家庭での勉強時間

 小学校三年生の子どもを持つ親です。今まで特に勉強を無理強いした事がなく、本人も適当に勉強しているのですが、最近は子どもを塾に通わせて学校以外にもかなりの時間勉強をさせている家庭が増えています。うちのように家庭での勉強は宿題程度というのはのんびりし過ぎでしようか。これから高学年ともなりますので、もつと勉強時間を増やす必要があるのではと心配です。
 家庭では、何時間ぐらい勉強させたらいいでしょうか。学校の父母会や教育相談の席上で、よく出される質問です。そして、そこでは、一年生ならせいぜい三十分、二、三年生なら一時間から一時間半ぐらい、高学年では二、三時間などと話し合われます。しかし、これはどこまでも一般的な目安であって、お子さんの状態や、学習の仕方によっては、このように一概にいえるものではありません。

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 本問では、お子さんの場合、学校での学習がかなりの程度に成立しているように思われます。そして、お子さん自身がそれを自覚して、必要がある時に家庭での勉強を自主的にすすめているようです。それ以外の家庭での時間は、きっと自分の好きなことに力を注いでいるのではないでしょうか。
 実は、このようなお子さんの姿こそ、本来あるべき姿だと思うのです。そして、そうしたお子さんの姿に信頼の眼ざしを向けていらっしやるお母さんの姿にも、また、本来あるべきものを感じます。
 それでは、学校以外にもかなりの勉強をしているという最近の一般にみられる実態は、どこからきているのでしょうか。学校での学習が思うようにいかず、それをかなり補足しなければならないお子さんの場合には、先生からもそれを要請されるでしょうし、本人もその必要性を認めることでしょう。このような場合には、そのことがごく自然に受けとめられ、納得できるのです。しかし、先生からも要請がなく、本人もその必要性を自覚できない場合、きまって、そこにお母さん方が登場し、今のままでは、間に合わない。もっと勉強をやらせなくてはという考えが介在してくるようです。
 教育の根本は、今を充実させ、お子さんの自己実現(最大限に自分を発揮し、心楽しく生きること)を図ることです。今のままでは間に合わないという声の中には、お子さんの今の状態を無視して、自覚のない目的に向かって、準備、準備と追い込んでいるようなひびきが感じられてなりません。ここでは、かりにお子さんが家庭で机の前に何時間か向かっていたとしても、その内容がお子さんのために充実したものになるとは限りません。むしろそのことに心と時間を拘束され、ストレスだけが蓄積するといった傾向すら現れていることも事実なのです。まず、この基本的なことに改めて目を向けて欲しいと思います。
 さて、今をより充実するために、家庭での学習をしっかりしたものにしたいと思っているお子さん、お母さんがいることも事実です。
 三年生のお子さんで、毎日二時間机に向かっているが、ただ機械的に書き取りをしたり、問題集も、わからないところはとばしたまま何となくやっているというのです。これでは単に机に向かっているだけであって、学習の効果は上がるはずがありません。
 このような場合をみてもわかるように、学習は、何時間やれば足りるか、足りないかという時間の問題ではなく、要は、内容とその取りくみの姿勢ということになります。
 まず、学習の内容ですが、お子さん一人ひとり、それぞれ得手、不得手、そして理解や作業の早い、遅いがあります。しかし、学校では、集団で学習をすすめる都合上、学校の時間帯と時間割で一律に動いていきますから、個人的な調整がなかなかつきづらい面があります。ですから家庭での学習内容は、この個人的な調整に目的をおいてすすめられることが望ましいと思います。
 次に、学習に取りくむ姿勢ですが、何といっても、学習の目的をしっかりと自覚させることです。何をわかるために何をするのか、何を確かにするために何を練習するのかという目的がはっきりしなければ、どのような内容にしても、満足な効果を期待することはできません。目的がはっきりすれば、方法も具体的になってくるはずです。そこではじめて必要な学習時間の目安もついてくるのです。
 お子さんに合った家庭学習の目的、内容、方法は、本来、お子さんの力で決め、お子さんの力ですすめていくべきものです。しかし、はじめはどのお子さんも、さまざまな試行錯誤をくり返すものです。そのような時、お父さんやお母さんが相談にのったり、時には指示を出したり、また学習結果の点検もしたりしながら、お子さんが一人立ちしていけるよう気を配って欲しいのです。
 うちの子は、宿題がないと勉強をしません。だから宿題をぜひ出してください。というお母さんがよくいます。ということは、そういうお母さんのお子さんは、与えられたことしかやらない、与えられたことしかやれない、ということになります。このことは、与えられないと何をしてよいかわからない、ということにもなりましょう。このようなお母さんに限って、宿題を出してくれなければ、塾へやらせて勉強させましょう。と、安易に、与えてくれるところにたよってしまいがちになるのです。
 お子さんを自立させていくには、お子さんの学習について、お父さんお母さんも自立して考え、行動していくことが、どうしても必要なのです。

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