思考力を育てるには

 長男は現在五歳ですが、活発で元気のいいのはよいのですが、頭を使って考えるということは得意ではないようです。例えば、庭の草花に水をやるにも、じょうろを使わずに、わざわざコップに水をくんでくる始末です。もつと思考力をつけさせるためには、どんな勉強をさせればよいのでしようか。
 お子さんが、草花に水をやったのは、お母さんの指示でやったのでしょうか、自分でそう考えてやったのでしょうか。
 もし、お子さんが自分でそれを思いついてやったとしたら、それは立派な思考といえるのです。しかもその思考は自主的な思考ということができます。自分で考えたり、思いついたりする思考は、別の言い方をすれば創造的思考ともい えるのです。
 思考というと、とかく与えられた課題や問題を正しく解く場合にかぎられるきらいがあります。その場合の思考は、多くは教えられたとおりに考える、つまり正答に向かって思考することです。
 例えば、「二と二を加えていくつ」というように、あらかじめ加算を教えられていて、その方式にしたがって考えるのです。つまり、教えられたとおりに考えて正しい答えを出すことが思考であると考えられる傾向が強いのです。
 ですから、お子さんが草本に水をやるには「じょうろを使うものだ」という知識や習慣どおりにやらなかった、つまり教えられたとおり、常識どおりにやらなかったということで、「うちの子は頭を使わなかった」とお考えになるのも無理もないことです。
 しかし、教えられたとおり、あるいは常識や習慣どおりにやることが必ずしも頭を使ったことにならないことに注目することが大切ではないでしょうか。教えられたことを丸暗記して、そのとおりにやったとしたら、それはむしろ、ほんとうの思考力を使ったのではないからです。
 人から言われたことや人の真似をして、そのとおりにやるだけなら、そこには思考力はあまり必要がないのです。いわば機械的にやっているだけともいえます。
 私たちの日常生活には、このように思考力を使わずに、単に惰性で習慣をくりかえしていることが案外多いものです。そのような生活態度では思考力は伸びないでしょう。それは他人が考えてくれた結果を教えられて、単にそのとおりにしているとか、単に真似をしているにすぎないともいえましょう。
 ですから、「自分で自主的に考える」という態度を常に持つことが、真の思考力をのばすことになるわけです。自分で考えるとか、自分の頭で考えるということは、常に自分の心が活動していることです。「どうしたらいいだろう」とか、「なぜだろう」というように疑問をもつことが大切です。

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 お子さんに「草木に木をやりなさい」と指示してやらせるのでなく「この花元気がないね」とか「この草は枯れそうだね」とかいうような言葉をかけて「どうすればいいでしょうね」と問いかけるのがよい方法です。
 すると、子どもは「どうしたらいいだろうか」と考えなければなりませんので、思考力が伸びるのです。そして、子どもが「水が切れているのだ」とか「この花は水を欲しがっているのだ」といったことに気づくことが思考力の第一歩です。
 そして、水が足りないのだから「水をやることが必要」と考えたとき、水をやる行動がおこるのです。その時大切なのは水をやることであって、その手段はその次の問題です。とにかく、水をやることを思いつくことが思考の第二段階です。
 ですから、お子さんがたとえコップを使ったとしても、それを自分で考えたのですから、コップのことは問題にせず、水をやることを思いついたことを認めてやるのが上手な扱い方です。
 次に、思考の第三段階が、どういう手段や道具、方法を使うかを考えることです。その手段や方法はいろいろあります。コップ、じょうろ、バケツ、ホースなどさまざまです。コップでは水の量が少ないとか、葉に水をかけるには不充分な道具かもしれませんが、もし小鉢に少量の水をやる場合なら、コップで充分なので、必ずしもじょうろを使う必要はないでしょう。
 むしろ、極端な言い方をすれば、草木に水をやるのは常にじょうろときめてかかるお母さんのほうが、柔軟な思考力に欠けているかもしれません。機械的に決めてしまう考え方は固い頭をつくることにもなりかねません。
 思考力を育てるには、常に目前の状況をよく見つめ、よく理解して、その場面に最もビックリする方法や手段を選ばせることが大切なのです。機械的に暗記させたり、知識を詰めこんだり、常識に従わせるだけでは不充分なのです。知識や情報は大切なものですが、思考力にとってもっと大切なのは、それを正しく選択できることです。
 したがって、思考力をつける勉強は、教えこんだり、詰めこんだり、丸暗記をさせるようなやり方ではダメなのです。たくさんの知識や情報を詰めこんで覚えさせるのでは、目前のテストや受験には役立つかもしれませんが、それはほんとうの思考力を育てることではありません。
 最もよい勉強のさせ方とは「子どもを困らせる」ことです。ということは、「困ったな、どうしたらいいかな」という状況に子どもをおいてやり、子どもが考えなければならないようにしむけるのです。
 そのためには、親として「教えこむ」ことに熱中するのでなく、常に子どもに疑問を投げかけてやるとよいのです。「困ったね、どうしたらいいと思う」というように、子どもに考えるチャンスを与えることが最もよい導き方です。
 それから、親自身の生活態度の中に、いつも考える習慣を身につけ、そういう思考の生活態度を子どもに見せてやることが、すばらしい教育になります。親が工夫したり、創造したりという思考の手本をみせることです。

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