに興味や情熱をもつ場合には、大学進学よりもむしろ専修学校とか専門学校に進むほうがよりよく適性を生かせる場合もあります。
 また、大学の受験科目は、どちらかといえば、抽象的な学習を強いられることが多く、組立てとかヘの具体的、技術的な興味や適性とは一致しないことが多いのです。ですから、進学をきめる場合、大学進学をめざすなら、それは別の意味での適性さがしが必要になるかもしれません。
 適性をよくみつめ、よくたしかめて、それを大切にすることは、お子さんの人生一生の問題です。たんに就職先の組織の大小、待遇の善し悪しだけに目を向けていますと、将来大きい損をすることがあります。人間は、自分の適性を生かせる職業を見つけることに幸福感を味わえるからです。人生必ずしも思うようになるとは限りませんが、自分の適性を大切にする心構えを尊重しましょう。

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