勉強部屋のあり方

 住居が狭いので、廊下の片隅をカーテンで仕切りそこを子どもの勉強部屋にしていますが、中学生ぐらいになればきちんとした子ども部屋を作ってやるべきでしょうか。子ども部屋の有無は子どもの学習意欲にも関係してくるものでしょうか。娘は今、小学校の四年生で、下に弟も一人おります。
 一、二年生のころは、きちんとした勉強部屋をもっている子どもでも、そこに一人で長い間いることができず、すぐに家族のみんなが集まる居間にきたがります。なかには、道具をわざわざ居間に持ち込んで、みんなのいる前で勉強をはじめだす子どもすらいます。
 ですから三、四年生になって、お子さんが独立した場所、勉強部屋が欲しいと望まれるのは、お子さんの成長のしるしでもあります。
 家庭、学校、地域の生活で、さまざまな人々とかかわり合って、集団の中で生話しはじめたお子さんは、集団とのかかわりが複雑になってくればくるほど、その中での個人としての自分を確立したいと願うものです。そして、このような傾向とあいまって、自分だけの個人の世界にあこがれをもち、どこかに自分の城を持ちたいと考えるようになるのです。
 自分一人になれるところ。なんでも自分の思うようになるところ。だれにもとやかくいわれないところ。と、プライバシーが保てる場所が欲しくなってくるのです。
 このような時に、勉強部屋として、お子さんのために一部屋確保できれば、これにこしたことはありません。しかし、現在の住宅事情では、これはどこの家庭でもというわけにはいかないことです。ですから、今、お子さんが廊下の片隅をカーテンで仕切って利用されているようなコーナーでも、お子さんにとって自分の城の要件を満たしているのなら十分目的は達せられるのです。

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 コーナーさえ確保されれば、はじめは自分の城の要件が整ってなくてもよいのです。お子さんは、だんだんと工夫してそれを整えて、内容の豊かなものにしていくにちがいあけません。家にある木箱に壁紙や余りぎれをはり込んで整理箱を作ったり、机も、場所をとらないように、板を上手に使って、ミシンの作業台のように析たたみ式に工夫したり、子どもらしいアイデアを生かした空間になっていくでしょう。この作業に、お父さん、お母さんが、本人の意見を十分尊重しながら協力することができたら、きっとすばらしいコーナーになるにちがいありません。
 何でも買い与えればいいという風潮のある中で、創意工夫して手づくりする楽しさを十分に昧わったお子さんは、きっと、このコーナーをほこらしく思い、勉強へのファイトを一層わかしていくはずです。
お父さん、お母さん、弟と協力して。勉強コーナーを作った四年生のもりお君の作文を紹介しましょう。
 「ぼくの家では、高校と中学のお姉さんは自分たちの部屋がありますが、ぼくと弟にはきまった部屋がありません。ぼくたちにも部屋が欲しいとお父さんに話をしました。すると、「家がせまいから部屋をあげることはできないが、二人が勉強するコーナーを作ろう」といってくれました。
 次の日曜日、お父さん、ぼく、弟の三人で、二段ベットのわきのまどの下に、二人の勉強コーナーを作りました。木ばこに板をわたしてつくえのかわりにしました。木ばこの中にたなをつけたらりっぱな整理戸だなができました。弟とのさかいはカーテンでしきりました。カーテンづくりはお母さんの協力です。いすは、食事に使っていた古いものを、お父さんが二人の背の高さに合わせて直してくれたものです。
 いままで、友だちがうらやましいと思っていましたが、今はちがいます。ぼくの勉強コーナーは、お父さん、お母さん、弟と協力して作った、どこにもない、たった一つしかないコーナーなのです。」
 勉強部屋の有無とお子さんの学習意欲との間に関係があるかないかということですが、あるとすれば、他に気が散らない、そこに身をおいた時に、自然に気がひきしまって「さあ、勉強しよう」という気持ちになれるということでしょう。しかし、それも実は、お子さんの気持ちのありよう次第ということなのです。できれば、そのような働きをもつ部屋にしていって欲しいということなのです。
 つまり、勉強部屋、あるいは子ども部屋は、お子さんにとって、ホッとくつろげて、自分をとりもどせる親しみやすい場所であると同時に、このヤル気を起こさせる場所であるということが大切なのです。
 だれからもとやかくいわれないからといって、そこがなまけ者の、無責任者の巣窟になるようなことがあってはなりません。しかし、ついうっかりすると、だれからもとやかくいわれないことが、だれの目もとどかないから、何をしてもいいところになることも事実です。
 ですから、お子さんが自分の城をもつということ、そして、お子さんに自分の城をもたせるということは、お子さんにとっても、お父さんお母さんにとっても、重い責任を伴うことなのです。
 これを機会に、ぜひとも、お子さんに自分の城をもつことによる自由と責任を自覚させ、自主的で自立的で、しかも意欲的な生活態度を育てて欲しいのです。

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