夜尿のある子

 うちの子は四歳になった今でもおねしょが治りません。去年までは、おねしょが頻繁でしたので、夜はおむつをさせて寝かせていました。今年から訓練のつもりでおむつをはずしましたが、今度はふとんにしばしばおねしょをします。夜寝る前と夜中の十二時におしっこをさせていますが、夜明けごろどうしてもしてしまいなかなかうまくいきません。普段から神経質な子でもあり、厳しく叱ったりするとますます神経質になるのではないかと心配です。どうしたらよいでしようか。
 普通のお子さんで、排尿の自立ができるのは、三歳から三歳半ごろといわれています。この年令より以前に、夜間に失敗があっても夜尿とはいいません。本問では四歳を過ぎたから、夜間のおもらしは気になさるのも当然ですが、子どもの発達には個人差がありますので、五、六歳ころまで夜尿が続いても、いつの間にか治ってしまうこともあります。あまり神経質にお子さんを責めないようにしてください。

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 昔から、夜尿を活す方法はいろいろ試みられていますが、これなら絶対大丈夫という決定的な方法は、残念ながら見つかっていません。
 例えば、お医者さんでは、薬物療法とか、食餌療法、また、電気や太陽燈をかける物理療法などをよく用います。また、一般には、水を制限するとか、お灸や漢方薬で活ったという話をきくことがあります。心理学的な方法としては、催眠療法、カウンセリング、遊戯療法、生活訓練などで効果をあげることもあります。
 いろいろな治療法が試みられているということは、どの方法も、効く場合と効かない場合があるということです。本当のところ、夜尿の原因についても決定的なことはまだわかっていないのです。かといって、素人判断であれこれと試してみるのは禁物です。どれも中途半端にやってみて効果がないと、親も子も混乱し、悲観的な気持や劣等感が強くなるだけです。
 どうしても心配な時には、一応、病院の泌尿器科で診てもらい、身体的な異常がないかどうかチェックしてもらうことが先決です。実際には、膀胱とか泌尿器系の異常のある場合はほとんどありませんから、あくまで念のためです。医師の指示や投薬に従っても効果がない場合には、心理的な側面から原因や治療法を考えてみます。これには、児童相談所や教育相談所へ行って個別に相談をなさるのが一番よいのですが、そういう機会も得にくい人のために、よく見られるケースを参考としてあげてみます。
 子どもは、乳幼児期にはお母さんからいつも暖かい関心をもって見守られ、言葉をかけてもらい、時には肌と肌との接触によってお母さんの存在と愛情を感じて、情緒的に安定し、満足するものです。このような基本的な愛情の充足感に欠けているお子さんに、時折、夜尿が見られることがあります。
 例えば、施設などに預けられて母性的な接触が不充分な子、厳しい育児をされスキンシップが充分でなかった子、下に弟妹が生まれたりして、母親の愛情や関心を求めているのに母親は気づかず、充足されてない子などの場合に夜尿が続く時には、母親の接し方をふりかえってみる必要があります。
 こういう子の場合には、子どものふとんを父と母のふとんの間に川の字に並べ、寝る前にお母さんが、手を従ってやるとか、頭をなでてやるとかしながら「今日からお母さんの隣りで安心して寝なさいね。失敗しても、お母さんがついててあげるから心配いりませんよ。安心してぐっすりお休みなさい」と言ってあげるのです。寝る前にお話をしてやったり、子どもの話に耳をかたむけてやることもよいでしょう。要は、暖かいふれ合いをつくり、安心して就寝させることです。これは甘やかしではありません。子どもが求めていて得られなかった甘えを満たしてやることです。
 この方法で効果があれば、毎日の生活の中で、母親の愛情のかけ方に問題があったということになりますので、寝る時だけでなく、いつも母と子のふれ合いに気をつければよいということになります。
 甘やかされた夜尿といって、小さい時から世話をやきすぎ、子どもの言いなりになりすぎて、甘えん坊の子に夜尿が続いていることがあります。おねしょも母親が先まわりして心配し、手を入れて確かめ、寝ている子を抱きかかえるようにしてトイレに連れて行く。子どもは半分眠ったまま、母親の介助でおしっこをさせられるのですから、おねしょの練習をしているようなものです。こういう家庭では、子どもの生活全休をみても、甘やかしや過保護が目立ち、子どもの自立心がそこなわれています。万事、親にたよりっきりで、自覚や責任感がありません。
 こういう子の夜尿を治すには、生活全般の中で自立心を養うよう接し方を改めなければなりません。試みに、親戚や知人に頼んで、一人で泊らせてもらってごらんなさい。意外に失敗しないものです。それに自信を得て、親が手出しをできるだけ控え、自分のことを自分でやらせるよう訓練します。強くしっかりした子になると、いつの間にか夜尿も消失します。
 神経質な子どもの傍には必ず神経質な親がいるといわれます。周囲であまり気にしたり、注意したりしますと、もともと感じやすい子どもはよけい敏感になり、少量の尿でも尿意が起こり、こらえきれなくなったりします。
 そのうちきっと治るさ、いつまでも夜尿が続くはずはないよと、大らかにかまえ、子どもに心理的な圧迫や負担をかけないようにすることが大切です。同時に、夜尿のことだけでなく、日常生活全般で、神経質、几帳面になりすぎないよう注意してください。いろいろな性格の友だちやお家との接触を多くして、お互いに泊りっこもさせ、異質の生活や習慣にふれさせ、体験を拡げることも必要でしょう。

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