学用品の与え方

 小学校三年生の女の子ですが、学用品を買うのに、かっこうの事ばかり気にします。また、「○○子ちゃんの持っている筆箱が欲しい」だの「いいにおいのする消しゴムがいい」だのすぐ目新しい物を欲しがって困っています。学用品も年々華美になってきているようですが、親はどんな点に注意して学用品を与えてやればよいのでしようか。
 最近のデパートの学用品売り場は、まことに多様で華やかです。筆入れ一つ例にとっても、さまざまな種類が出回っています。
 ふたをマグネットで開け閉めする両面開きはむしろ平凡で、消しゴムを入れるところまで含めて、なんと五百開きのものまであります。こういった形の工夫だけでなく、テレビ番組の人気タレントの顔写真をプリントしたものから、いわゆるキャラクターの入ったデザインが次から次へと登場しています。ですから一年生のときに入学祝いに買っていただいた筆入れを大切に高学年まで使い続けるお子さんはまれになり、こわれていないのに、まだ十分使えるのに、最新の型のもの、流行のデザインのものに買いかえたがるお子さんが増えてきたのです。
 しかし、いざ使ってみると、三面開き、四面開きなど、収納スペースがいくつもあるものはかえってわずらわしいですし、筆箱についている線引き兼定規など便利のようであって、定規は不正確で役に立たないこともあるのです。
 一日の学習に最低必要な鉛筆五本、赤鉛筆一本、消しゴム一個といったものを、すっきりきちんと整理して入れておくには、収納スペースは一つだけ、単純でしっかりした物の方がよいのです。
 学習机なども、その典型で、本棚はもちろん、電動鉛筆けずり、時計、スタンドなどがはじめからセットされているものは、一見目をうばい便利そうに見えますが、あとから必要なものを買いそろえ、セットしていった方がいい場合が多いのです。

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 友だちが、次々に新しい商品を買い求めて教室に持ち込んでくるので、お子さんが「自分も欲しい」と思われるのも無理からぬことです。その際は、頭ごなしに「まだ、前のが使えるでしょ」「そんなマンガの絵なんかついているのはよしなさい」「それはぜいたくすぎます」などというのではなしに、お子さまに適切なのはどれかをよく話し合われることです。
 例えば、絵の具や色鉛筆の場合を考えてみましょう。学校の学習には十二色あれば十分です。ところが、二十四色、デザインの華美なケース、しかも一本一本の鉛筆にかわいいデザインがほどこされている。ついそんな商品に目がいきがちですが、学校の学習で、金や銀が必要なことはまずありません。美しいデザインよりも、おれにくい芯、色がしっかり鮮やかにつく商品を選ぶことの方が大切なのです。絵の具も、色数が多すぎると便利すぎて、何色と何色をまぜると新しく何色ができるという発見も感動も工夫もないのです。
 したがって、学用品を選ぶとき何よりも大切なことは、単純でしっかりした物であること。最低必要な機能を満足していれば十分ということです。
 学用品選びの際には、このことを、お子さんに納得のいくようアドバイスされることです。
 学校の落とし物で一番多いのは鉛筆と消しゴムです。下敷きの落とし物も結構みられます。時には筆箱さえあります。ひと昔前までは鉛筆一本落としても大さわぎをしてさがしたものです。ところが近ごろは、また新しいのを買えばいいという気持ちが強く、落としてもさがそうともせず、落とし物入れには、主のない学用品がたまる一方です。
 鉛筆一本、消しゴムー個でも、求めた学用品は大切に使い切るという姿勢をぜひ育てたいものです。筆箱など長く使える学用品は愛着がわくぐらいにだいじに使い込んでいくということです。少々のこわれたところは修理しても使い続けるようなお子さんの姿を見受けられた時は、大いにほめてあげて欲しいものです。この中で、物を大切にする態度や、創意工夫する態度も生まれ育ってくるはずです。
 ところで、最近は、あまりも多彩な商品に目をうばわれて、手づくりということが忘れられがちです。学用品についてもちょっとした配慮で手づくりが加えられると、また考え方が変わってくるでしょう。
 例えば、学年末に、それぞれの教科で使い残したノートの部分を全部一括し、パンチで穴を開けてとじ、表紙にきれいな包み紙をかけたり、すきな絵をかいたり、ひと工夫すれば立派な新しいノートができあがります。これを漢字練習帳や計算帳として活用するのもよいでしょう。
 また、ランドセルには入りきれないこまごました物を手さげ袋に入れて持ち運んでいきますが、この手さげ袋を市販の布袋や紙袋でなく、お母さまの手づくりにしてあげてはいかがでしょう。お子さんの気に入った布地で仕立ててあげる、あるいは、ちょっとしたアップリケや刺しゅうをつけてあげる。そんな些細な心くばりが、お子さんには、どんなにかうれしいことなのです。
 さて、お母さん方も子ども時代に、新しい学用品を整えられた時、何かうきうきと心はずみ「さあ、しっかり勉強しよう」という気持ちになった思い出がおありでしょう。それは、学用品が学習の道づれだからでしょう。この気持ちを大切にしてぜひ学習のバネにしたいものです。
 しかし、欲しいと思った時、いつでも何でも手に入ったのでは、決してうきうきすることもないのです。必要な時に必要なものだけを精選して求めてこそ、自分の学用品になったよろこびもあり、大切に使いこんでいこうという気持ちにもなるのです。

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