登校拒否

 高校一年の男の子ですが、朝何回起こしても起きてきません。傍まで行って起こすと、今日は腹痛で休むから電話してほしいと言って起きません。そして昼ごろからどこかへ出かけます。登校したと安心していると気分が悪くなったから駅で休んでいたが、遅刻するので行く気がしなくなったといって戻ってきます。こんな日が最近毎日続いていますが、どうすればよいでしようか。
 学校のある日の朝、なかなか起きてこない。行かせようとすると、頭痛、腹痛、はき気、だるさなど身体の不調を訴える。休ませると、昼過ぎごろには元気になる。学校が終わるころまでは、外に出ない。中学、高校生になると、終日家の中にとじこもることが多い。無理に登校させようとすると、物を投げたり、家人に乱暴をしたりする。本人の好きなようにさせると、自室にとじこもったり、テレビをみたりし、次第に生活が乱れて、昼夜逆転になることが多い。
 お宅のお子さんが、もし以上のような特徴によくあてはまるのでしたら、登校拒否と考えてよいでしょう。
 初期には、休んではいけないという罪悪感のために家を出て、どうしても学校に行けずに帰ってくるという状態が続く、進行すると、どうしても出なくなり、とじこもりがひどくなります。こうなると本格的な登校拒否です。
 これとよく似た現象で、怠学というのがあります。怠学は、学校や勉強がいやで、なんとかサボろうとするものです。しかし、怠学は、登校拒否と追って、家の中にとじこもって外に出ないということがありませんから、すぐ見分けがつきます。朝、家を出て、学校へは行かず、どこかで遊んで、普通の帰宅時間に何くわぬ顔で帰ってくるのを、ズル休み、怠学といいます。

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 登校をいやがるのだから、原因は学校にあると誰でも思うのが当然です。本人に聞くと「宿題ができていない」「クラブをぬけたいが、ぬけられない」「先生に成績のことで厳しく注意された」など、勉強、成績、友人関係、教師との関係などを理由としてあげることもあるし、はっきりとはいわないこともあります。これらは確かに一つの原因でしょうが、このようなことは多かれ少なかれ誰にでもあることです。にもかかわらず、他の生徒はみな元気に登校しています。それなのに、なぜお宅のお子さんだけが本格的な登校拒否になってしまうのでしょうか。
 教育相談に来所するたくさんの登校拒否のケースを分析すると、本人の性格に共通点が見い出されています。
 例えば、神経質、敏感、情緒的未成熟(自分の感情をコントロールできない)、わがまま、社会的未成熟(集団生活がきらい、ひとり遊びが好き)、がまんする力の不足、親への依存性が強いなどは、ほとんどの子に共通点として発見できます。
 そして、こういう性格に育ってしまうのには、背景として、共通した親子関係の特徴が見い出されるのです。それは、小さい時から、お母さんがかかわりすぎ、かまいすぎて育ててきたことが第一に指摘できます。もっと、本人の自主性や独立心が大切にされ、集団の中でもまれて、いやなことや失敗に出会っても、なんとか自分の力でのりこえるたくましさが育っていれば、こんなこと(登校拒否)にはならなかったかもしれません。
 第二に、お父さんの存在やかかわり方にも原因が考えられます。登校拒否ケースの父親の共通点は、父親不在、父親の影がうすいことなのです。仕事が忙しくて家のことはお母さんにまかせっきりだとか、家にいても子どもをしかったことがない。つまり、子どもに対して、いけないことは断固としていけないと禁止し、外で少しぐらいいやなことがあっても、外に出ていかなければならないと、子どもを家から独立させ、社会化する役割を果たしていないことが多いのです。そこで、母親と子どもとの関係は、よけい密着し、相互に依存し、子どもの独立心や耐性の発達がそこなわれてしまうのです。
 以上でお分かりのように、登校拒否の誘因は学校にあったとしても、真因は意外なことに、本人の性格や家庭の親子関係や養育態度に根ざしていることが判明しているのです。
 まず学校に行くよう強制しても効果ありません。中学、高校生ともなれば、学校に行かなければならぬことはよく分かっているのです。行こうとして行けないのですから、そこをつつかれると、怒って乱暴するのは当然です。
 登校を強制しなければ、休んで好きなことをする生活が続くことになります。そこで長期戦のつもりで、本人のしたいようにさせ、本人の生活の実態や生活態度をよく観察し、本人の性格の弱点をよく見抜くことが大切です。
 親としての家庭での努力目標は、本人の性格の弱点や短所を少しずつ矯正していくため、今までのような保護や干渉を改めていくことにあります。甘えやわがままな言動に対しては、こちらが鬼になったつもりで、突き離し、本人に責任をとらせます。
 つまり、本人の性格の弱い点が治っていけば、その結果として、今まで気になっていた学校の嫌なことなどをのりこえて、再登校しようという強さが生まれてくるのです。今までは周囲(世間の目や親)に行かされていた学校に、本気でもどるかどうかの決断は、本人自身がしなくてはならないのであって、中学、高校生になったお子さんが、一度拒否したのを他人の力で行かせることはとうてい不可能なことです。
 以上は基本的な方針であって、実際には、毎日の生活の中で困ったり、判断に苦しむことがたくさんあると思います。そのような時には、参考書や専門の教育相談所を利用なさってください。

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