学習塾

 小学校五年生の男の子です。成績が悪いので塾に通わせていますが、いつこうに成績が伸びません。週二回塾に行くことは行くのですが、その場限りで、家に帰っては、勉強する気配がありません。このままでは、何のために塾に通わせているのか分かりません。今後どのように指導していけばよいのでしょうか。
 最近は、地方の小さな町に行っても、必ず一つや二つの塾をみかけます。どうしてこのように塾が増えてきたのでしょうか。
 日本中が教育熱心になってきたからでしょうか、それとも、学校の教育に対する信頼が欠けてきたからでしょうか、あるいは、受験戦争が準備教育をかりたてているからでしょうか。いろいろな理由が考えられます。
 いずれにしても、学校や家庭の学習で十分に学び得なかったことを補ったり、お子さんの力をより伸ばすことを目的に次第に増えてきたことはたしかなことなのです。
 ところで、一般に学習塾と呼ばれているこの塾の中身は、実にさまざまなものがあります。大別すれば、進学塾といわれているような受験準備中心のものや、日常の学習の補強を中心とするもの、また、一クラス四〇〜五〇人で何クラスもある規模の大きなものから、一対一の個人指導に徹する小規模のものまでということになりましょう。
 さらに細かくみると、その中味はもっと複雑になります。例えば、日常の学習の補強を中心とする学習塾の場合でも、そのすすめ方はさまざまです。学校の学習の復習、予習、宿題をみることを主にしているところや、その塾独自の指導計画を作って、それにそった講義や問題練習をすることを主にしているところもあります。そして、塾の先生も、若い学生で構成しているところや、教員免許状をもった人で構成しているところもあります。

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 本問では、週二回、塾に通っているが、いっこうに成績が伸びないということですが、まず、次のことを検討してみる必要があるでしょう。
 塾の指導方針とお子さんの能力や実態が合っているかどうか。お子さんが目的意識をもって、意欲的に通っているかどうか。
 まず、お子さんを塾に通わせる時には、その塾の指導方針や実際の指導の仕方をよく見たり聞いたりして、お子さんの性格、能力、学習上の問題点に適した指導を受けられるかどうかを十分に検討することが大切です。
 日常の学習につまずきがあるので成績が思うように伸びない、それを補強しようとするのに、受験準備中心の、しかも、多人数ですすめる塾を選んでしまっては、目的が達せられないばかりか、かえって、お子さんを萎縮させ、押しつぶす結果になりかねません。
 また、お子さんの程度によっては、日常の学習の補強を主とする塾であっても、塾の指導があまりにも独自なもので、学校の学習とのずれが大きいと、お子さんにとっては二重の負担になり、どちらもアブハチとらずになるおそれがあります。そして、ここでも、多人数の中で、説明、問題練習、答え合わせ、解説といった形で流れていくだけで、一人ひとりにきめ細かな指導が受けられない場合には、お子さんは、ただ何とはなく塾に行って、しっかりと理解できないままに何とはなく帰ってくる。このくり返しに終始することになります。
 次には、お子さんの塾に向かう態度の問題です。塾へ行けば何とかなる。塾の先生が何とかしてくれる。友だちがみんな行っているから。お母さんが行きなさいと言ったから。
 このような態度では、いずれもダメです。たとえ、塾を利用するにしても、そこに、自分から学習に取りくもうという主体的な、意欲的な態度が必要です。わからないことを自覚し、わかろうとする目的をもって臨ませなくてはなりません。
 このようなお子さんの態度は、お母さんの塾に臨む態度の中にもみられます。同じクラスのだれかが行っている話や、隣近所のお子さんが通っている現状をみて、何かお子さんだけが乗り遅れるような不安な気持ちにかられて、わが子も塾にやらなければと思いたって、お子さんの意向も問わずに通わせるお母さんがいます。また、低迷するお子さんの学習は塾に通わせさえすれば何とかなるといった安易な気持ちや依頼心だけで通わせるお母さんもいます。これでは、決してよい結果を期待することはできません。
 お子さんの中にもお母さんの中にも塾に行けば何とかなるという依頼心だけが支配していますと、塾での学習がおぼつかないばかりか、肝心な学校の学習まで不安定なものになってしまうことになります。学校の指導に対する信頼感がうすれていくからです。
 確かに、学校は、一定の時間内に一定の内容を、しかも四〇人前後の児童を対象に、一人の先生が指導するのですから、個人差を見きわめて、一人ひとりを伸ばす配慮をといっても、もう一息手のとどかないことも事実です。しかし、このような個別な問題を完全に学校に望むことも無理なことです。学校で十分理解できなかった点、練習不足によるつまずき、また、学校の学習をさらに応用、発展させるといった問題こそ、家庭学習の対象であって、お子さん自身が自分の力で自主的に解決していくことなのです。そして、お母さんは、それを側面からささえてお子さんの学習態勢を自立させていく努力をしていくことなのです。
 ですから、お子さんの現在の状態から出発し、お子さんの体力とも考え合わせ、生活時間の中に家庭学習の時間をきちんと位置づけ、塾を利用する目的意識をしっかり親子でもつことが大切です。
 塾は、隣りのお子さんに適しても、わが子に適するとは限らないということをおさえてかかることをおすすめします。

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