難しい本を多く読む子

 小学校四年生の次女は、昔から本が好きで、年相応より程度の高い本を読みたがります。次女よりも二つ年上の姉も読書好きな方ですが、次女は、その姉の本や国語 の教科書などを全部読んでしまいます。小学四年生相応の本を私がすすめても、「幼稚っぽい」といって、あまり喜びません。しかし、今から、あまり難しい本を読ませておいていいものでしようか。
 年令相応以上の難しい本を読むのは、その子の読書能力が高いことと、読書意欲が強いことの現れですから、そのこと自休べつに悪いことではありません。無理にブレーキをかけることもいりませんし、それに罪悪感をもたせるようなことは言わないほうがよいと思います。
 子どもが本好きであるということは、多くの知識や情報を得ることができますから、常識も豊かになり、それが学校の勉強にも役立つことでしょう。このごろは子どもが本を読まなくなったという嘆きの声が多い中で、お宅のお子さんたちは珍しい存在といえるかもしれません。
 活字離れや、マンガやテレビにばかり目を奪われる傾向のある現代っ子の悪い面がないことは、結構なことですから、そういう見方で子どもに接するとよいでしょう。そして年令相応のものを読むようにと干渉するのはやめましょう。
 子どもは個性をもっているわけで、この子の能力の発揮される方向が、本を読むという抽象的な方向にむいていると考えてよいでしょう。そのかわり、視 覚や運動による技能面や体育面には、それはどうまく能力が発揮できないかもしれません。
 やはり、エネルギーの出口や能力発揮の方向には個人差があって、精神の発達は常に各面が同じというわけにはいきません。つまり、この子の読書年令は四年生より高く、おそらく六年生か中学生ぐらいなのでしょう。
 この年ごろに読書のおもしろさ、楽しさを身につけておきますと、おそらく一生その傾向は続くことでしょう。そうだとすると、一生の間には大変多くの知識や情報を獲得できるでしょうから、本人のためにも喜んであげたいことです。

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 お子さんの読書傾向はどうでしょうか。難しい本というのは、読書のレベルのことで、その内容の広さや種類に着眼してみましょう。
 例えば、文学的な傾向なのか、それとも伝記とか歴史的なものなのか、それとも科学的なものでしょうか。多分、少女小説的なものではないかと推測されますが、いずれにしても、本人の趣味の傾向を知ることがよいでしょう。そのためには、子どもさんの読後感想や、いま読んでいる本について、お母さんも興味を示して聞くことを楽しむ態度をとればすぐわかります。
 あるいは、いまは読書力に楽しみと自信をもち、興味のむくままに、手当たり次第に乱読しているのかもしれません。それも一つの読書法です。いろいろあさっているうちに、自然に自分の興味の方向が決まってくるでしょう。
 子どもの読書については、学級文庫の利用とか図書館の利用などがあり、担任の先生や司書係の先生、あるいは同級生やお姉さんなど、いろいろの人の影響を受けて内容も多種になるとおもいます。
 これから五年生、六年生と学年がすすむにつれて、子どもの興味は拡大していきますので、子どもは宝の山にはいっていく喜びを味わうことでしょう。その傾向が中学から高校生まで持ちこされたら、もうしめたものです。読書の習慣が身について、その子の人生は心豊かなものとなるでしょう。
 いまのうちは本の内容の幅をひろげて、内容を多種にしておくことが、将来の発展にプラスとなるでしょう。偏食的な読書でなく、豊富でかたよらない栄養を吸収することに心がけたいものです。お母さんは、このような前向きの積極的でおおらかな気持で眺めてあげたいものです。
 読書好きでどしどし難しい本を読んでも、そのことは結構なことですが、次のような場合には留意を要します。
 読書にばかり熱中しすぎて、運動不足になり、体の健康をおびやかす場合。
 友だちとの遊びや交際などがなくなり孤独の生活になる場合。
 お手伝いなどの家庭生活に参加せず、家族から浮いてしう場合。
 本のことで頭がいっぱいで、勉強のことや現実の日常のことがおろそかになってしまう場合。
 欲求不満とか劣等感や不安感などのため、現実から逃避して読書の中に逃げこんでいる場合。
 このような傾向が伴うような読書好きは危険性があります。他の活動や生活にも適当に心を向けることができ、全休としてバランスがとれていて、その上 で特に読書にウエイトがかかっているというのであれば安心です。必ずしも、どれもこれも同程度で平均的であればよいというわけではなく、少々読書にウエイトがかかっていても、ひどいアンバランスさえなければ結構です。
 読書による知識や情報は、物知りになるという点ではよいのですが、それはすべて他人の見聞や経験なのですから、それだけでは人間として不充分です。特に小学生の段階では、まだ多くの生活体験を必要としています。家庭や近隣での経験のほかに、友人との接触は、本では学べない重要なものです。
 読書は抽象的な観念を媒介としていますので、頭の中だけの活動で終わってしまい、具体的、行動的、実践的な世界の出来事とは質が異なります。読書と体験とが相まって、双方とも深みも高みも生まれるわけです。このことを念頭において指導しましょう。

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